「館長、まだまだ修行中の身ではありますが、最近壁を感じてしまうことがあるのです。
何か、一言いただけないでしょうか?」
竜宮からの二人の帰り道、偶然出会った館長と話していると、
乙女さんが思い切ったように切り出した。
乙女さんが弱音を吐くとは珍しい。
「むう、そうよのう。しかし鉄よ、何ゆえそのように感じた?」
「大事な人を守りきる力が欲しい、からでしょうか。もし万が一の何かがあった時、
自分の力が足りなかったなんてことがあったら。
最近、そう考えると恐ろしくなることがありまして・・・」
こちらに目線を向け、答える。
乙女さん、俺のことでそんな悩みを・・・
「大事な者を見つけたか。一皮向けたようだな。
しかし、それだけわかっているのなら儂から言うことは何もありはせんよ。
いや、精進あるのみかのう。」
「やはり、そうですか・・・。」
「儂とて苦労し、悩みに悩んだ時期もあったものよ。
ただ、齢25を迎えた日あたりからな、
急に自分の思い通りの技が出せるようになってきた気がしたな。
まあ、自分を御せるようになるにはそれぐらいの年月が必要なんではないのかのう。」
「館長にもそんな時期があったのですか!
レオ、少し甘えが出てしまったようだ。
今後も精進を重ねて、お前をしっかり守れる立派な姉になるからな。」
「俺も乙女さんに相応しい男を目指してがんばるよ!」
「お互いがんばろうな。」
乙女さんは何かが吹っ切れたような、すっきりした笑顔を向けてくれた。
俺も乙女さんにそんな不安を持たせない男を目指さないとな。
しかし、25を境に!?それってもしかして。
けど、館長だもんな。まさかな。

「レオ、最近フカヒレに甘くねーか?」
「いや、念のためってとこだ。」


(作者・89氏[2005/10/22])

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