「それじゃ、私は行ってくるわ。今日の仕事が終わったら、あなた達は帰っていいから。
 後はよろしくお願いするわね。」
「はい、わかりました〜。」
「行ってらっしゃいませ。」
今日は午後から要芽様は大事な会合があるということで、私たちに後を任せてくださいました。
何でもキリヤコーポレーションに足を運ぶとかで、どうやら顧問弁護士の件についてと思われます。
おそらくはこの話、要芽様は首を縦に振るものかと…
いや、聡明な要芽様の考えは、この摩周慶一郎の及ぶところではありません。
答えがどうあれ、私は要芽様についていく所存であります。
さて、要芽様を一人にするのは心配ではありますが、今は自分の仕事をしなくては。
「摩周さん、パパッと終わらせちゃいましょう〜。」
「そうですね、それでは始めますか。」
そういえば私と秋山さんの付き合いも結構な年月になりますね。
共に要芽様をお慕いする同士として、幾多もの苦難を乗り越えてきました。
時々、私は秋山さんが羨ましく思うことがあります。
どれだけ失敗しようと、どれだけ叱られようとも、いつも明るく振舞って…あ。
「…秋山さん、それは要芽様のミントアイスでは?」
「ほえ?大丈夫ですよ〜ミントアイス一個なくなったぐらいで、要芽お姉様は気づきませんって。」
ああ、また秋山さんが叱られることに…一体これで何度目になるのでしょうか?
せめて今日はいい思いをさせてあげたいですね。
「秋山さん、仕事が終わったら食事に行きませんか?とてもおいしい店にご案内しますよ。」
「えっ!?いいんですか〜!?」
「ええ、構いませんよ。私のおごりです。」
「よ〜し、それじゃさっさと終わらせちゃいましょう!」


びっくりしましたね〜、まさか摩周さんが私を食事に誘ってくれるなんて〜。
ん?これはひょっとして私に気があったりするんでしょうか?
うふふ、そうだったら私も罪な女ですね〜。でも私にはお姉様が…あ、そうだ。
「摩周さん、お茶を淹れましょうか?」
「それではお願いします。」
私はササッと素早くお茶を淹れました。
摩周さんとは長い付き合いですから、好みの味がどんなものなのか、もうわかっちゃってます。
「はい、どうぞです〜。」
「ありがとうございます。…うん、おいしい。」
「それはどうも〜。」
飲み終えた食器を洗い場に持っていったとき、私はちょっと意地悪なことを思いつきました。
摩周さんはこういうことには全然慣れていないので、ちょっとからかっちゃってみましょうか。
私は早速、わざと蛇口を壊してみました。
前に一度壊れちゃって、針金で応急処置していただけですから、壊すのはそんなに難しくありません。
「わわっ!キャー!」
「どうかしたんですか、秋山さん!」
「水が、水が〜!」
「離れてください、私が止めます!」
しばらくして、摩周さんが水を止めてくれました。
その間に私は上着を脱いでおきました。
「ふう、秋山さん、大丈夫でし…」
「あれ?どうかしたんですか〜?」
「い、いえ…」
私の白いシャツは水を含んで、私の肌にピッタリと貼り付いていました。
見事なほど下着が浮かび上がって見えています。
「あ、あの…秋山さん、その…拭いて着替えたほうが…」
「ほえ?…あー!」
摩周さんは顔を真っ赤にしていました。
うふふ、これは面白いですね〜もっとやってみましょう〜。


摩周さんはやっぱりチェリーさんですね〜。とってもウブで笑っちゃいそうです。
私は着替えた後、しばらくは仕事をしていました。
でも、摩周さんが私のことをチラチラ見ているのがわかります。よっぽどさっきのが気になるんでしょうか。
う〜ん、もっといろんなことを試してみたくなりましたね〜。
じゃあ今度は書類を…
「おっととと…」
「大丈夫ですか、秋山さん。」
「これぐらい何でも…わっわっわ…キャー!」
「うわっ!」
摩周さんになだれ込むように転んでみました。
後は摩周さんの視界が十分でない間に…
「ううん…秋山さん、お怪我はありま…」
「大丈夫です…はわわわ!」
見事に私のおパンツが摩周さんの視界に入るようにしました。
ちなみに今日は縞模様で決めてみました!
それにしてもキレイにスカートがめくれましたね〜。
「ああ!私はなんてことを!見てはいかん、見てはいかんぞ摩周慶一郎!」
「あわわ、すみません〜。」
私は焦ったようなそぶりを見せましたが、内心では大笑いです。
最近の中学生でもここまでひどくはないですよ?
ここまで真面目すぎるのも、かえってどうかと思ったりもしますけどね〜。
なんだか盛り上がったきたし、今度はいよいよ…


「さっきはすみませんでした〜。」
「いえ…私は…別に…」
摩周さん、顔がリンゴみたいになってますよ〜。見てて面白いですね〜。
あ、もちろん青リンゴじゃないですからね。
「気にしなくていいですよ〜。あ、そうだ。私、また新しいお姉様のモノマネを覚えたんですよ〜。」
「そんなことをしたら、また要芽様に叱られますよ。」
「今度は大丈夫です〜。盗聴器なら、このあいだ見つけましたから。」
さて、お姉様は気づかないと思ってたようですけど、私の目はごまかせませんよ〜。
空也さんがここに来たとき、椅子に座りながら何をしていたかはわかっちゃってるんです。
私はお姉様の椅子に座り、足を組んでから摩周さんのほうを向きました。
「こっちに来なさい…」
「…はあ。」
「もう、こっちに来なくちゃいけないじゃないですか、摩周さん!」
「えっ?そ、それでは…」
そして私の横に来た摩周さんのポケットに、私はすっと手を突っ込みました。
「な、何をするんですか、秋山さん!」
「いや〜、空也さんが前に来たとき、こんなことをしていたんですよ〜。
 多分私の予想ではこの後…」
「いえ、もう結構です!は、早く仕事を終わらせないと…」
「まあまあ、いいじゃないですか〜。たまにはハメをはずさないと。」
「し、しかし…!」
「遠慮なさらずに〜。」
そして摩周さんのアレに触れようかというそのとき…

「あなたたち、何をやっているの!?」


「まったく、早く終わったので帰ってきてみれば…!!」
「す、すみません〜…」
「申し訳ありません…この摩周慶一郎、一生の不覚…!」
ああ、結局未遂に終わってしまいました…もうちょっと遊びたかったなぁ…
「別にアナタたちが何をしようと構わないわ。でも、仕事終わらせてからにしなさい!」
正座させられ、説教地獄が続きます。もう足がしびれて感覚が…
「ふう…もういいわ。摩周君、あなたはいるかが残した分の仕事も片付けなさい。
 それが済んだらトイレの掃除。いいわね?」
「わかりました。このようなことはもう二度と…」
「それと、二人に伝えておくわ。
 今度松笠で開かれる開国祭に行くわよ。どうやら向こうのお嬢様がパレードに出るらしいから。」
あれ?じゃあ私はこれで釈放ですか?よかった〜今日は見たいテレビが…
「…いるか、また私のミントアイスを食べたでしょう?」
「ほえ?いや、それはあの〜その〜…
 いや実はですね、ちょっと目を放しているスキにアイスから足が生えてトテトテと外に逃げちゃったんですよぅ。」
「…摩周君、アナタは終わったら帰っていいわ。いるかは私の車に乗りなさい。」
必死の言い訳も、聞く耳持たずでした。
私はずるずると引きずられ、お姉様の車に無理矢理押し込められ、摩周さんはそんな私を哀れむような目で見送りました。
そのまま向かった先は、近所のスーパー。
「アナタの罰は今からミントアイスを買ってくること。いいわね。」
「そ、それだけでいいんですか?」
「ただし、全裸でね。ほら、脱いで。」
「そんな〜!そんなことしたら捕まっちゃいますよ!」
「そんなこと知るか。ミントアイスを食べただけでは飽き足らず、私の椅子に勝手に座って…
 これがイヤならもっと酷い罰にする?」
「い、いえ!はりきって行かせてもらいます!」
「じゃ、健闘を祈るわ。私はこのまま帰るから。捕まっても私たちのことは言わないこと。」
「ちょっと待ってください!じゃあ私はどうやって帰るんですか〜!」
「うるさい、さっさと行け!」
「ひぃ〜!」


(作者・シンイチ氏[2005/09/21])

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