今日、松笠の某デパ−トの一角にて、ちょっとしたイベントがある。

『松笠○×デパート  夏の一番勝負! 〜パン早食い競争〜』

AM11:00。対馬レオはツレと共にデパートを見上げていた。
彼はツレをチラっと横目で見る。彼女はやる気で満ち溢れていた。
「ついに来た…この日が!」
そう言って彼女──近衛素奈緒はレオに振り返り、
「レオ、しっかり応援よろしく!」
「おぅ!おまえの彼氏だし、正論だな」
「アタシの決め台詞とらない!」
そんな会話を続けながら二人はデパートへと入っていった。
目指す場所は屋上、早食い競争の会場だ!


───松笠駅入り口にて───

朝も早くから、その姉弟は汽車を乗り継ぎ松笠へとやってきた。
改札を抜けて入り口から勇み足で出てくる二人。
「こらイカ!さっさと歩くのよ!」
「姉貴、あんまり強く引っ張らないでよ、服が伸びちゃうって」
姉──柊高嶺は、服を引っ張り弟である柊空也を早く歩かせようとする。
だけど寝不足である空也はあまり早く歩きたくないのか、動きが遅い。
「ア〜ネ〜キ〜〜。ボク眠たいよ〜」
「甘えるなバカ!今日はアタシの用事に付き合う約束だろーが!」
「え゙?そだっけ」
高嶺は思いっきり溜息をつき、
「アンタ、先週アタシのヤキソバ黙って食べたでしょう」
「うん。結局は姉貴にすぐバレちゃったけどさ」
「悪びれも無く言うなバカ。で、その時にアタシと一つ約束したでしょ?」
「……あーあー、思い出した!たしか何かのイベントに付き合えだかって言ってたね」
「そ。まぁそのイベントは前菜みたいなモノだけどね。メインはショッピング」
「ふーん。で、そのイベントってなんなのさ」
彼女はニヤリと笑みを浮かべ、
「パンの早食い競争よ!」


「なぁナオ。結構人いるな。やっぱ賞金が効いてるのか?」
会場となっている屋上は、人で混んでいるとまではいかないものの決して少なくは無い。
一つのイベントとしては成功の類とも言える人数だろう。
素奈緒はレオの言葉にうなづき、
「そうね。ここのデパートのパン評判だし。そのパンをタダ同然で食べれて、
 しかも優勝すれば賞金5万円!色々な意味で美味い話ってワケね」
「だなー。……お?」
「どうしたのよ」
「いや、お前と同じ髪型の娘がいたなーって」
「へー珍しいこともあるもんねー」
リアルワールドでツインは珍しいのです(フカヒレ談)

会場受付。高嶺は自分と空也二人分の参加受付を済ませてきた。
「参加申し込みOKっと。イカが歩くの遅いせいでギリギリだったわ」
横にボケェーとつっ立っている空也を肘で小突く。
「ごめんごめん。昨日寝るの遅くてさ。お詫びといっちゃアレだけど俺も頑張るから」
「まったく。まー良いわ」
この早食い競争は『セレクトパン』という特殊なルールがある。
まぁ特殊とは言っても、早食いのパンは数種類用意されたものから一つ選ぶといっただけなのだが。
「んで姉貴。姉貴はどんなパン選んだの?」
ふふん、と鼻で笑い飛ばし高嶺は胸を張る。
「アンタ、アタシが選ぶパンっていったらヤキソバパンしかないじゃないの」
優勝は貰ったわと口に手を当てて笑い飛ばした。結構自信がありそうだ。


「……レオ、この勝負、アタシが貰ったわ」
「お!自信あるねぇ。ちなみに理由を聞いていいか?」
「ふっふっふっふっふ…」
素奈緒はバサァ!とツインテールをかきあげて、
「ピ ー ナ ッ ツ バ タ ー パ ン がセレクトパンにあったのよ!
 アタシが負けるはずが無い、これ正論!」
そういって何故かシャドーボクシング(?)を始める彼女であった。
「ぐっ、これはナオが有利なのか…?」(←実は参加した)
「んっふっふっふっふ…手加減はしないわよレオ?」

?「…賞金5万か。セレクトパン…?へぇ、キムチパンなんてあるのか。
  料理のレパートリー増やしたいけど材料費が無い…。参加はタダだし、
  ダメもとで出てみるか」


波乱を呼ぶパン食い競争。勝つのは姉ツインかトサカツインか。
あるいはテンション♂か自称COOLな弟か。
はたまた謎の参加者か(正体バレバレ?)


(作者・名無しさん[2006/07/10])

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