-12月23日-
「頼む!金なら出す。わしの地位の為なんだ」
「お断りします。お引き取りください」
また私の美学と反するつまらない依頼だった。最近はそういう依頼が多いのも困りものだ。
「全く、私の美学と反するわ…いるか、ミントティーを入れてきなさい」
「は、はい。すぐに入れてきますよ」
やはりこういう時はいるかでもからかうのに限るわね。
そう思いながらふと魔周君の方を見ると何か私に対して不思議に思っている様な顔をする。
「どうかしたの摩周君?」
特に意味もないが暇でもあるので問いつめてみる。
「いえ…、いつもならもっと不機嫌になっていらっしゃるようですが、今日は特に
 気にしてらっしゃらない様なので…」
なるほど、言われてみればいつもならもっと当たりちらしていてもおかしくはないだろう。
「野暮ですね〜私には分かりますよー」
丁度いるかがミントティーを作ってやってきて話をはじめる。
「お姉様は空也さんと結ばれてから凄く機嫌がいいんですよー
 だからちょっとしたぐらいでは怒ったりしないんですよ
 いいですよねー、ホント正に熱々カップル成立ですよー」
(ぴしっ)
いるかが調子に乗りだした…最近確かに甘すぎたのだろう。
確かに空也に満たされて嬉しい日々なのは確かだがこのままいるかに
調子に乗られるのはむかつく。やっぱりしめとくべきね。
「黙れよ、いるか…しばらく貴方の相手をしてなかったわね…
 丁度いいわ、今日は午後も暇そうだからたっぷりと貴方の
 相手をしてあげるわ」
「あわわ…すいません言い過ぎました。許してくださいー」


ようやくいるかも危険を察したようだけど…遅すぎね。
「あら、私は最近機嫌がいいんでしょう。ちょっとしたぐらい
 で怒らないんだし何の問題もないじゃない」
私がそう言うといるかは青ざめた顔をしながらさらに慌てはじめる…相変わらず滑稽ね。
「摩周君、今日は遅くなると柊に電話をしておいて頂戴。
 それと午後の用事は全て任せたわ」
「はい、かしこまりました…」
いるかを心配しながらも了解する摩周君。これもいつもの事…そう考えるとよっぽど最近の私は
変わっていたのかしら……全く空也が可愛すぎるからいけないのよ。

久しぶりにいるかをいじめてたらすっかり夜になってしまっていた。
6時間ぐらいで解放はしたけど甘すぎたかしら。家に帰ってこの事を話したら空也は嫉妬するのかしら。
嫉妬してる空也の顔も見てみたい。そしてからかいながら空也の反応を見る。
すねた空也が見たい。甘えながら謝りたい…そして空也の笑顔でやさしく抱かれたい。
あの笑顔に包まれるだけで幸せになれる…ちょうどあんな風に…。
「えっ……」
空也がいる……夜の街なかに。私は思わず隠れてしまった。
落ち着いてよく確認して見ると空也は女と一緒に歩いている…一緒に居る女は……。
「うみ………」
そう一緒に居るのは私の妹の海だった…。私は思わずほっとしてしまった。
海は未だに空也にべったりと接している。でもそれは私にもわかる気持ちだったし行き過ぎない限りは
私も許容しようと思っている。勿論今回の件の事はうやむやにはしないが。
ついつい2人が気になって私は2人をこっそり覗きながら尾行をしてしまった…。
「ほんと…何してるのかしら私は」
私は空也を愛することで少し変わったのかもしれない…呟きながらもそう思った。
空也と海はそれからレストラン、ゲームセンターに行き楽しんでいた……これはデートよね?
(これは2人ともお仕置き決定ね)
そう思いながら尾行を続けると2人が立ち止まった。そして建物へと入っていく……この建物は…。
「嘘………」
2人が入っていったのはラブホテルだった……私は怒りよりも呆然とするしかできなかった。


気付くと私は自分の部屋で泣きじゃくっていた…今でも夢であると信じたい。
しかしこれは現実……。私は一晩中泣きながら色々な思いを葛藤しながら疲れて眠ってしまった。

-12月24日-
気付くと朝になっていた…日付を確かめる。12月24日…聖夜で私の誕生日だ…。
しかし夢じゃなく現実だったという悲しみで私はいっぱいになる…。
あれだけ泣いたのにまだ涙が流れてくる…心が痛い…痛すぎる。
私は弱くなってしまった…。凍らせようと、凍らせようと思っても凍る事ができない
空也と結ばれる前までは空也と私の家族の間で結ばれるならそれでもいいと思っていた…。
結ばれない苦しみを避ける為にわざと遠ざけて酷い事をしてきた…。
その報いが来たのだろうか。だとしても…痛すぎる…痛すぎるよ。
「空也…心が痛いよ…嫌……貴方が…貴方がっ」
私は必死に痛みに耐えながら家族には調子が悪いと言い、事務所には仮病を使って休んだ。
家族が…そして空也が私を心配しにくるが私は決して誰も部屋に入れなかった…。
誰かの顔を見ると自分が自分で無くなってしまいそうで……恐かった。
そしてその夜……
「姉様…大事な話があるんだ…」
・選択肢

 グッドエンドが見たい
 バッドエンドが見たい





























→バッドエンドが見たい
「姉様…大事な話があるんだ…」
空也が私の部屋の前で真剣な声で話しかけてくる…
「入りなさい…」
私は覚悟をして空也を部屋に入れる…
「体調は大丈夫なの…?」
「体調は全く問題ないわ…それより空也…」
言わないと…聞かないと……誤解かもしれない…いやそうであってほしい
「昨日海と一緒にホテルに入ったとこを見たの…」
空也はぴくっと反応し……そして私に告げた。
「大事な話があるって言ったよね。………ごめん姉様…
 辛いんだ…不安に潰されそうで…もう終わりにしよう」
聞きたくなかった…わかってても…わかってても…。
「うるさい、出てけよ」
私は凍っておくべきだった…一度解けたのがダメだった…
結局私は全てを失った…



「嫌だ、空也を失いたくない!!」
夢?だったのか…私はいつ眠ったんだろう…
携帯に目を通すと日付は12/23だった


バッドエンド「氷の決壊」






























→グッドエンドが見たい
「姉様…大事な話があるんだ…」
空也が私の部屋の前で真剣な声で話しかけてくる…
「入りなさい…」
私は覚悟をして空也を部屋に入れる…
「おめでとうーー×10」
クラッカーをポンポンさせながら海がドッキリ大成功!という看板を持ちながら
みんなが部屋に入ってきた…。これは…。
「ごめんね要芽お姉ちゃん〜 最近あんまり2人が見せつけるからさ〜
 ちょっとだけ意地悪しちゃった〜(・ ε ・)」
「ごめん、姉様。皆にどうしてもやろうと言われちゃって… 本当にごめん!!」
そう言って空也は私を強く抱きしめてきた…1日しか経ってないのに凄く暖かさが懐かしい…
「悪趣味な余興ね……。許すと思ってるの?空也」
怒りは結構あるけどそれでも私はほっとしている。
「1週間2人きりで旅行に行くこと…これで許してあげるわ…もう本当に焦ったんだから…」


グッドエンド「グッドエンド?」


(作者・名無しさん[2006/08/31])

















テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル