「もう卒業か…短いようだが長い3年間だったな…。」
そんなことを俺は考えていた。
この学園に入り、一人の人に憧れ。
恋をした。
そしてある強い想いを手に入れた。


いつものようにベッドでお互いの関係を示したような姿勢で横になっているとき。
姫がいきなり尋ねてきた。
「対馬クン?」
「なに?姫、吸ってほしいなら吸うよ?」
「違うって!もう!」
ちょっと怒らせてしまったようだ…。
「ゴメン。ゴメン。冗談だよ。」
「どうしたの?姫。」
「…。」
「ん?」
姫が黙り込むなんてめずらしいな…。
「……対馬クンが竜鳴館を卒業したら、
どうするのか聞いたことないなって思って…。」
「う〜ん。そりゃあずっと姫の手助けするるもりだよ。
姫の盾となって、剣となって。」
「うん。ありがと。ちょっとそれが気になっちゃって…。」
「なんで?」
「対馬クンが他にやりたい事があったら、
それを止められる自信ないし、応援したいから…。」
「姫…。ありがとう。」
そっか。そんな事考えてたんだ…。
いつもはこんな考え方しないのに…。


「俺のやりたい事は姫とずっと一緒にいることだから。
どう考えても他の事がやりたいって気持ちが、
姫と一緒にいる事より上にくる事はないから。」
「よかった…。あなたがそばにいなくて、私と同じ世界を見れないなら、
上を目指す意味なんてなくなる気がして…。」
そこまで考えてくれてたのか。
「ごめんね。もう忘れていいわよ。私らしくないわよね。」
「俺は忘れないよ。姫が『あなた』って言ってくれた事。」
「ちょっと!そこなの!?おかしくない!?」
姫の顔はちょっと赤くなってるのが見えた。
「冗談。冗談。」
「もう!忘れていいから!私は寝るわ。おやすみ…。」
「うん。おやすみ…。」
チュ。
なぜかおれは胸にキスしていた。
これはこれでもうお約束になってるのかも。
「姫、やっぱり寝るの早!」
「ずっとその言葉忘れはしないよ。
君のその言葉だけで俺はこの先ずっと君を守っていける気がする。」
「ありがとう。神様。今俺の横にいる人とめぐりあわせてくれて。」


次の日の朝
「よっしゃ!今日からも頑張るぜ!」
「はぁ…。なにまたやる気になってるんだか…。」
「学校いかないの?遅れるわよ!」
「オッケー!今行く!」
乙女さんは今でも拳法部に朝と放課後に顔を出している。
乙女さんは去年の11月くらいからなぜか実家に戻ることになった。
まあ理由はほとんどわかってるんだけどな。
「あ!乙女さんだ。」
その人の事を考えてると現れるってのも…。
「おはよう。レオ。姫。今日も元気そうだな。」
「うん!おはよう。」
「ええ。おはようございます。」
「乙女さん今日も放課後に特訓おねがいします!」
「あぁ!いいぞ!『私と一緒に夕日までダッシュだ!ついて来い!』
っていうのをやってみるか!」
「わかったよ。乙女さん!」
「姫。レオが俄然やる気なんだが?何かあったのか?」
「べ、別に何もないと思いますよ?」
姫、声がちょっと焦ってるよ…と心の中で言ってみる。
『よっ!レオ!姫!』


幼馴染's の登場だ。
「よっ!カニ!スバル!フカヒレ。」
「おはよう!対馬クンのいない対馬ファミリー諸君。」
「それじゃもう対馬ファミリーじゃないじゃんか!」
カニがいっちょ前にツッコミを入れる。
「おい!なんで俺の名前だけビックリマークじゃねぇーの!?」
フカヒレが何かを言っているようだが、気にしない。
「今日も二人で登校か?熱いね〜。」
スバルがからかってくる。
「まあね。」
「当然よ。」
二人揃って華麗にスルー。
「くっ!強くなったな。お前ら…。」
「乙女さ〜ん。レオが冷たいよ。」
「ケッ!イチャつきやがって!僕もうやってられない!」
『アハハハ!』


それぞれが騒いでいる。これはこれで大好きな空間だ。
もうすぐそれぞれがそれぞれの道を歩むことになる。
俺の道には姫というパートナーがいてくれる。



この学園に入り、一人の人に憧れ。
恋をした。
そして誓った。
その人と共に人生を歩むことを。
この後どんな人生が待っていようとも。


(作者・homukuru@氏[2005/10/16])

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