2005年4月某日。柊家、居間。
六姉妹に加え、隣の犬神姉妹までもが集まって
黙ったままなにやら深刻な顔をつきあわせている。
やがて、一同を見渡した雛乃が口を開いた。
「揃っておるな?では、始めるとしよう」
一人、怪訝な顔をしていた要芽が雛乃を見る。
「あの・・・姉さん?」
「何だ、要芽?」
「私、先ほど急に召集されたばかりなので、今日の集まりが何なのか聞いていないのですが」
瀬芦理もそれを聞いて手を挙げた。
「はいはーい!あたしは聞いたけど、何だか忘れちゃった」
「しょうのないやつらよのぅ・・・では、今一度説明しよう」
呆れながらも、雛乃は立ち上がり今一度皆を見回した。
「知っての通り、きゃんでぃそふとの次回作は「つよきす」と決まっておる」
「はい・・・私たちは、出番なしとか」
「甘いぞ要芽。我ら一同、お呼びがかかればいつでも参上できるよう、心がけておかねばならぬ」
「はあ・・・まあ、どうしても出てほしい、ということならイヤとは言いませんけど」
「場所も近いしね〜」
「だが、ここで一つ問題があるのだ」
「問題?」
「次回作のヒロインは、みな強気な娘、ということなのだが・・・」
「それなら、私は問題ないですね」
「で、あるな。我は皆のお姉さんであるから、まあある意味強気でもあろう」
「瀬芦理と高嶺も問題ないですね。海も状況によっては強気ですし」
「うむ。まあ、ほぼ全員問題ないのだが・・・一人だけ、強気とはとうてい言えぬ者がおるのだ」
皆の視線が一人に集中する。
柊家四女、柊巴に。
「・・・あう?」


「巴姉さんは・・・強気になりようがないんじゃないかしら」
「だよね〜。巴お姉ちゃんは、総受けで決まってるみたいな〜」
「そうかもしれんが、それではファンの皆様に申し訳が立つまい」
「もえが強気にかぁ・・・想像しにくいにゃ〜」
一同、頭の中で強気になった巴を想像し始める。
「強気でグイグイとリードしてくれる巴さん・・・・・・(ぽっ)」
歩笑は、何か妙な妄想をしたらしい。
「巴姉さんが・・・リード・・・・・・(ぽっ)」
それを聞いて、高嶺もまた何か妄想したらしい。
「いいわね、それ!」「うん、いいと思う」
それ以上は特に反対する意見も出ない。
「うむ、他に意見がなければ、皆で巴が強気な娘になれるよう、協力してやってほしい」
「は〜い」
意見がほぼまとまりかけたところでようやっと、当の巴がおずおずと手を挙げる。
「あう・・・わ、私の意見は・・・」
「ん?何かあるのか巴?」
「も、もともとこういう性格だし・・・無理に次回作に出なくても・・・」
「却下する」
「あう・・・」
困惑する巴に雛乃が耳打ちする。
「・・・よいか巴。次回昨はおおまかに2部構成になっているらしい。第1部で主人公に攻略され・・・
 第2部では、主人公と徹底的に恋人同士の甘い関係になるのであるぞ」
「あう?」
「どうだ?前作では空也と恋人同士の甘い関係というのはそれほどなかったであろう?
 次回作ではそれがかなうのだ。ただし、それにはお前が強気にならねばならぬぞ」
「・・・・・・が、頑張る!」
主人公が空也ではないということは、意識的に黙っている雛乃であった。
「うむ!では、本人の承諾も得たことであるし、巴が強気な娘になれるよう、皆よろしく頼むぞ!」
こうして、柊巴強気化計画は始まったのであった。

「つよきす」に姉しよ関係者が呼ばれることは決してないということを
このときは、まだ、誰も知らない・・・


(作者・◆Rion/soCys氏[2005/04/09])

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