むかしむかしあるところに、帆波とぽえむというとても仲の良い姉妹が住んでいました。
ある日、帆波は山へ柴刈りに、ぽえむは川へ洗濯に行きました。
でも帆波は遊ぶ事しか頭の中にはありませんでした。
ぽえむが一生懸命洗濯をしていると、川上の方からとても大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。
「こんな大きな桃なんて存在するはずがないね。」
なんだか嫌な予感がしたので、そのままやりすごしました。

ところがどっこい、ぽえむが帰ってくると、珍しいもの好きの帆波がその桃を持って帰ってやがりました。

「姉さん、こんな大きな桃なんてどう考えても気持ち悪いよ。」
「え〜、だっておもしろいじゃない。」
二人がもめていると突然、桃がひとりでに真っ二つに割れました。
するとどうしたことでしょう、中から男の子が現れたではありませんか。
「くっそ〜、あのクソ親父め!こんな狭苦しいところに閉じ込めやがって!」
出てきた男の子は元気一杯でした。
「な、なんなのこの子…?」
さすがの帆波もビックリして言葉を失い、ぽえむは姉の影に隠れておどおどしています。
「あ、あんたは誰なの?」
「ん?ああ、あんたが俺を運んでくれたのか。ええと、俺は…」
するとぽえむが突然、
「桃から生まれたから桃空也だね。」
「なんですか、その語呂の悪い名前は。」
「う〜ん、いいんじゃない?」
「おい、勝手に名前を決めるなよ。」
こうして男の子は桃空也と名づけられてしまい、この家の一員として生活することになりました。


桃空也はすくすくと元気に育ち、団長というアホな友達もできました。
しかし、女の人を見ると見境ナシになってしまうあたり、この子の父親はどんな人なんだと頭を痛めました。
今や村一番の女たらしです。
村の人気者のいるかちゃんも手篭めにされてしまいました。

それはさておき、すっかり大きくなった桃空也はある日、帆波とぽえむに呼ばれました。
「クー君、鬼が島って知ってる?」
「知ってるけどそれがどうかしたの?」
「実はね、最近になって鬼達が女の子を中心に連れ去る事件がよく起きているのよ。」
「な、何ィィィィィィ!」
桃空也は怒りをあらわにしました。
自分のものをとられたような気分でいっぱいでした。
「で、そんな鬼達を桃空也ちゃんに退治してもらおうってわけ!」
「もちろん!そんな横暴を許すわけにはいかないぜ!」
桃空也はあっさりと旅に出ることを決意しました。
うまくいけば女の子達を助けた後で、全員を自分のモノにしてしまおうと考えていたからです。

動機は鬼達とかわってねーじゃねーか。

ともかく鬼退治に出発する桃空也に、ぽえむは彼にお手製のきび団子を持たせました。
桃空也の夢と野望に満ちた旅が始まったのです。


しばらくすると、犬の『巴』、キジの『高嶺』、猿の『海』がついてきました。
「お、鬼退治に行くんだろ?私も…ついていっていいかなぁ…」
「アタシと一緒に旅ができることを光栄に思いなさい!」
「くーや、くーや、くーやぁ。」
こんなことを言ってついてきたのです。
しょうがないので桃空也はお供にすることにしました。
そしてお腹がすいてきた一行は、ぽえむのきび団子を食べることにしました。
するとどうしたことでしょう。
「…ぎゃひぃぃぃぃぃ!」
「辛いぃぃぃぃぃ!」
「水!水〜〜〜〜!」
きび団子は爆裂に辛かったのでした。

でも、一人だけ無事でした(・ε・)

気を取り直して歩いていると、突然カラスのバケモノが襲ってくるではありませんか!
「ギャァァァス!」
「こ、この野郎!」
桃空也は刀で斬りかかりましたが、なんと刀がポキンと折れてしまいました。
「うわぁぁぁ!ど、どうしよう!」
「イカ、なんとかしなさいよ!」
「こうなったらお姉ちゃんが電撃銃で…」
すると巴は突然みんなの前に出て、何かポーズをとりだしました。
「みんなを守るんだ…纏身!」
いきなり巴の姿が変わり、カラスのバケモノをあっさりと倒してしまいました。
それからみんなは心に決めました。

巴は怒らせないようにしよう、と。


一行は船で鬼が島をまっすぐ目指しました。
飛ぶのがしんどいと船に乗っていた高嶺は酔って吐いてしまいました。

汚ねーなオイ。

そんなことはお構いなし、ハーレムを目の前にした桃空也の気持ちは高ぶります。
ついでに股間も元気一杯です。
そしてとうとう鬼が島にたどり着いたのでした。
「よーし、みんな行くぞ〜!」

しかし、鬼達というのは…

「なんともまあ可愛い男子が来たものよなぁ。我もみらくるになったかいがあるというものよ。」
「あら…あなた可愛いわね…こっちにいらっしゃい…」
「おおっ!酒に肉とくれば可愛い男!やっぱこうでなくっちゃねぇ!」
「ウフフ…さあ、トモちゃんもこっちにいらっしゃい…」

こんなのだったからたまりません。
桃空也たちが適うはずもなく、あっさりと捕まってしまいました。
その夜、鬼達は桃空也達を存分に楽しみ、さらに一行はいろいろとこき使われるハメになってしまったのでした。

めでたしめでたし。

「おい!全然めでたくねえぞ!」
でもハーレムみたいなもんでしょ?
「あ、そっか…ってオイィィィィィィ!」


(作者・シンイチ氏[2005/05/15])


※おまけ

208 名前:名無しさん@初回限定 投稿日:2005/05/15(日) 22:49:27 ID:+eDc3BPV

帆波「美味しそうな桃。パク」
空也(桃の中から)「わぁ、食ったら太るよ」
帆波「なんか言った?」
空也「ぎゃあぁぁ〜〜」
お終い
となる気もする

ねぇねぇだったら
瀬芦里「美味しそうな桃。パク、ペロリ」
お終い


209 名前:名無しさん@初回限定 投稿日:2005/05/15(日) 22:58:20 ID:XdlIn24S

ひなのんの場合「おお、川から桃が流れてくるぞ。しかし。。。我の力ではもって帰れぬしなぁ・・・(そのまま流れさる桃)」
お姉さまの場合「非常識だわ。。。。今のは見なかったしましょう。。。」
ともねえ「あぅ・・・・川から桃が。。。あは、持ってかえったらみんな喜ぶかな。。。」
ねーたんの場合「川から桃が流れてくる・・・・うぅ・・・疲れてるみたい、早く帰って寝よう・・・」


ツイン&うみの場合

ツイン「ち、ちょっとまちなさいよ!なんで私が桃の中にいるのよ!ってうみ。。。?あんた手に何もってンのよ!ぎゃーー!」
うみゃ「桃の中にはいっててかわいそうな高嶺お姉ちゃん、すぐにだしてあげるからねぇ〜。
だったかだったてーてーてー♪チェーンソー、これはかみすらバラバラにできるすぐれもので〜(ry」

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