「それじゃ、いってくるね〜」
「うん、いってらっしゃい、お姉ちゃん」
名残惜しそうな海お姉ちゃんを玄関で見送ると
家の中はとたんに静かになる。
親父との修行の旅から帰ってきてから初めて柊家に一人とり残された。
雛乃姉さんは巫女のアルバイト。要芽姉様も仕事。
ねぇねぇはバイク仲間と遊びに行き、姉貴はヤキソバ食べ歩きツアー。
海お姉ちゃんが学校の友達と遊びに出かけた今
買い物に行ったともねえが戻るまでのわずかな時間ではあるが
この広い屋敷にいるのは俺一人、というわけだ・・・
「ふ・・・いよいよ、あの計画を実行するときが来たようだな!」

柊家にはテレビが居間に一台しかない。
年頃の娘が6人もいるんだし、経済的にも余裕ないわけじゃないんだから
テレビなんか2、3台ぐらいあってもいいと思うんだが、バカ親父が
「テレビは家族揃って1台のテレビを楽しく見るモノだ」とかいう古くさい主張を譲らないまま今に至るらしい。
そしてその1台のテレビのチャンネルを、柊家ヒエラルキーに従いつつ奪いあっているので
俺が見たい番組などはほとんど見ることはできないのだ。
・・・ま、テレビ番組は別にいい。
だが、俺のような健全な若い男にとっては、このテレビが1台しかないということは
非常に深刻な問題に直結していた。
「アダルトビデオが見られない」
居間のテレビにビデオデッキは繋いではあるが、いつどのお姉ちゃんが現れるかわからないのに
おちおちアダルトビデオを鑑賞していることなどできはしない。
1年前にはなかったレンタルビデオショップを駅前で発見し、アダルトコーナーの充実ぶりに驚き喜んだものの
我が家のテレビ利用状況を考えると借りることもできず、悶々とした日々を送っていたのだが
今、ようやくその鬱憤を晴らすときがきた。
皆のスケジュールを確認したうえで、今日に備えて昨日すでにビデオは借りている。
そう、あとはともねえが帰るまでに実行あるのみ!


ティッシュ、よーし!消臭スプレー、よーし!テレビのリモコン、よーし!
指さし確認終了!
オナニーをするときの最低限の礼儀として、スパーン!と俺は全裸になる。
いつも皆が茶をすすったりしている居間で全裸か!ひゃっほぅ!すげー開放感だぜ!
・・・ちょっとだけ、ねぇねぇがすぐ服を脱ぎたがる理由がわかったかもしれない。
テレビの前にどっかと腰を下ろすと、ドキドキしながらテープを手に取る。
まるでビデオデッキが「早く入れて」とせがんでいるようだぜ!
「へへ、そんなにこれが欲しいのか・・・?今入れてやるぜ、この淫乱デッキめ!」
がしょ。うぃ〜・・・
画面にまあまあ可愛い姉ちゃんが出てきて、何事か喋り始める。
どうでもいいシーンなので早送り・・・と思ったがふと手が止まる。
なんだか・・・ともねえに似てる?
背が高くて(ともねえほどじゃないが)まあ美人で(ともねえには及ばないが)乳でかくて(ともねえには届かないが)
借りてきた時には気づかなかったが・・・こんなお姉ちゃんが出てるビデオを選んでしまうとは、やるな、俺。
無意識のうちに最高の選択をしていた昨日の俺に感謝しているうちにカラミが始まった。
おお・・・
すげえぜ、この姉ちゃん!
上になって腰振りまくりで、胸とかもうブルンブルンだし、よがってる顔とかあえぎ声とかもうエロすぎ。
ギンギンに張りつめた息子をなだめるようにさすりながら、画面の中の姉ちゃんの痴態を堪能する。
っと、今のとこが抜きポイントか?巻き戻してもう一回だな・・・あれ、リモコンリモコン・・・?
画面に目を釘付けにしたまま手探りでリモコンを探す。
「はい」
「あ、サンキュ」
「・・・」
「・・・」
後ろ手に渡されたリモコンを掴んで、俺は固まってしまった。


のろのろとリモコンをテレビに向け、ピ、と停止ボタンを押す。
暗くなったテレビ画面に、俺の後ろで困った顔をしているともねえが映り込んでいた。
ぐあ、もう買い物終わったのか・・・?
「あう・・・み、見てていいよ・・・私、もう台所に行くから」
そんなこと言われて見続けていられるほど俺は剛胆じゃないんです。
「・・・えー・・・ほら、今日も暑いからちょ、ちょっと裸でテレビでも見ようかなとですね?」
何か上手い言い訳を考えなければ、と気ばかり焦ってろくな言葉が出てこない。
「く、空也も男の子だし・・・こういうもの見たい気持ちがあるのは、し、仕方がない・・・よね」
ともねえが俺の背中にぴた、と寄り添うと
停止ボタンを押したまま固まった俺の手の中のリモコンに背後から手を伸ばす。
ピ。・・・うぃー・・・
再び画面に蠢く全裸の男女姿が映し出される。
「いやあの、ホントもう十分なんで・・・」
ピ。がしょん。あわててまた俺がビデオを止める。
「え、遠慮・・・しないで、いいよ」
ピ、・・・うぃー・・・
「も、もう勘弁してください・・・」
ピ。がしょん。
ピ。・・・うぃー・・・
・・・イジメ?これってともねえのイジメ?
「この人・・・わ、私に・・・似てるね・・・」
うわヤベェ、気づかれた!思わず振り向いて反論する。
「似てない!全然似てないよ!?ともねえのほうがずっと美人だしスタイルいいし!」
振り向いて見るともねえの顔は・・・悲しそうだった・・・


「ご、ごめん!」
謝らずにはいられないほどの罪悪感だった。もう言い訳はしないで、ひたすら謝るしかない。
だが、ともねえの反応は意外なものだった。
「あう・・・わ、私こそ・・・ごめんね」
「な・・・なんでともねえが謝るの?」
「だ、だって・・・あんまり、空也に・・・その、させてあげてなかった・・・から」
むう。確かにこのところご無沙汰ではありましたが・・・
「だ、だから・・・手伝ってあげるね」
「うわ!?」
おずおずと、ともねえが俺の息子に手を伸ばしてくる。
背中に密着した豊かな胸と、首筋にため息混じりの吐息を感じて
萎えかけていた息子が再び勢いを取り戻していた。
「こ、こうする・・・んだよ、ね?」
ぎごちない、だけど優しい動きでともねえが俺を愛撫してくれている・・・
「うん・・・気持ちいいよ」
画面の中で、ともねえ似の女が嬌声をあげてのたうっている。絶頂が近いのだろうか。
イメージを頭の中でともねえに置き換える。
途端に、快感のボルテージが上がっていく。
「うあ・・・と、ともねえ、ティ、ティッシュ・・・」
だが、俺を愛撫することに夢中なのか、息を荒くするだけでともねえは答えない。
や、やべ・・・出る・・・
「いいよ・・・私が綺麗にするから・・・好きなときに、好きなところに・・・出して」
ともねえのかすれた「出して」の声が絶頂の引き金だった。
「う、あ・・・ともねえ、出るっ!」
ドクッ!!ドクドクドク・・・
ともねえの綺麗な手を汚しながら、俺の欲望は画面の中のともねえに飛び散っていった。


「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・」
「いっぱい・・・出たね」
脱力した俺を背中から支えるように抱きしめて、ともねえが嬉しそうにささやくと
手を伸ばしてテレビに飛んだ俺の精液を綺麗に拭き取っていく。
「ごめん、汚しちゃって・・・」
「あは、大丈夫。中には・・・入ってないみたいだし」
ピ、とビデオを止める。
「でも・・・こんなに、激しくするんだね・・・ちょっと驚いちゃったな」
「えーと・・・ともねえはアダルトビデオとか・・・」
ブンブンと首を横に振る。そりゃそうか。
「じゃあ・・・今から、ビデオの中でしてたみたいに、しようか?」
ちょっと期待を込めて言ってみる。
ともねえも、段々と変わってきてる。
優しいところとかはそのままだけど、少しずつ積極的で、自分を主張するようになってるし・・・
「・・・イヤ?」
ともねえが後ろからギュ、と俺を抱きしめる。
「ううん・・・空也がしたいようにして、いいよ・・・」

夕食後。皆で居間でくつろいでいるときだった。
「あら?・・・何かビデオ入ってる?」
しまった!あれからともねえとHするのに夢中でデッキからテープ抜いてねぇぇ!
「何かしら・・・海、リモコンそっち?」
「うん。再生、カチッとな〜♪」
止める間もなく部屋にあふれる女のあえぎ声。
「ぬ」「あら」「おろ」「きゃ!?」「ほえ〜」
そして俺に集中する5人の視線。
イカン!ここは・・・ともねえ助けて光線、発射!
「あ、あは、あははは・・・」
・・・そそくさとともねえは台所へ。
うう・・・ともねえ、逃げを覚えたところとかも変わったのね・・・

(作者・◆Rion/soCys氏[2004/06/27])

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