「お願いします、今日だけで良いんです。ヒーローにしてください」
「良いですわよ。」
そして、青年はヒーローとなった。
最優の頭脳を凌駕し、最速の脚を超え、最強の一撃をいなす。
されど、驕らず慈悲深い。
誰もが描く完璧なヒーロー
だが、彼が愛した幼馴染達は戸惑いの表情で悲しげに見ている。
翌日、青年はベッドに横たわる。
「As Time Goes By」
「成長なさいな。貴方のペースで」
枕元にビターチョコレートの入った小さな箱が置かれた。
(作者・名無しさん[2005/09/22])