その日俺は夢を見た。昔、お姉ちゃん達と遊んだ思い出…



空也「せろりねーちゃん待ってよ〜!」
瀬芦里「は〜や〜く〜!遊ぶ時間無くなっちゃう〜!トモエも走れぇ〜!」
巴「あ、あう…姉さん早すぎ…」
ある日、俺達は3人で近くの山へ遊びに行くことになった。
言い出したのはもちろん、ねぇねぇ。俺とともねえは、半ば強引に連れてこられた。
空也「はぁ、はぁ…重い〜」
瀬芦里「クーヤのノロマ〜」
空也「くそぅ!お弁当も水筒も虫取り網も全部ボクに持たせてるくせにぃ」


瀬芦里「(・ε・)」
空也「うがぁぁぁ」
巴「け、ケンカしちゃダメだ!」
ギャーギャー騒ぎながら目的地に到着。…で、即お弁当タイムらしい。
空也「このお弁当、ともえ姉ちゃんが作ったの?」
巴「う、うん!おにぎりとかオカズも簡単な物しか入ってないけど…」
瀬芦里「うまい、うまい!トモエ、イイお嫁さんになれるよ〜」
巴「あ、あう…テ、テレちゃう…」
腹一杯になったら思いっきり遊んだ。川原も近くにあり、遊び場には困らなかった。
瀬芦里「よ〜く見てなよクーヤ!セミ捕まえてやる!…はっ!!」


虫取り網は空を切り、逃走するセミにねぇねぇはオシッコをかけられた。
空也「あはは!せろりねーちゃんがセミにやられた!」
瀬芦里「………」
瀬芦里「…この山のセミ全部捕まえて食べたら、空飛べる様になるかな…ボソッ」
空也「ひぃっ…」
俺達が遊んでる間、ともねえは咲いている花に微笑みかけたり、
木の上のリスに手を振ったりしていた。
そして3人で川原へ。
巴「あっ…空也見て!メダカさんだよっ…」
空也「ほんとだ!いっぱいいる!」
瀬芦里「そりゃ〜!クーヤ、メダカを捕まえろ〜」
空也「おぅ!」


バシャバシャと音をたてながら、メダカを手ですくった。
瀬芦里「取ったど〜!」
空也「ボクも〜!」
その姿をニコニコと眺めるともねえ。
瀬芦里「ねぇ、このメダカ持って帰って育てない?で、大きくなったら食べよ♪」
空也「わぉっ!せろりねーちゃん頭イイ〜」
顔を合わせてニヤニヤ笑う俺達。しかし、ともねえの顔が急に暗くなった。
瀬芦里「どうしたのトモエ?」
空也「お腹痛いの?」
ともねえの顔を覗きこむ。
巴「…め、メダカさん…川に戻してあげて…」
瀬芦里「え〜なんでよ〜!」
ブーブーと文句を言うねぇねぇ。


巴「だ、だって…そ、そのメダカさんにもお母さんやお姉ちゃんや
弟が…いるかもしれないよ?さ、淋しい思いさせちゃ…だ、ダメだ」
空也&瀬芦里「!」
血の繋がった親と離れて暮らす俺とねぇねぇ、母親を亡くしたともねぇ。
3人とも「淋しさ」という感情を痛い程知っている。
空也「…せろりねーちゃん」
瀬芦里「うん…戻してあげよ」
静かにメダカを川に戻す。メダカは群れの中へと帰っていった。
そして日は暮れ、家路につく。
瀬芦里「今日は、楽しかったね!」
巴「うん!また…来たい」
空也「絶対来よう!」


2人のお姉ちゃんに手を繋いで貰い夕焼け空の下、のんびり家に向かって歩く。
巴「この山、秋になったら紅葉で真っ赤になって…綺麗」
空也「次は紅葉見に来よう!」
瀬芦里「…お弁当は?」
巴「頑張る!」
瀬芦里「イェーイ☆」
空也&瀬芦里&巴「約束だよっ!!」
そんな約束を笑いながら交わした帰り道…

1ヶ月後…俺は沖縄へと行く事になる…
END


(作者・名無しさん[2005/09/30])

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