「ちょっと要芽姉。どうするのあれ」
「どうするも何も、命令に従うしかないでしょう」
「なんかわたし達を目の敵にしてないかにゃ?タカやうみゃをこき使えばいいのに」
「心当たりは、ある?」
「いや、ないね(きっぱり)」
「私は一応あるわ。だから、多少理不尽な命令をされても仕方ないとは思っているけど」
「くぅ……我慢するしかないかぁ」
そう。あるのだ。心当たりは。
間違いなくアレだと思う。

………………………

「いい風ですね………姉さん」
「うむ、いい夏の宵よな」
その日は姉さんが起きていた。
早寝早起きの姉さんにしては珍しい。
「めずらしいな、かなめ。いつもならこの時間は夢の中であろう?」
「ふふっ……そうですね……たまには夜風に当たりたい時もありますよ」
「他の皆はもう寝たようだな……ふむ、久しぶりに酒でも飲むか。かなめ、つきあえ」
「わかりました。お付き合いします」
とくとくとくとく………
姉さんの杯にお酒を注ぐ。
こくり。
それを姉さんは一気に飲み干す。
こう見えて、かなりの酒豪だからタチが悪い。
「ふぅ。妹に入れてもらう酒はまた美味いなぁ」
「ほれ、かなめも飲め飲め。片方がしらふではつまらん」
「えぇ。いただきます……」


1時間後。
「で、あるからな……ひっく。せろりとたかねはどうも我をうやまわん傾向にある……ひっく。」
目が据わって来た。
「ひや、我とて妹達をへめたいわけではないのら。ひっく。ただもうふこし……うぅ…長姉をだいじにするように……」
ろれつもそろそろおかしい。
「ひいておるのか!?はなめ〜」
「聞いてますよ……姉さん」
「われは……ほねえさんで…いたいのら…そして…みなに……ほんがえしが…ひた…」
ぱたり。
あ、潰れた。
「すぅ……すぅ……」
1時間か………今日は少し手こずったわね。
後は姉さんを部屋に運んで……
「すぅ…くぅ…………」
「それにしても……可愛い寝顔……」
ふと。
邪な考えがよぎる。
しかもどういう訳かそれを止めようとする気も起きない。
私も酔っているわね。
プルルルルル……
「もしもし、いるか? 今から言う物を買って今すぐ家に来なさい。鍵は開けておくから。」
「……無理?出来るか出来ないか聞いてるんじゃないの。さっさと来いよ」
プツッ……


……………
「ぜぇ……ぜぇ……おまたせしましたー」
「遅い」
「!?」
「と…とりあえずっ…お…お姉様……言われたもの…買ってきましたけど……こんなもの、何に使うんですか…?」
「あぁっ!?まさかまさかまさか!?これを私に着せて、羞恥責めとか!?」
「もしくはお姉様自ら!?でもそれはさすがに…おミ…」
「黙れよ」
「馬鹿な事を言ってないで、手伝いなさい。ソレは雛乃姉さんに着せるのよ」
「????」
「え……えぇぇぇぇーーーっ!?」
「前から一度やってみたかったの。姉さんに可愛い服を着せてみるのをね。普段言っても絶対に着てくれないでしょうしね」
「なるほどなるほどー。あ、それは面白そうですね〜。わたしも昔健太にやりましたよ〜」
「スカートだの!、口紅だの!」
ああ、また暴走しだした。姉さんが起きてしまったら元も子もないでしょうに。
「それはどうでもいいから。始めるわよ?まずは……コレから行きましょうか」
そう言って私はフリル付きの子供服を取り出した。

…………
「ふぅ……堪能したわね」
「そうですねー♪こんなに似合うとは……これであと10年は戦えますよ〜」
「いるか。フィルムあと何枚?」
「えっと…あと10枚ちょっとですねー」
「そう……なら後一回着替えて終わりかしらね…」


・園児服を着せる
・ベビーウェアを着せる


・園児服を着せる←

これは………まるで………!!
「はややややー。違和感ゼロですねー」
「……完璧ね」
園児帽もかぶせてみよう。
いい考えだ。
「ぷっ………くくっ………お…お姉様…私……もうダメですっ……おかしくて……」
いるかがプルプル震えている。
「笑うんじゃないの……いるか……ぷっ……ふふっ……」
そういう私もプルプル震えていた。
「ん………うゆ?」
っ…………!?
「おお、すまん……眠ってしまったか…今は……何刻だ…?」
しまった……!?
「む。何やら足元がスースーするが………」
「な、何だ!?これは!?かなめ!どういうことか説明せい!」

その後、朝まで正座させられたまま説教が続いたのは言うまでもない。

(作者・愚弟氏[2004/07/20])

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