家を出た玄関先で、要芽は足下に何か落ちていることに気が付いた。
(ノート?・・・)
自分がメモを取っているノートが、こんなデザインだった。
いつのまにバッグから落ちたのかもしれない。
まだ少し寝ぼけた頭でそう考え、とりあえずノートを拾い上げると
バッグに放り込んで摩周といるかの待つ車に向かった。
車に乗り込むと再び睡魔が襲ってきて
要芽はそれっきりノートの事は忘れていた。

ノートのことを思い出したのは、仕事を終えて帰宅し
夕食を終えて自室に戻ってからだった。
(あら?・・・ああ、朝でがけに拾ったのだったわね。結局、私のではなかったけれど・・・)
何の気なしにぱら、とノートをめくったときだった。
「こんばんは、お姉様〜♪」
「・・・いるか。何をしているの」
突然、部屋に先ほど別れたはずの秋山いるかが現れた。
が、よくよく見れば着ているものがおかしい。
頭には奇妙な帽子をかぶり、手にもまた奇妙な形の飾りが付いた棒を握っている。
たとえて言うなら、いわゆる魔法少女のようなスタイルだった。
「え?いるか?違いますよ〜、私はこう見えてもですね・・・」
何事か、いるかが喋ってはいるが、疲れた要芽の耳にはろくに入っていない。
(新手のおねだり、なのかしら・・・ふふ、まあ、たまにはいいわね)
「・・・おいで」
「へ?いえ、あの、おいで、ではなくてですね?」
「・・・いいから、来い」
要芽はいるかの手をつかむと、ぐい、と引き寄せた。
「え?あ、あの、ちょっと・・・や、あ、だ、ダメですそそそそんな、ぁああぁっ!?」
「ふふ・・・可愛いわよ、いるか」
いるかの抵抗は、空しかった。


「うっうっ・・えぐっ、うっ・・・ひ、ひどいです・・・こんな、いきなり・・・」
脱がされた魔法少女のような衣装をノロノロと身につけながら
泣きながら要芽に抗議をしている。
実を言うと、要芽は途中でこの女がいるかではないことに気づいていた。
自分が奪ったはずの純潔をまだ保っていたからなのだが
(今更・・・やめてもしょうがないわね)
というよくわからない理論で、そのまま処女を奪い、弄んで楽しんだのだった。
「それで、あなた誰なの」
抗議には答えず、自分の疑念を要芽は口にした。
「・・・さっきの私の話、聞いてませんでしたね・・・」
「聞いてないわ。だるかったから」
「うう〜・・・私はですね、こう見えても、神様なんですよ?」
「・・・」
無言のまま、こめかみを押さえて要芽はため息をついた。
これは119番か。
「あ、信用してませんね?ほらほら、見てください〜ほらほら〜」
女がしつこいので、仕方なく首を向ける。
「見たけど」
「ほらぁ、私、宙に浮いてるでしょう?」
言われてみれば、確かに女の足は床から20cmほど離れ、ふわふわと宙に浮いている。
「変わった特技ね」
「違いますよぉ。こんなこと、人間にはできませんよ〜」
「なら、化け物。保健所・・・はもう閉まってるわね」
「うー。どうして神様って認めてくれないんですか?」
「悔しいから」
いるかそっくりの存在が神だなどと、認めたくない要芽だった。


「まあいいわ。あなたが神だとして、いったい何の神だというの?」
「はい〜、私は、全てのいとけなく幼き者とそれを愛する者の神、ロリ神なのです」
「・・・」
やはり保健所か。110番のほうが相応しいか。
「・・・それで、そのロリ神とやらが私に何の用?」
「それはですね、貴方がロリノートを拾ったからですよ〜」
「ロリノート?それは・・・これのことかしら」
要芽は朝方拾ったノートを差し出す。
「はい、それがまさに!私たちのロリワールドから、選ばれた人間に授けられるアイテムで、拾った人のところに我々は派遣されるのです」
「で・・・具体的には貴方、何ができるわけ?」
「え〜と、私が何かするのではなくて、貴方がそのノートを使ってロリパワーを振るえるのです〜。私はそのガイドのようなものですね〜」
「ロリパワー・・・?怪しげな・・・」
「怪しくありませんよー。名前のわかっている人なら、誰でも愛らしい少年少女時代の姿に戻せるすごいアイテムなんですよ?」
「そうなの?・・・はっ!?」
いつの間にか女の話に引き込まれている。
「・・・とにかく、私には必要のないアイテムね」
「え〜?これは、幼き者を愛する心の持ち主にしか持てないアイテムですよ?誰か、昔の姿に戻って欲しい人がいるんじゃないですか?」
「う・・・」
言われてみれば、もう一度幼き日々の姿に戻して愛でてみたい人間を何人も思いついた。
「ほらほらぁ、自分に素直になった方がいいですよ?使い方、知りたくなったんじゃありませんか?」
「・・・どうすればいいの?」
「簡単ですよ〜。このノートに、名前と何歳ぐらいまで姿を戻したいか、書き込めばいいんです」
「そう・・・素敵なアイテムね、ありがとう。そういえば、貴方の名前をまだ聞いていなかったわ」
「私ですか?私はドルフィンちゃんですよ〜」
結局いるかである。
「そう・・・ドルフィンちゃん、ね・・・12歳ぐらいでどうかしら?」
「はわわわわわ!?な、なぜ私の名前をノートに!?」
「とりあえず、お前で試す」


「・・・ごちそうさまでした」
「うっうっ・・・えぐえぐ・・・」
12歳に戻ったドルフィンちゃんを美味しくいただいた要芽であった。
「ところで、使い方だけど・・・ずっと幼いままでは困るわよね?」
「あ・・・それは、持続時間を書いておけば、時間がくれば戻ります」
「私本人は、昔の姿に戻れるのかしら?」
「それも、そういう趣向の方がいるのでOKになってますー」
「なるほど・・・使えるわね、これ」
最初は空也。自分も少し時を戻して、青い性のめくるめく快楽に溺れるのも悪くない。
力が強くて、なかなか無理矢理に押さえ込めない巴や瀬芦里も、これで幼くしてしまえば・・・
「・・・何か邪悪なことを考えてますね?」
「 黙 れ よ 」
「ひぃ、ゴメンナサイゴメンナサイ!」
「ふん・・・もういいわ。だいたいわかったから、ロリワールドでもどこでもお帰りなさい」
要芽がドルフィンを追い払うようにひらひらと手を振る。
「あー・・・それがですねー、ノートが人間世界にある間は、私は持ち主のそばにいなければならないんですよー」
「邪魔ね」
「うう、ひどいです・・・」
「だいたい、そんな格好をしたの、そばに置いておけないわ。人に見られたら何を言われるか・・・」
「あ、それは大丈夫なんですよ。私の姿は、ノートの持ち主にしか見えないんです」
「そう・・・他の人には・・・見えないのね?・・・ふふ・・・」
「・・・また邪悪なことを考えてますね?」
「 黙 れ よ 」
「ひぃ、またしてもゴメンナサイゴメンナサイ!」
「学習しないところは、いるかと同じね・・・」


「それにしても、ずっと視界の中に貴方がいるのも落ち着かないわね。私にも見えなくなることは出来ないの?」
「一応できますよ・・・はい!」
パッ、と要芽の視界からドルフィンが消える。
「そのまま消えていなさい」
「はう〜、そんなこと言わないでくださいお姉様〜」
声だけは聞こえてくる。
「まあ、たまには出てきなさい・・・気が向いたら可愛がってあげるわ」
「え、えへへへ・・・」
ぽん、と再びドルフィンの姿が現れる。
「・・・なに?まだ出てきていいとは言っていないわよ」
「あの・・・元に戻していただけないかなー・・・なんて・・・あは、あははは・・・」
「あなたロリ神なんでしょ?その姿の方が相応しいわよ」
「はう〜・・・」
「それとも、元の姿でするほうがよかったのかしら?」
「えっと、どちらかといえば・・・・・・ってそうじゃなくて!」
「ふふ・・・まあ、おかげで楽しくなりそうね」

こうして、不思議アイテム「ロリノート」を手に入れた柊要芽の活躍が始まるのであった。
To be continued!

(作者・◆Rion/soCys氏[2004/07/19])

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