『やはり、オヤジが居ない方が、いいなあ』
夕べは、オヤジが帰ってきた。
また、姉様の手料理とかほざいたオヤジは、またもドッグフードを出されて、涙流していやがった。
まあ、いかにもな飲み屋の名刺なんぞ持ってりゃ、姉様の機嫌も悪くなってあたりまえだ。
『そういや、なんでドッグフードなんかあったんだろう?それも、フレッシュタイプが…?』
『ねぇねぇがいるから、キャットフードなら分かるけど…』
などと失礼なことを考えてもみた。
「あれ?オヤジに出したドッグフード、なんであったの?」
一瞬、姉様がピクッとしたのを、その時は見逃していた。
「……」
そして、わずかな沈黙…
『おおっなんか拙いことでも聞いてしまったのか〜』
ふと、目をやると淫獣がいる。
「ああ、そうか!マルの餌か」
「そうよ」
姉様が、冷たい声で、答える。
『なんか、姉様が怒っているような気がするけど、気温は下がっていないな』
再び、淫獣を見て、
「そうか、お前も不憫な奴だなあ」
思い切りバカにした同情の声をかけると、なんか唸っている。
「これ、くうや、我がマルにそのような物を食べさせるわけないであろう」
雛乃姉さんに窘められてしまった。
「1号のだよ〜」
海お姉ちゃんが口にすると、また、姉様がピクッとした。この時も、それを見逃していた。
「これ、うみ」
再び、雛乃姉さんが窘めるような口調で言う。
「まったく、モエもいつまでも、居なくなった者に買ってきて」
ねぇねぇが言った。だけど、全神経は、目の前の肉にしかいっていないようだ。
言われたともねえは、えっ?っという顔を一瞬する。
「…あうっ…ごめん…なさい…」
そう言うと、下を向いてしまった。


「あら、あれはお姉さまが…」
姉貴が言いかける。
『あっバカ、まったくコイツはしょうがないんだから』
ねぇねぇが、そういう顔をして、姉貴を睨んだ。
『まあ、ツインだから、しょうがないよねぇ〜(・ε・)』
お姉ちゃんは、そういう顔をしている。
姉さまは、またピクッとした。このとき、初めてその様子に気付いた。気温も下がったように感じた。
姉貴も、何かに気付いたように、口をつぐんだ。
『あれ、これはもしかして、非常にまずいことを、聞いてしまったのかぁ〜』
「もう、これでこの話は、しまいじゃ。よいな、くうや」
姉さんの一言で、話は終わってしまい、そのまま、しばらく無言の夕食が続いた。
「…………」
「さて、我は、部屋に戻るか、ごちそうであった」
姉さんが、部屋に戻ると、ともねえも食卓の片付けを始めた。
「ごちそうさま」
姉様は、そういうと立ち上がり、部屋から出るところで、立ち止まった。
「高嶺、あとで部屋に来なさい」
そして、静かにそう言って、部屋を出て二階に上がっていった。
姉貴は、しばらく固まっていたが、急に振り向いた。
「このイカ、余計なこと聞くんじゃないわよ」
やっぱり、ゲシゲシと足蹴にされた。

翌日、午後になってようやく起きてきた姉貴に、再び足蹴にされた。
その後、姉貴がお姉ちゃんに攻撃されたのはいうまでも無い。

この話の真相は、もう秋の気配を感じられるようになったころ、姉様から聞いて初めて知った…


(作者・名無しさん[2005/04/14])

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