「また・・・暑くなってきたなぁ」
喉の渇きを覚え居間に降りると、空也がぐったりとして転がっていた。
「ふふ・・・暑いのはわかるけど、ダラダラしていてはダメよ」
「あ!は、はい姉様!」
ぱ、と跳ね起きて私に向き直る。
空也にはこう言ったけど、正直ここ数日かなり暑い。そろそろ夏物も準備しないとね・・・
「暇ならちょうどいいわ、空也、ちょっと手伝ってちょうだい」
「はい。何を手伝えば?」
「服の整理。衣装ケースを動かしたりとか、ちょっと力仕事になるのよ」
「わかりました。お手伝いさせていただきます」
「よろしい。じゃ、いらっしゃい」

「この箱は・・・そうね、そこに・・・違う、その右」
大きな箱を抱えて踏み台に乗っている空也に指示を出していく。
「は、はい・・・ここでいいですか?」
「う〜ん・・・今一つ収まりが悪いわね。やっぱり元の場所でいいわ」
「・・・はい」
あ、ちょっと不満そうな顔。しょうのない子ね・・・
「やっぱり、男手があると助かるわね」
「そ、そう?・・・えっと、こっちの箱は?」
空也の指が、ある一つの箱にかかる。
「あ、その箱はダメ」
「ダメ?・・・要芽セーラー服、って書いてあるけど」
「そう。私の、高校の頃の制服」
「へえ・・・ちゃんととってあるんですね」
「もう・・・空也は触らないで。関係ないんだから」
言った後、しまったと思ったけど遅かった。
「関係ない、ですか・・・そうですね・・・姉様がこれを着ていた頃は、俺は沖縄だったし・・・すいません」
「・・・別に、謝らなくてもいいわ。ただ、これを着ていた頃の思い出の中に、あなたに踏み込んで欲しくないだけ」
また失敗。どうして・・・空也には素直に気持ちを伝えられないのだろう。
「・・・そう、ですか・・・」
つらそうな顔。少し胸が痛んだ。


不意に・・・珍しく、もしもこうだったら、という考えが頭をもたげる。
「そうね・・・これを着ている頃に、あなたが側にいたら・・・また違った今があったのかもしれないわね」
「姉様・・・過去は・・・思い出は、消せないものなの?」
「無理ね。過去を帳消しにはできないわ」
「だったら・・・もう一度、別の過去を作ってみたら?今からでも」
突然、突拍子もない提案。よく意味が分からない。
「?今から・・・別の過去を作る?」
「さっき言ったよね。これを着ていた頃、俺が側にいたら、って。そんな過去を、今から想像で作るんだよ」
想像、ね・・・もし今ここに、空也がいたら。そんな考えが頭をよぎったこと、ないわけじゃない。
でも、そんな想像をしても空しくなるだけとわかっていたから
想像しても空也が戻ってくるわけじゃないとわかっていたから
長くそういう想像に浸ることはなかった。
私は現状を受け入れ、現実と向き合い・・・現実のつらさを知った。知りたかったわけではないけれど。
「想像は、現実の過去と重さが違いすぎるわ・・・リアリティだってないし」
「だから・・・」

「またセーラー服を着るとは思わなかったわ・・・卒業して何年も経ってるのに・・・」
「いやぁ、よく似合ってます姉様」
「・・・や、やっぱり・・・恥ずかしいわ・・・やめましょう、もう」
「見ているのは俺だけだよ、姉様。で、俺はよく似合ってると思う。だから恥ずかしいことないよ」
「だいたい・・・これを着ていた頃の空也はもっと子供のはずじゃない」
「ま、その辺は適当に頭の中で補正してよ。じゃ・・・思い出、作ってみましょうか」
「?」
「今から、姉様の・・・初めてをもらうから」


「な・・・何を言ってるの?私はもう・・・」
「今の姉様は、セーラー服を着てた頃の姉様。そういうことだったらいいでしょ?」
「・・・そう、ね・・・ずっと側にいたら・・・多分あなたにあげていた・・・それに・・・あなたを奪っていた。あんな女に奪われることもなかった」
「・・・今の俺は、離ればなれにならずに、ずっと姉様の側で姉様を慕い続けてた俺だから・・・」
「じゃあ・・・お互い、初めてのつもりで・・・ってことね・・・空也が詰め襟とか着てると、もっといいのに」
「・・・ノってきてますね、姉様」
「もう・・・からかわないで・・・その気にさせたのは、あなたなのよ・・・」
キス。最初はついばむように。
「んっ・・・姉様・・・キスは、初めて・・・?」
「・・・もう・・・小さい頃に、何度もしてあげたでしょう?・・・でも・・・」
唇をこじ開け、舌を差し込むと、すぐに空也の舌も私の中に滑り込んでくる。
ちゅ・・・くちゅ・・・んちゅ・・・ぬりゅ・・・
「こういう・・・大人のキスは、初めてよ・・・んっ・・・」
唇を重ねたまま、空也が私をベッドに押し倒す。
倒れ込みながら、覆い被さる空也を抱きしめると
粘膜が擦れ合い、唾液で一つに溶け合うような感触をしばらく楽しんだ。
「はぁっ・・・あっ・・・」
空也の掌が、セーラー服の裾をくぐり抜け私の胸の双丘をブラジャー越しにゆっくりとなで回す。
「胸を、触られるのは?初めて?」
「はじめて、よ・・・あ、む・・・」
また唇が奪われ、胸は大きく、ゆっくり、でも力強く揉まれていく・・・
その動きに、いつかブラがめくれ上がってしまい、セーラーの上衣もめくり上げられて
むき出しになったバストに空也の指が蠢く。唇が吸い付く。舌が這い回る。
期待に膨らんだ敏感な先端をくわえられ、思わず吐息が漏れる。
乳首を舌で転がしながら、空也の片方の手が私のお腹を滑り降りていく・・・


ドキドキしながら待っているのに、意地悪な手は後ろに回っていき
スカート越しにヒップを鷲掴みにすると、グイグイとマッサージのように手を動かす。
尻の肉が圧迫されては解放され、そのたびに花園が息づくように口を開け、閉じる。
ねっとりとした蜜が溢れては下着を濡らすのを感じながら、手が回されているほうの片膝を立てた。
空也の手が、尻をさすりながらだんだんと前に回ってくる・・・
「ふあぁっ!?」
なんだか、変。下着越しに、軽く触れられただけなのに・・・まるで奥まで貫かれたみたい。
空也が耳元で囁く。
「・・・ここは?」
「・・・・・・ぅんっ!初めてに・・・決まってるじゃない・・・」
指が下着の上から亀裂をなぞり、溢れた蜜をすくい取っては尖って持ち上がっている芽に塗りつけていく。
「あんっ!・・・うっ、く・・・あ、はっ・・・!あっ!」
空也が悶える私の両足を抱えるように持ち上げ、濡れて糸を引くパンティーを一気にはぎ取った。
濡れた入り口に、一瞬冷えた空気があたりひんやりする。
でも、それも束の間。
空也の熱い唇と舌が蜜を吸い始めた瞬間
「うあっ!?んうっあっあんっ!あぁぁ、あぁぁ、あぁぁ、あぁ、あぁ、あぁ、あぁ、あ、あ、あ、あ、あっ!・・・ああっ!!」
私の意識は頂上まで放り上げられた。
少し意識が降りてくる。
空也が私を軽く抱いて、額や頬や首筋に軽くキスをくれる。
息を整えながら空也に囁く。
「・・・空也ばっかり・・・楽しんで・・・ずるい・・・服だって・・・着たままだし・・・」
「あ・・・うん・・・・」
体を起こし、立ち上がるとシャツを脱ぎ捨てる。ジーンズのファスナーを降ろそうとするけど
張りつめたものが邪魔なのか、もたついている。
「ふふ・・・あわてないの・・・ほら」
空也の手を制し、私がゆっくりとファスナーを降ろしてあげる。
ストン、とジーンズが落ち、盛り上がったトランクスが出てくる。
鼻にかかる雄の匂いに刺激されながら、トランクスに手をかけた。


「姉様・・・すごく、Hな格好になってるよ・・・」
「・・・え?」
私はセーラー服を着たまま。だけど・・・スカートがめくれ、その下は何もつけていない・・・
そこだけをむき出しにして、空也のトランクスをずり下ろそうとしている。
「・・・あなたがこうさせたのよ。Hなのは、空也のほう」
一気にトランクスを引き下ろした。
弾けるように飛び出す肉茎が目の前に突き出される。
「ほら、Hな空也はもうこんなにしてる・・・女の子に触られるのは、初めて?」
「うん・・・」
「私も、初めてだから・・・どうすればいいのか、教えて・・・」
「じゃ・・・軽く握って・・・うん、そう・・・動かしてみて・・・・」
「・・・こう?」
「そう・・・気持ちいいよ・・・・」
見上げると、空也が私を切なそうな目で見下ろしている。
もっと、気持ちよくしてあげたい・・・
「口でも・・・してあげる、ね・・・ん、む・・・」
含んだ瞬間、空也の腰がピクリと震える。
上目遣いで空也を見る。必死に、耐えている。可愛い。嬉しい。
ちゅ・・・ぬりゅ、ぬりゅ、ぬりゅ・・・くぽ、くぽ、くぽ・・・ぬちゅ・・・
いろいろ角度とか頬張る場所を変えてみる。
そのたびに空也は違った反応を見せてくれる。
やがて呻きながら空也が私の頭を軽く押さえ動きを止める。
「う・・・ね、もう・・・」
私が解放すると、空也は私の前に座り、肩に手をかけた
「・・・いいね?」
何で今更こんな事聞くんだろう。ああ、そうだ、私たち初めてだったんだ。
でも、もうとっくに覚悟はできてる。
そう。
あの夏の日、初めて空也が告白してくれたあの日に
本当は、私は、この日を心に決めていたのだ。
うなずいて横たわると、私は待つ。
約束がかなえられる瞬間を・・・


何度も愛し合った。
セーラー服はいつの間にかどこかに脱ぎ捨てられ
二人とも一糸纏わぬ姿で抱き合い、汗まみれになって喜びを分かちあい
今は疲れ、ただ見つめ合っていて
やがて心地良い眠りが訪れる。

夢を見た。
あの夏の日
年下の少年に愛を告げられた少女がいた。
二人ともまだ子供だからと、答えを先延ばしにした少女が
私に微笑みながらこう告げる。
(やっと大人になったのね)
(そうね。随分、時間がかかってしまったけど)
(答えは、出たのかしら?)
(ええ・・・本当は、最初から答えは出ていたのかもしれない)
(もう大丈夫ね)
(ええ・・・もう、大丈夫。もう、迷わないわ)
少女がにっこりと笑い、私も微笑みを返す。
そして、満たされて深い眠りに落ちていった。

(作者・◆Rion/soCys氏[2004/06/10])

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