「お帰りなさいませ森羅様」

まだ日の高い初夏の午後。
お帰りになられた森羅様を玄関にお迎えする。
今日はベニが休みなので俺が重点的にサポートだ。

「ん、ただいまレン」

そう言うと、ふうっ、と息をつく森羅様。
どことなくいつもの精彩に欠けるような……?
お帰りも早かったし、どこか体の具合でも悪いのだろうか。

「お疲れのようですね」

「うむ、この暑いのにホールの空調が調子悪くなってしまってな。
 皆もしんどそうだったので早めに切り上げたのだが……
 もう汗だくになってしまった。ほぉら、この辺なんかムンムンだぞ?」

そういって、ワンピースの裾をつまんでパタパタとあおぐ。
チラリ、とのぞくキレイな脚にドキリとしながら
執事として努めて冷静にふるまう。

「冷たいお飲み物をお持ちしましょう。コーヒー牛乳でよろしいですか?」

「ちぇ、ちょっと前ならこの程度でもドギマギしていたのにな。
 ……まあ、もっとあられもない姿を見せているから、しょうがないか」

「そんなことはありませんよ。今でもドキドキしてます。
 ただ、執事としてはそれを表に出さないようにしているだけで」

「なるほど、執事としても成長しているということか。
 喜ぶべきなのか、難しいところだな……」


「まあいい、よく冷えたのを頼むぞ。それと、風呂も入りたいな」

風呂か。ベニが出かける前に
昨日のうちに必要になりそうなことは済ませておいた、って言ってたから
まあそんなにかからないだろう。

「かしこまりました、すぐにご用意いたします」

「では頼む。私はしばらく居間にいるぞ」

まずコーヒー牛乳をお届けしてから森羅様のお部屋へ。
湯船は……洗ってあるようだな。
念のため軽くすすぎ、お湯をはっていると

「レンー、風呂はまだかー?」

や、待ちきれずにもう部屋まで来てしまったか。
森羅様が半分あけた浴室のドアからひょいと顔を出す。

「んー、それぐらい入っていれば大丈夫だろう?」

「もう少しお湯をためないと、肩までつかれませんよ」

「なあに、お前と一緒に入れば大丈夫だろう」

「え」

「考えてみたら、風呂はいつもベニと一緒だからな。
 背中も流してもらいたいし……
 今日は、一緒に入りたい……ダメか?」

……背中を流すとかだけですませられるのか、俺。


かぽーん

「ふふ……なんだか、ちょっと恥ずかしいな、やはり」

風呂場の明かりは消していない。
だから、普段よりよく見えている。
お互い、上気して、熱くなって、濡れて、硬くなっている様を見て
いっそうこみあげるものを募らせていく。

ふーっ

ふーっ

「……どうした。息が、荒らいぞ?」

「それは森羅様も、では」

「そうか?……そうかもな」

森羅様が俺の胸に背中を預け、湯舟に二人寄り添うようにつかる。

ふーっ ふーっ ふーっ

小首をかしげて見せる横顔の
形のいい唇がうっすらと開いている。

欲しい、と。

そう唇が動いた、そんな気がして。
動かしかけた手を、なんとか押し止める。

「では、お流しします」


努めてどこも刺激しないよう
ゆっくりと森羅様を立たせ、湯舟から出す。

「……じかに、手で洗ってもらおうかな」

そんなことを、期待するような目で囁く。

「……かしこまりました」

石鹸を手に取り、泡立てると
背を向けて座る滑らかな肌にゆっくりとすりこんでいく。

ふーっ ふーっ ふーっ

はーっ はーっ はーっ

浴室にかすかに響く荒い息は
俺のもなのか森羅様のものなのか
それとももう混ざり合っているのか。

「ぜ……んぶ、洗うんだぞ……」

「全部、ですか……?」

「そう、だ……その手で……全部……っ……」

上へ、下へ。右へ、左へ。脇へ、中へ。
言われるがまま、俺の手はあますところなく森羅様の体をすべっていく。

ただ一箇所

開いた脚の間を除いて。


これは我慢比べだ。
先に相手を求めたほうの負け。

「ふ、ぁっ……こ、これで、は……
 風呂に入、って……いるのか何をしているのか……
 わからん、な……フフフ……う、ん……」

ときおり声を漏れださせながら
それでもまだ森羅様は『欲しい』とは言わない。

「……腰を、あげていただけますか?」

「……降参か?」

「いいえ、まだお洗いしていないところがあるので」

はちきれそうな俺の欲望に
泡立てた石鹸を塗りたくる。

「……?」

「ここは、こうして洗います」

「ふぁっ!?……こ、これは……あ、つい、な……」

入れてはいない。濡れてひくつく花弁にこすりつけるだけ。
意図を察した森羅様が、壁に手をつき脚を閉じる。
きゅ、と柔らかな太股の肉に挟まれた肉茎を
ねとつく花弁をこすりあげるように動かしていく。

きっと、これが最後。ここを越えたら、きっと我慢できなくなる。
たぶん、二人とも。


ふーっ ふーっ ふーっ ふーっ
はーっ はーっ はーっ はーっ
はっ はっ はっ はっ はっ

もう、限界だった。
森羅様の背に多い被さり、たぷたぷとゆれる乳房をわしづかみにする。

「う、あ!ず、ずるい……ぃっ!お、お前だけっ……!」

「やめます……かっ!?」

「う、あ、あ、くぅ……つ、続け……ろ……」

はぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっ

「まだっ……洗います、かっ……!」

「う、うぁ……ま、まだ……っ!」

普段なら主である森羅様に譲る俺も
ことコレに関しては全て譲りきれないところがある。
意地の張りあい。

髪を振り乱して森羅様がこらえている。
腰をくねらせ、手をあらぬ場所にさまよわせる。

ちりりん

さまよった手が、浴槽のふちに置いてあった銀の鈴に触れ、掴む。
もだえながら鈴を掴んだ手はさまよい続ける。

ちりりん ちりりん


と、バタンと部屋の扉が開く音。

『お呼びですか森羅様!』

「ひ、あああぅっ!?」

……事の最中にこういうハプニングがあると
達してしまうものなんだろうか。
森羅様は全身を硬直させ、ビクビクと震える。

「あ、ああ……あ、あ、あ、は、あ……っ……」

震える森羅様の体を抱きしめながら
俺は飛びかける意識を必死で繋ぎとめた。
部屋に入ってきたのは間違いなくベニ。
いつのまに帰ってきたのか、森羅様の鈴の音を聞きつけてしまったらしい。

『……お風呂ですか、森羅様?』

「はぁ……はぁ……う……はぁ……」

マズイ。達してしまった森羅様はぼうっとしていて
ベニの呼びかけに反応できていない。

『森羅様?……まさか、お加減でも!?』

ガチャリ

「っ失礼し……ます?」「……ん?……ベニ?」

目が点のベニ。朦朧とした森羅様。
二人とも意識の正常ではない今なら、俺にもチャンスはある!たぶん!


「あー、誤解があるといけないので言っておくが……
 これはな、新式の全身マッサージなんだ」

くたっとしている森羅様から離れ、さわやかに微笑みつつベニに向き直る。

「あ、ああ、そ、そう……なんだ?」

ベニ視線。 → ↓……

「ん?」

俺視線。 → ↓……
あ。俺、イってなかったんだっけ。でもって全裸で……

「うわああぁぁっ!?」「ギャー!?」

慌てて手で隠す俺、目を背けるベニ。

「みみみ見たなっ!?」「そ、そっちがみ、見せたんでしょうがぁっ!」

半泣きの状態でベニは飛びだしていった。やれやれ……
と、いつの間にか回復した森羅様が

「ふぅ……今のは、ベニには悪かったな。
 私も、レンも、まだまだ修行が足りないようだ……」

何の修行なんだか。
と、森羅様視線。 → ↓……

「ん……もうちょっと……修行するか?」

とぷん、と。鈴を湯舟に投げ込んで、そんなことをおっしゃる森羅様でした。


(作者・名無しさん[2007/06/10])

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