俺、対馬レオ。
その時のテンションに流されるなんて愚かな事であって、まったくくだらない。
そう思っていた時期が俺にもありました…。

しかし今の俺はそうは思わない。
人間にはここぞ、という時に勢いにまかせる必要があるのだ。
ただ諦めてるだけなんて「いいんだ、俺には二次元があるから」言ってるフカヒレ発言と
変わらない。
俺はここ数ヶ月の様々な経験を通じて学んだ。
武闘祭での特訓と激戦、親友と初めてしたマジ喧嘩、頑なな後輩の心を開き、憧れるだけ
だったあの娘へ自分をぶつけて、同級生の心の闇と向き合った。
脱童貞ってのも大きいが、それはまあ置いておく。

レオ 「俺は俺の成し遂げたい事を見つけ、精一杯挑戦していく事に決めたんだ」

やはり人間とことん突っ走れば、結果はついてくるのだ。
それは悪い方向に転がる事もあるが、良い事だって限りない。

一同 『何が、成し遂げたい事だっっっ』

で。
つまり。
今はその悪い方に転がり込んでいるという事だろう。
俺はそんな事を考えながら、後頭部からの衝撃に意識が薄らいでいった。


乙女 「(蹴り倒して)…まったく、姉として実に情けない限りだ」
きぬ 「んだよっ、このボクがいればじゅーぶんじゃねーかっ」
エリカ「はぁ…。つまり、ここにいる全員と『そういう』事になってたわけね」
なごみ「私以外の人とも会いに行ってる事は気付いてたけど……センパイ(ぎゅっ)」
よっぴー「……(ぶちっ)」
きぬ 「うわ、スッゲェ……無言でレオの体操着ねじ切ったっ」


エリカ「とりあえず、皆それぞれの対馬君とのエピソードについて、確認してみない?」
なごみ「エピソード?」
エリカ「例えばなごみんが『わたしのーせんぱいにーさわるにゃー』とか言うようになるまでの話よ」
なごみ「………!!」
乙女 「い、言う必要があるのか?」
エリカ「あら?怖気づくなんて乙女先輩らしくもない。
    あくまでも状況確認よ。事情が分からなければレオを裁くにしろ、情状酌量を汲むにしろ、
    情報は多いにこした事はないわ」
乙女 「む……それならばやむを得ないな。
    では、怖気づいてなどいない私から最初に言おう」


(各自個別エピソード説明中。本編と異ならざるを得ないポイントは各自補完願います)



エリカ「はーい、お疲れさま。中々楽しい話だったわ。
    ほら、よっぴー。レオとの無理心中はダメよ」
乙女 「一応、それぞれの相手と真剣に向き合ってはいるようだが…
    節操が無さ過ぎる。性根から鍛え直す必要があるな」
きぬ 「レオの野郎…人ん時はさんざんヘタレを発揮しやがったのに
    姫の前だと一気に下僕兼ナイトかよっ
    『レオのあだ名ナイト』って授業中に紙まわしてやる!」
エリカ「そりゃ、ハッスル君とも呼ばれるわけよねー。ハッスルし過ぎ」


きぬ 「それにしても、おいココナッツ!オメーの話はまったく情けねーなっ
    泊まる所がなかったから、レオんちに目ぇつけたってか?
    ま、レオはあれで優しいからな。どーせ、同情して流されただけだぜっ」
なごみ「黙れ、甲殻類が……」
きぬ 「その点ボクなんて、親友との三角関係の中、拳で勝ち取られた愛だもんね
    ボロボロになってまでボクのところに来たレオの顔を見せてやりたかったね!」
なごみ「ふん………どうだか。
    どちらかと言うと、両方からの譲り合いと余計な善意のタマモノじゃないのか?」
きぬ 「んだよっ?」
なごみ「センパイもお前を伊達先輩に譲ろうとしていたって話しだろう。
    でも、お前は日頃からセンパイにベタベタし過ぎてたからな。
    伊達先輩が見かねて気を利かせてしまったんだろう。センパイには迷惑な話だ」
きぬ 「なぁんだぁとーーーっ!?テメーココナッツ、決着つけてやろーじゃねーかっ」
なごみ「ふん、相手してやろう」


よっぴー「でも、まさか鉄先輩がそんな事になるなんて、正直意外です」
乙女 「ん……そうか?私だって十代のうら若き『乙女』だぞ。
    まあ、れ、恋愛の一つくらいするさ」
よっぴー「いえ、同居している男性と交際した上でただれた不純異性交遊を繰り広げるなんて。
    鉄先輩はもう少しけじめのある風紀委員長かと思ってました。
    それに鉄先輩は嘘が嫌いでしたけど、従兄弟と同居しているという理由で学校に届けているにも関わらずに
    現在の状況って、限りなく嘘に近いと思いません?」
乙女 「!…いや、しかし…それはだな…」
よっぴー「もちろん、嘘をつき続けるのかレオ君との関係を諦めるかは鉄先輩の自由だとは思うんですけど。
    このまま自分にも嘘をついている状態は辛いだろうな、って心配しちゃいます。
    それならいっそ……」
エリカ「はいはい、よっぴー。今日はブラック進み過ぎだからちょっと抑えてね」
    そんな事よりも、今糾弾すべきはレオなんじゃないかしら?」
きぬ 「そー、それだよっ」
エリカ「ここにある一級品の胸を、好きな時に好き放題揉みまくっていたなんて…
    私でさえ色々手をまわさないと揉めないのに!」
きぬ 「そっちかよっ!」
エリカ「それと、今までの話を聞いてて気になったんだけど
    ここにいる皆はレオに処女をささげたんでしょ?」
一同 「……(一同無言で頷く)」
エリカ「レオの童貞貰った人って、いる?」
一同 「……!」
エリカ「ふぅ、やっぱりね。あ、ちなみに私でもないわよ」
きぬ 「おい姫待っちくり
    でもこいつ、ついこないだまでフカヒレと清い身体を罵り合ってたんだぜ?」
エリカ「そ。つまりごく最近、さらに私たち以外の誰かと関係してる、って事じゃない?」
よっぴー「……(ばきっ)」
きぬ 「うわ、またまたスッゲェ!今度は机をっ!?」


祈  「……(美味しい童貞でしたわー)」(物陰にひそむ祈)


乙女 「ここからの事情は本人の口から直接聞こう」
なごみ「センパイは、鉄先輩の蹴りでさっきから気絶したままです……
    加減が足りなかったんじゃないですか?(きっ)」
きぬ 「へっ、ヤケに優しい事言うようになってんじゃんよ
    レオにゴマするんだったら、起きてからにするこったなっ」
なごみ「なんだと……潰すぞ」
乙女 「心配するな、ツボを押せばちゃんと目覚めるように……レオはどこ行った?」
エリカ「え?今よっぴーが介抱するって…」
よっぴー「水を飲ませてみましょう(ずるずる)」
エリカ「よっぴー?」

(ざぶんっ)

よっぴー「あら大変。中庭の池って、思ったより深かったのね。クスクス…
     ……大丈夫、私もすぐに後を追うから……」
きぬ 「うお、さすがにヤバイって!シャレにならねーよっ」

(乙女、救出する)

乙女 「ふむ………だいぶ水を飲んでいるな。処置が必要だぞ。
    …佐藤、気持ちはわかるが短慮は良くない」
きぬ 「しゅーがねーな、このボクがちょっくら人工呼吸してやんよ」
よっぴー「それなら私が……」
一同 『いやよっぴーはいいから』

乙女 「…こほん、ここは姉である私がやろう」
きぬ 「あっ、乙女さんズリーッ」
乙女 「(レオの腹に手をあて)…………破っ!」
レオ 「げぶぅぉっっ!!!」
エリカ「…ああ、乙女センパイならそんなトコだとは思ったわ」


レオ 「………げほっ、ごほっ」
乙女 「目が覚めたか」
なごみ「センパイ!」
レオ 「…あれ、乙女姉さんになごみ……皆も。一体何が……?
    …………。
    ………。
    ……!?(思い出した)
    ま、待ってくれ、これには事情が……」
エリカ「(にっこり)ええ、是非ともその辺を聞きたいのよね
    もちろん、この私をこれ以上コケにした答えは許されないわよ?」
レオ 「………………」
乙女 「まったくお前は乙女の純情を何だと思っているんだ?
    私はお姉ちゃんだからな。責任の取り方というものをたっぷり教えてやるぞ」
レオ 「………………」
きぬ 「ンマーレオも一生に一度しかないモテ期だったから調子のっちまったんだよな?本当はボク一筋なんだろ?
    ほら、みんなにも正直に言ってやれって」
レオ 「………………」
なごみ「私は先輩について行きます……信じてますから」
レオ 「………………」
よっぴー「対馬君は……私の事を裏切らないって言ったよね?
    他の人との事は全部遊びなんだよね?」
レオ 「………………」


祈  「いじめは、ありません」(ひっそり去る)


正直、そこからの細かい記憶はあまりない。
結論から言おう。俺の命は助かった。
一ヶ月が経った今、むしろすべての状態が好転したと言えるかもしれない。
つまり俺のハーレム作戦は見事に………成功した。
元々俺に好意を持ってる人達が多いのだ。

レオ 「誰かを一人選ぶなんてことできない。
    しかし全員と、他のどんな男よりも真剣に付き合ってやる!」

こんな発言をした直後は、まさか自分でも命を拾えるなんて思ってなかったが。


エリカ「へぇ…面白いじゃない
    仮にそんな発言をする人がいるのなら、この世で私しかいないと思ってたのに」
エリカなんかはこの発言を挑発的な視線で受け止めた。
「乙女センパイが中々攻略できないでいたから、良い材料とも言えるわ」
微妙に別の思惑も混じってる感もある。
ハーレム建設もそうだし、将来の人材確保のつもりもあるんだろうか。


きぬ 「ここでレオの熱血モードかよっ…使いどころ間違ってんじゃね?
    ……それにしても、他は巨乳系ばっか。
    なんかムカツキますね、容赦なくいくぜ−っ」
きぬは文句を言いながらも、苦笑してくれて。
そして直後に嫉妬丸出しにクビを締めてきた。
納得したというより、幼馴染としてこれ以上何を言っても無駄な事を知っているのだ。
そうしたら後はいつもの俺らの関係だ。
じゃれ合い上等どこにでもいるバカップルだ。


なごみ「私は他の人がどうあろうと、変わりません。
    ずっと、センパイのそばにいたいです」
なごみはあくまでも純粋な目を向けてくれた。実は心が一番痛んだり。
もともとある程度気付いていて、怒りよりもむしろ不安が専攻していたらしい。
今回の暴露で「自分の落ち度からセンパイが不満に思ってる」わけではない事がはっきりして安心したとのこと。
心配したとおり悪い男に騙されるタチのようだ………俺は悪い男じゃないデスヨ?
絶対幸せにしないといけない。うん。


乙女 「どうやらもう何を言っても無駄なようだな。
    方向性は間違っているが、その覇気は大事なものだ。

    …………なんて言うと思ったか!!」
乙女姉さんからはいつもよりも鋭いローキックをもらった。
でも一度激しい体罰と説教をしたら、それ以降は許してくれるのが乙女姉さんなのだ。
「さあ、好きな方の腕を選べ」「……」体罰と説教はまだ続きそうだった。「足でもいいぞ?」


よっぴー「レオ君……」
目が洒落にならなく怖い。どうしよう。
最初はここでバッドENDかと思ったが、何故か良美も思い直してくれた。
「……出来てしまえば……穴を開けておいて」あらぬ方を見つめ、ぶつぶつ何か呟き始めている。
最近ようやく精神の均衡が保てるようになりつつあった良美だけに、全面的に俺のせいだが絶対に何とかしてやろうと改めて思う。
まずはエッチしまくろう。


もちろん、今回の件以降求められた努力は並々ならぬものだった。
各恋人の中を分刻みのスケジュールで立ち回り、見事に各恋人のハートを射止め直してきた。
そして、見事全員とお付き合いを続ける均衡を気付き上げたのである。
運がよかった事も何度もあった。
同じ事をやれと言われても、もうできない。
つまりこれは、奇跡。
俺のこまめな努力と偶然、そして情熱が呼びおこした本当の奇跡なのである。
ついでに、鎌倉観光をした際に知り合った男性から貰った助言も多いに役立った。
彼はなんでも8人+αとくんずほぐれつな王様ライフらしい。
俺の場合は王様、という感じはあまりしないかもしれない。
あくまで恋人が複数という感じか。



目が覚める。
レオ 「ふー、少し寝てたか」
ぱっ、と見はいつもと変らない一日。
だが、もう違うのだ。
――放課後。
竜宮に全部で、1…2、3…4人。
俺を含めて5人の人間がいる。
テーブルの上に大の字になって寝ている俺の上やまわりに4人の女性。
俺はエリカの胸に顔をうずめ、乙女姉さんはマウントポジションから
俺の首筋といわず胸といわずキスの雨を降らせてくれる。
良美が俺の逸物の上にまたがり、祈先生はその結合部を舐めている。
俺は別に同時プレイにそこまでこだわったわけではないが、
姫が胸を揉みやすい環境を作るうえでこのような事がしばしば行われる。
もちろん反対したりも絶対しないが。


レオ 「ぺろ、ちゅぱ……ぺろ、ぺろ」
俺はエリカの胸を口の中にふくみ、そこでたっぷりと嘗め回す。
エリカ「ん…、いいわよ。レオも、よっぴーも乙女センパイも、ね…」
よっぴー「んんっ……あぁあっ」
乙女 「ん……姫、いい加減に…しておけ
    ……ちゅばっ……ちゅ」
そしてエリカは良美と乙女姉さんの胸をムニムニと揉みまくる。
良美はともかく、乙女姉さんも俺を相手にしているとガードが甘くなるらしい。

乙女 「ちゅ……ん…ん…ん」
乙女姉さんからの熱烈なキス攻撃にも頑張って応える。
乙女姉さんをハーレムプレイに巻き込むのは非常に難しい。
あまり無茶を言うと東京に帰ってしまいかねないからだ。
逆に、主導権をむこうに持たせると乗せやすいので可愛いことこの上ない存在だ。

祈  「あむ……ちゅ…ぺちゃ…
    ずずっ…じゅっ…ん…ちゅるっ」
飄々とした祈先生がなんでハーレムに入ったか謎だが、見てわかる通りエッチな事は大好きである。
どうもエリカがクビと引き換えに交渉したようだ。
まあ、スキャンダルには事欠かない人だし、相性はともあれ胸スキーという点では欠かせない人材だったのだろう。

よっぴー「あ…くっ、んん、んあ…!」
良美はとにかく逸物への執着が強い。今の競争率の高いポジションも、気付けばちゃっかりと抑えている事が多い。
個別にエッチする時でも回数がずば抜けている。
しかもコンドームを使う時は何故か必ず良美が用意したモノを使っているのだが、
業務用1グロス(144個)を一週間で使い切った時は驚いた。
何故か安全日が何日間も続くらしいので生でする日も多いのだが。


まさにハーレム。
主導権を握っているのがエリカか乙女姉さんかは微妙な所だが、やってる事は疑うべくもない。
竜宮は今や俺の牙城と化していた。(H面限定)
…生徒会の仕事もしてますよ?
ちなみにフカヒレは北海道まで買い出しにでかけている。
「札幌にスイーツで評判の店があるらしいのよね」最近エリカに笑顔で頼まれて学校を二日三日休む事がある。
お陰で今のような事を竜宮で出来るのだが。


そして自宅もまたハーレムだ。
乙女姉さん以外に、なごみも住み込み、きぬも本格的にこちらに入り浸っている。
今、俺のペニスを舐め合う勝負をしているのが、きぬとなごみ。
きぬ 「あむ……ちゅ…ぺちゃ…
    ずずっ…じゅっ…ん……ちゅるっ」
なごみ「じゅる…ずずっ、チュ…んんっ…
    んっ…クチュ…んうっ…ン……」
この二人が互いに敵対心を燃やしているのは相変わらずだが、上手く競争心をエッチな奉仕方面へと転化させる事ができた。
エネルギーの余った子供にスポーツをやらせるようなモノかもしれない。

きぬ 「クチュ…んっ、チュッ…んうっ…ンッ…」
きぬが俺のペニスを美味しそうに舐めれば、

なごみ「…ん…んむっ……んっ…あむ」
なごみも負けじと舐め返す。

なごみ「…ん……ん…ぺろ…ん…クチュ…んっ、チュッ…んうっ…」
レオ 「なごみ、そんなにむしゃぶりついたら呼吸が大変じゃないか?」
なごみ「ぺろ、ちゅぱ、ん……ぺろ、ぺろ」
おお、だめだ。意地でも離そうとしない。


そう、これは俺の争奪戦だ。
間に俺を挟む事によって日常の対立も相変わらず多いが、
今だ決定的な局面にいたっていないのはこの場で発散させているからなのだ。
二人は自分を、肉体を使ってアピールしてくる。
そして俺は、愛情を持って二人と交わる。

ちなみに乙女姉さんは、もう時間も遅いので今日のところは一階に降りて寝ている。
ただ結構下に音が響くらしいので気をつけた方が良さそうだ。
先日など遅くまで3人でハッスルしていたら、翌日睡眠不足で辛そうな乙女姉さんから
「エロスもほどほどにな……」言われてしまった。
あの時はきぬが本格的にお尻に目覚めて、なごみが対抗意識を燃やして凄い事になったから。
衛生には全力で気を使ったとは言え、プレイの中身まで乙女姉さんに聞こえていたとしたら
色々マズイ事になる気もする。
なごみはなごみでエロ本を読ませても、縄から始まって首輪やら鞭やら蝋燭やら、
色々危険なキーワードで目が止まるのでこの先どうなることか。


そんな日々を送っている。


最近身体の調子が良い。
ここまでセックスして毎日好き放題早撃ちしてるのに、萎える様子もない。
セックス以外にも鍛錬に勉強にデートにも、すでにエリカを超える密度のスケジュールを
こなしているはずなのに、身体は一定以上の疲労は残さない。
乙女姉さんがこまめに整体してくれるとは言え、胡散臭い深夜通販の宣伝バリに効果が
あるわけではないはずだ。

時々、思う。
これは俺の夢……つまり夢落ちなんじゃないかと。
アニキと頼ったスバルがいなくなってしまい、精神の均衡が崩れた俺はフカヒレワールドに
引き込まれたのかもしれない。

『感涙さ…こんな学園の美女を寄せ集めたような集団が俺のモノになるなんて』
いつぞやのフカヒレ発言を思い出す。
そうだ、真面目に考えてみてこんな上手くいく事があるのか?
全て俺の妄想かもしれないじゃないか。
心底ぞっとする話だった。


しかし同時に思う。
日々感じている恋人達への想いや快楽や苦労、達成感といった喜びと数々の身体的な痛み(ローキックとか多い)。
どんな植物人間でもたたき起こされそうなこれら濃い生活が、全て夢であるはずもない。
こんな生活に耐えれる理由が他に理由があるとすれば………
『フカヒレであってはならない』
実はその確固たる信念こそ、理由たり得るのではないか。
だとすると今の俺を支えている一番底の部分にあったのは、実はフカヒレとすら言える。
あいつともいい加減古い仲だ。それくらいの影響力はあるかもしれない。


そう考えたら、俺はフカヒレにもっと感謝していいのかもしれない。
既に不要となった、天井裏の秘蔵コレクションをあげても良い。見つかったらマズイし。
北海道から帰ってきたら、もう少し優しく接してあげよう……。



(『Isolation』)



エピローグ

フカヒレ「ふぅ〜、やっと帰ってきたぜ
    今ごろ皆も俺のこと、待ちわびてるだろうな〜
    あんがい、俺の到着を空港で待ち構えてるかもな」
レオ 「よ、お疲れさん」
フカヒレ「お前が待ってんのかよっ」
レオ 「まあ、せっかく友達を出迎えてるんだ。そう言うなよ。
    皆も感謝してたぜ?」
フカヒレ「そ、そっか〜。やっぱりな!
    こうやって努力を重ねることで着実に漢を磨いてるんだぜ。
    悪いなレオ、皆の好感度独り占めしちまって」
レオ 「ほら、お前が先に空輸してくれたケーキ、評判だったぞ。
    きぬがナチュラルにお前の分まで食おうとしてたから、一つだけ確保しといてやったんだ」
フカヒレ「て、みんな先に食い終わってんのかよっ」
レオ 「ともあれ感謝してるから、俺は忘れずに迎えにきたんだよ」
フカヒレ「あ、ああ、サンキュ……でもその理屈だと他の人は忘れてるんじゃ…」
レオ 「ついでにコレは気持ちだ。取っておいてくれ」
フカヒレ「紙袋?中身はいったい…
    な、なにぃぃぃっ、な、何だこの宝の山はっ!
    これはモザイク薄くて回収になった幻の初回限定版!
    こっちは○○娘。のトイレ盗撮データ!
    それにこっちの本は……!(ごすっ)」
レオ 「はっはっは、ロビーで変な事を大声で叫ぶのはやめてもらおう」


フカヒレ「…すまん、思わず興奮しちまってな
    それにしてもお前ってやっぱり俺の見込んだむっつりだよな!」
レオ 「はっはっ、いーから黙ってしまっておけコラ」
フカヒレ「ハァ…ハァ…、レオ、すまんが俺は用事を思い出したから部屋に帰るよ」
レオ 「ああ、俺も正直ちょっと周りの目がキツイからこの場を去りたい」
フカヒレ「俺達、これからもうまくやっていけそうだよな」
レオ 「そうだな、今後もフカヒレのことはやや遠巻きに眺めてくつもりだ。ずっとな」
フカヒレ「おいおい、微妙に距離感ありつつ気持ち悪い事言うなよな」
レオ 「いや、茶化した言い方になったが、本当だ。俺はお前に感謝してる」
フカヒレ「……ま、まぁ、俺は帰るぜ。さっきからのっぴきならない用事がもう限界だ」
レオ 「ああ、ちゃんと学校には来いよ」


フカヒレ、本当なんだぜ。
俺の価値観が変わっても、スバルがいなくなっても、俺の世界が激変しても、
お前はいつもの距離にいて、お前のままだった。
お前はいつも、率先して馬鹿やってたよな。
洒落にならないやつもあった。
俺達はそれを指摘したり呆れたり、一緒に馬鹿やったりしてたよな。
それは俺達の大事な結束だったんだ。
だからさ、これからも馬鹿言って馬鹿やって。
たまにちょっと感心させられるような事を言ってくれ。
俺は思いっきり馬鹿にして、こきおろして、無視して、文句を言ってやる。
それでも、
お互いこれからどんな人生を歩もうが。
俺はお前の友達だ。



さあ、帰ろう。
しなければならない事は山ほどありすぎる。
1時間後には乙女姉さんとの訓練が始まるし、それを遅らせては後の姫とのパーティに響く。
それでも、どんなに忙しくても今日は来てよかった。
これでまた、俺は俺の日常を頑張れるのだ。

                               〜フカヒレEND〜


(作者・名無しさん[2005/11/05])

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