「海お姉ちゃん・・・明日ヒマ?」
夕食の後、居間で二人っきりになったとき、突然空也から尋ねられた。
「明日?明日は部活もないからヒマだよ」
「じゃあさ・・・明日、俺とデートしない?」
「ほえ?・・・・・・・・・デート?」
デートって、なんだっけ。頭の中で「デート」という言葉がグルグル回る。
「う、うん・・・その、一緒に出かけてご飯食べたり映画見たり買い物したりゲーセン行ったり・・・どうかな?」
どう?どうかなってどうなの?デート?デートって恋人同士のアレ?どうなの?これってどういうこと?
ああ、もう・・・処理能力限界〜・・・
「・・・・・・・・・(バタッ!)」
「うわ、お、お姉ちゃんしっかり!?」
「うわぁ〜・・・空也に・・・デートに・・・誘われちゃったぁ〜・・・」
なんだろうなんだろうお姉ちゃんなのに弟にデートに誘われちゃってどうしようどうしようでも嬉しい嬉しい嬉しい嬉しいよ〜!!
「だ、大丈夫?・・・で、OKかな・・・?」
思わずガバッと跳ね起きる。
「モチロンだよ!あぁ〜、お姉ちゃん感激〜!!」
「・・・でね、そのデートの間なんだけど・・・」


・・・ドキドキして眠れないまま、翌日になっちゃった。
目が赤くなったりしてないかな。寝不足でむくんだりしてないかな
髪おろしたほうがいいかな、着ていく物どうしよう・・・
そんなこと考えてる間にもう出かける時間。はう〜・・・
「じゃ、ともねえ、悪いけど出かけるから食事の支度とかお願いするね」
「うん、大丈夫。気にしないで楽しんできて」
「ありがとう・・・海?」
「うん?」
「まだ靴選んでるの?」
「だってぇ〜・・・急だから考えてる時間なかったんだよ〜」
「もう・・・ほら、行くよ海」
「あん、待ってよ空也〜」
空也は苦笑いしながら先に玄関を出てしまった。
巴お姉ちゃんが不思議そうな顔で私を見ている。
「あう?・・・海・・・?・・・今・・・何かおかしくなかった・・・?」
「別に・・・おかしくないよ?ただ・・・今日は、ちょっと特別なんだよ」
「あう?とくべつ?」
「えへへっ・・・じゃ、行って来ま〜す!」
そう、今日は特別・・・なのかなぁ?


映画館を出て歩き始めると、空也がすっと肘を曲げ、私も自然にその腕に手を絡ませる。
「映画よかったね、海」
「う、うん・・・」
「・・・どうしたの?・・・まだ慣れない?」
「うん・・・やっぱり急には、ね・・・」
昨日の約束。今日一日は、二人は姉弟じゃなくて、恋人。で、空也が私をリードする。
空也は私のことをお姉ちゃんと呼ばない。それがなんだか寂しいような気もする。
でも、なんだか・・・照れくさい?よくわからない。ただ、空也が「海」と私を呼ぶたびに胸がドキドキを始める。
「あんまり無理だったら・・・元に戻ろうか?楽しくなくちゃ意味がないし」
「ううん、楽しいよ・・・今日一日は・・・お姉ちゃんと弟じゃなくて・・・こ、恋人・・・」
「俺がリードするんじゃ、心配?」
「そ、そんなことないよ〜」
「じゃ、何か食べようか・・・そこの喫茶店でいい?」
「うん、任せるよ〜♪」
空也がどんどんリードしてくれる・・・
悪くない。うんうん、こういうのも悪くない♪
むしろ・・・空也がリードするのに慣れてるのが気になったり・・・
私以外と、こういう経験があるのかなぁ・・・
引っ張ってくれる空也が、頼もしかったりちょっと不安だったり・・・
そのうち、慣れるのかなぁ・・・


注文した物がテーブルに運ばれてくる。
「・・・おいしい?」
「うん♪あ、空也も食べる?はい、あ〜ん」
私のパフェから少しスプーンですくって空也に差し出す。
あ。つい、いつものくせで・・・
でも、空也はあ〜ん、と口を開けて私の差し出したパフェをパクッと食べてくれた。
あれ?・・・いいのかな?もう私に甘えてくれるのかな?
「じゃ、お返し・・・はい、あ〜ん」
「えっ?えっえっえっ?」
うわ、空也が自分のパフェをスプーンですくって差し出してる!どどどどどどうすればいいの?
「ほら、あ〜ん」
「あ、え、えっと・・・・・・ぱく」
・・・・・・甘い。痺れるみたいに甘い。ていうか、痺れてる?私、痺れてる?何で?何に?
「・・・おいしい?」
「あ、え、う、うん・・・・おいしい・・・えへへっ♪」
「俺も甘えるけど・・・海も、もっと俺に甘えて、ね」
「・・・うんっ♪」
そっかぁ。恋人同士なんだから・・・私が空也に甘えてもいいんだ。
「あ〜ん」「あ〜ん♪」


買い物したり、ブラブラしたり、ゲームしたり・・・色んなことして、あっと言う間に日の暮れた帰り道。
涼しい風が吹き抜ける海岸沿いの道を手を繋いで歩く。
「今日は楽しかった?」
「うん♪たまには・・・空也に甘えるのもいいかな、って・・・えへへっ」
「・・・いつか、さ・・・その・・になったら・・・もっと俺に甘えて欲しいから・・・」
「え?ごめん、風強いから・・・なにになったら?」
「えっと・・・だから、け、結婚するように・・・なったら・・・って」
・・・・・・・・・え?
「まだ先のことかもしれないけど・・・いつか、必ず・・・お嫁さんになってほしいから」
私が・・・空也の・・・お嫁さん・・・
「結婚したら、いつまでも甘えてばかりいられないよね。だから、それまでに、頼られる練習・・・なんちゃって」
言葉が出ない。もう何も言えない。胸が詰まる。苦しいほどに・・・・・・嬉しい。
抱きしめたい。抱きしめてもらいたい。そう思ったらもう止まれなかった。
「空也っ!!」
ただ名前だけを呼んで胸に飛び込む。
空也の胸は、大きくて、がっしりと逞しくて・・・暖かだった。
「今まで・・・ちゃんと言ったことなかったけど・・・愛してる・・・愛してるよ、海・・・」
「わっ・・わたしっ、もっ・・・うっ・・あっ、あいしっ・・・てるっ・・・あ・・して・・うっ!!」
いつの間にか私は泣いていて、言葉が詰まって上手く喋れない。
ちゃんと伝わった?私の気持ち、ちゃんと伝わった?
でも、そんな心配を吹き飛ばすように・・・空也は私をギュッと抱きしめてくれた。


夜。皆がもう寝静まったころ、空也の部屋に忍んでいく。
これから、今日の締めくくり。
部屋では、空也が布団を敷いて待っていてくれた。
「・・・待った?」
「いや・・・大丈夫だよ」
なんだろう。今までも何度もHしたのに、妙に恥ずかしい。
「・・・えっと・・・」
「海・・・・・・おいで」
「・・・はい」
抱き合いながら、互いのパジャマと下着をゆっくりと脱がせていく。
全裸になって、もつれるように布団に倒れ、口づけを交わす。
お互い、もうよく知ってる体なのに、なぜかぎごちない。
やがて、仰向けになって大きく開いた私の足の間で、空也が張りつめたものに手を添え、私にあてがう。
もう二人とも十分に高まっていて、これ以上はじれるだけ。
なのに。
ぬるぬると強ばりを私の亀裂に滑らせる。ツンツンと入り口をノックする。でも、入れてくれない。
「あん・・・うっ・・・」
気持ち、いい、けど・・・
もっと欲しい。思いっきり。
「はぁ・・く、くう、や・・・お願い・・・もう・・・」
「もう・・・なに?・・・ちゃんと口に出して、言って・・・」
・・・まだ、続いてるんだ・・・私、空也に・・・甘えていいんだ・・・
「お願い・・・空也のコレ・・・早く・・・ここに、ちょうだい・・・」
おねだりしながら、空也のソレをそっと握り、私に導く。
「よく言えました・・・じゃあ、あげる、ね・・・」
・・・そして私たちは一つになる。
お互いの足りない物を埋め合って、今・・・本当に、一つに・・・


朝。別に誘われてないけど空也と一緒に台所に行く。
「おはよう、ともねえ」「おはよ〜、巴お姉ちゃん」
「おはよう、海、空也・・・えっと・・・海は・・・何?」
「空也と一緒に、朝ご飯の準備♪」
空也と目が合う。空也が自分の足りないところを補うように
私も自分の足りないところを補わなければいけない。
「あう・・・く、空也・・・」
空也が笑って、困った顔の巴お姉ちゃんに私の言いたかったことを告げる。
「あのさ・・・これから、海お姉ちゃんにもご飯の支度、手伝ってもらうことにしたから」
「ええ!?・・・だ・・・大丈夫なの?」
「うん、俺がついてるから。いい加減、お姉ちゃんにも料理覚えてもらわないとね」
「そ、そうか・・・うん、頑張れ、海!」
「うん、頑張るよ!」
「って、よそ見しないで!ああ、それじゃお塩入れすぎ!」
「ほえ?」
「・・・まあ・・・ゆっくりと、かな・・・」
うん、ゆっくり、ゆっくり。まだまだ、私たちの先は長いんだもの。

(作者・◆Rion/soCys氏[2004/06/12])

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