その日の夜、高嶺はとにかく機嫌が悪かった。
昼間、いつものように空也に牛乳を買ってくるように頼んだところ、見事に帰る途中でぶちまけてしまったのである。
それだけならまだしも、空也が、
「そんなに欲しかったら自分で行けばいいだろ!大体、牛乳飲んだからって胸がでかくなるわけないっての!
 意味のない無駄な努力だよ!」
「なんですって!」
こんな具合の言い合いの後、高嶺の見事な延髄蹴りがヒットしたわけだ。
夕食が済んでから、高嶺は部屋でくつろぐ…というか枕を叩きまくっていた。
もうストレスが溜まりまくっていたので、今からまた空也をいじめようかと思っていた矢先…
「高嶺お姉ちゃん、くーやをいじめたでしょ〜?」
「くっ…またあのバカ、海にチクッたわね…」
突然海が現れた。空也をいじめた後に海が出てくると、高嶺にはロクなことが起こらない。
この際、海がいきなりあらわれたことはどうでもいいことにしておこう。
「どうしよっかな〜。坊主頭がいい?それとも10円ハゲがいい?」
「な、何をする気よ…」
「う〜ん、高嶺お姉ちゃんのポイントが溜まっちゃったからね、罰ゲームはどうしよっかな〜って。」
「ロクなもんがないじゃないの!」
「罰ゲームってそういうもんだと思うよ〜。でもね、これを飲んでくれたらナシにしてあげる。」
と言うと海は、青い液体の入ったビンを差し出した。


液体は澄み切った色をしてはいるものの、海の作ったものなので危険な予感しかしない。
「…これは何なのよ?」
「これ?これはね、私が開発した『豊乳ドリンク(仮名)』の試作型だよ〜。」
「ちょっと待ってよ!アンタ、まさかアタシで人体実験する気!?」
「じゃ、そのツインを刈る?」
「…効果は?」
とりあえず効果を聞いてから飲むかどうかを考えた。
もちろん、この髪を切られるのは勘弁してほしい。
しかし、薬の効果によっては…と考えたのである。
「えっとね、名前の通りに胸が大きくなっちゃうの。
 お姉ちゃんが飲んでから一体どれくらい効果があるのか実験したいんだよ〜。」
「胸が大きくなるの!?」
それは願ったりかなったりだった。
これまでどれだけの努力をしてきたことか…しかし効果は全くなかった。
ならば例え人体実験でも可能性があるならトライすると、高嶺は決めたのである。
「よこしなさい。」
ビンをもらうと、高嶺はグイッと飲み干した。
味は海が作ったものに比べると、わりとマシなほうである。
「…あれ〜?」
「何にも起きないじゃない。」
「まぁ、そんなにすぐに効果は出ないと思うよ〜。」
それもまあその通りである。
結局その日は変化が全くなく、仕方なく高嶺は床についた…


「ふあぁぁぁぁ…」
次の日の朝、かなり遅れての起床だった。
すでに要芽が起きているのは足音でわかっている。
寝ぼけ眼で洗面所まで行き、顔を洗ったあと歯を磨く。
部屋に戻って服に着替えるとき、高嶺はその異変に気づいた。
「!!!!!?????」
部屋を飛び出し、階段を駆け下りて海の部屋に直行する。
海はすでにおらず、ならばと大急ぎで全員が朝食を食べている居間に向かった。
「あ、おは…」
「なんと…」
「タカ…」
「ウソ…」
「ZZZ…」
「(・ε・)」
全員が息を呑んだ(一部除く)。全員の理由は共通だった。
そう、あの高嶺の胸が大きくなっていたのである!
「見て見て!アタシの胸が…こんなにでっかくなったわ!」
「うむむ…その前に高嶺、ぱんつだけで走り回るとは何事だ。」
「え?…きゃぁぁぁぁぁ!」
高嶺は固まっている瀬芦里をつかむと、そのまますさまじいスピードで部屋に戻っていった。


とりあえず気持ちを落ち着けて瀬芦理に服を借りた高嶺は、改めて自分の胸を見つめた。
お隣の帆波…いや、それ以上はある。
高嶺と海は実験の成功を喜んでいた。
「よかったね、高嶺お姉ちゃん。どうやら成功だよ〜。」
「今日ほどアンタに感謝したことないわ…ありがとう、海!」
当然のことではあるが、高嶺の喜びはハンパではない。
海のほうが自分より年下なのに胸が育っているという現実を悲観していた高嶺は、今や天にも昇る気持ちなのだ。
「それじゃさっそく、行ってくるわね!」
高嶺が家を飛び出した先はお隣の犬神家。
「あら、高嶺ちゃ…」
「どうですか、これ!?」
会うなりいきなり胸を張る高嶺。
それを見て帆波は大きなショックを受けた。
「ガーン!そ、そんな…高嶺ちゃんに負けた…」
「ほほほ、ごめんあそばせ。ちょっとあがりますね。」
がっくりと両手を地面につける帆波、それをよそに高嶺はぽえむの部屋に向かった。
コンコンと部屋をノックする。
「アタシだけど。」
「高嶺さん、なにか…」
部屋から出てきたぽえむの顔が突然凍りついてしまった。
まさかあの高嶺が、胸が大きくなるなんて考えもつかなかったからである。
それも、自分の姉より大きいとは全くの想定外だ。
「フフン、どう?特別にこのバストを測らせてあげるわよ?」
「うう…私…もうダメ…」
あまりに現実的でなかったためか、心のダメージが大きいためか、ぽえむはその場で気絶してしまった。
「さぁて、次は何をしようかしら?」


調子に乗ってきた高嶺は、今度は海岸のほうへ行ってみた。
そのへんの男たちの視線を釘付けにしている。
そのスラッとした足もさることながら、最大の理由はもちろん大きくなった胸だ。
なんだか胸に視線が集中しすぎているような気がするが、それもまた新しい感覚。
十分に堪能した高嶺は、変な男が寄ってこないうちにその場を後にした。
その後も意味もなく駅前をうろついたり、商店街を歩き回ったりしていた。
もちろん、その先々で様々な男の視線を釘付けにしてきたのである。
「フフン、このパーフェクトになったアタシに振り向かない男なんていないわ!」
ご機嫌になって帰ってきた高嶺は、とりあえず海の部屋に直行した。
「ねぇ、この薬っていつまでもつの?」
「それはわからないよ〜。だって、初めて飲んだのが高嶺お姉ちゃんなんだもん。
 効果は明日消えるかもしれないし、いつまでもこのままかもしれないし。」
「あっそ。」
期間はこの際それほど気にはしない。
やはり最後はと、夜になってから高嶺は空也を自分の部屋に呼びつけた。
「なんだよ、姉貴。」
ぶっきらぼうだが、彼のその視線は完全に胸にいっていた。
「ちょっと疲れちゃったからマッサージでも…って思ったんだけど、アンタをマッサージしてあげようかと思ってね。」
そういうと、無理矢理空也をベッドに寝かせ、服をすぐに剥ぎ取った。
「な、なにするんだよ!」
「フフン、せっかく胸が大きくなったんだもの。いっぱい可愛がってあげないとねぇ。今もじっと見てるし。」
「いや、あのその…」
「覚悟なさい。存分に可愛がって、一滴も残さず搾り取ってあげるから!」
「うわぁぁぁぁぁぁ…」
その夜、空也は高嶺の普段ではありえない巨乳攻撃によって、精も根も尽き果ててしまうのであった…


次の朝、抜け殻になってしまった空也は全然起きない。
「ふあぁぁぁぁ…」
高嶺は起きると素っ裸になっていた。
すでに要芽が起きているのは足音でわかっている。
寝ぼけ眼で洗面所まで行き、顔を洗ったあと歯を磨く。
部屋に戻って服に着替えるとき、高嶺はその異変に気づいた。
「!!!!!?????」
部屋を飛び出し、階段を駆け下りて海の部屋に直行する。
海はすでにおらず、ならばと大急ぎで全員が朝食を食べている居間に向かった。
「あ、おは…」
「なんと…」
「プッ!あはははははは!」
「ZZZ…」
「(・ε・)」
全員が驚いた。全員の理由は共通だった。
そう、あの高嶺の胸がいつもよりもしぼんでいたのである!
「ちょっと海!これはどういうことなのよ!」
「うむむ…その前に高嶺、ぱんつだけで走り回るとは何事だ。」
「え?…きゃぁぁぁぁぁ!」
高嶺はそのまますさまじいスピードで部屋に戻っていった。
「う〜ん、実験は失敗か〜。 ま、高嶺お姉ちゃんはあれくらいで十分だよね〜(・ε・)」
「そうそう。タカの胸が大きくなったらアンバランスだもん。タカじゃないよ。」
顔を真っ赤にして部屋に戻った高嶺は、まだ横になっている空也を惜しげもなく踏みつけていた。
もちろん、これが海のポイントに加算されていることは言うまでもない。
ちなみに高嶺の胸が元に戻ったのは、それから1週間も過ぎてからのことだった。
その間、完全に彼女は引きこもってしまったそうである…


(作者・シンイチ氏[2005/06/16])

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!