「はい取りつけ完了。これでいかなる事態にも対応できる……」

「ひゃっほー!そーら乗りこめー!」

「あ、ちょっとコラ、ちゃんと説明をさせなさい!」

もう一人、使用人で車を運転できる者がいるほうが便利だからと
大佐の勧めで俺が自動車の運転免許をとって1週間。
手配済みだったのだろう、さっそく納車された1BOXカーに
ミューさんが今自作のカーナビをとりつけてくれたところだった。

「ほら、乗れよベニ。さっそく買い出しにいこうぜ」

「あいよっ!」

うれしそうにナビに乗りこむベニ。
最初は歩きでいいのにもったいない、とか言っていたんだけどな。

基本的には久遠寺家の所有なので
もっぱら買い出しなどに使われるわけだが
大佐の許可を得れば誰でも私用で使ってもいいことになっている。

とはいえ、免許があるのは現時点では森羅様と大佐と俺だけ。
森羅様は自分の黒塗り高級外車があるわけだし
そうなるとこっちの車をプライベートで使うのはほとんど俺なわけで
そんなとき隣に乗っているだろうベニも
実際に車を選ぶあたりからは楽しみでしょうがなかったようだ。

「それじゃ、まずは中華街までね。その後は元ノ町まで行って……」

ベニがうれしそうにコースを口にする。
ま、俺も楽しみだったんだからお似合いってことか。


「おいレン。私が一つ、運転の極意を教えてやろう。
 いいか、車の扱いは女性の扱いと同じだ。この車を、隣にいるベニを扱うつもりでいけ」

「や、やだ大佐ったら、からかわないでくだ」「なるほど……おらよっとぉ!」

バルン!バルルルルルル!

「うわ、荒っぽすぎ!何よ、そんな感覚でアタシに接してるわけ?」

「お前はこれぐらいでちょうどいいだろ」

「にゃにぃ〜!?」

「なるほど……ベニは実は荒々しいのが良かったのか。
 今度添い寝させるときは……フフフ」

「し、森羅様まで……」

いかん、このままじゃからかわれっぱなしで出かけられない。
強引にでも走りだしちまうか。

「それじゃ、ひとっぱしり行ってきまーす!」

ブオゥン!キュキュキュキュ!

「ちょ……!だーかーらー、もっと大事に扱えー!」

「ちっと荒っぽいみたいだけど、大事にはするって!
 ……車も、お前も、な」

「!もう……しょうがない、ついてってやるわよ!
 そーら行けー!」


(作者・名無しさん[2007/05/30])

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