「イカ、ちょっとこっち来なさい」
「・・・へいへい・・・で?何買ってくればいいの?」
「違うわよ!・・・ちょっと、聞きたいことがあるの。部屋まで来て」
「で、聞きたいことって何さ」
「最近・・・巴姉さん、あの歩笑って女と仲がいいみたいだけど・・・」
「ああ・・・そうだね、何をするってわけでもないけど、よく二人で一緒にいるみたい」
「・・・わかんないなぁ・・・巴姉さん、あんな女のどこが気に入ったのかしら・・・」
「そう?俺はよくわかるけどな・・・ほら、ともねえって人形とか好きでしょ?」
「だから、なによ?」
「ねーたん、小柄で可愛いくてお人形っぽいからさ、そういうところが気に入ってるんじゃないかな」
(何よ・・・小柄で可愛いんだったらアタシだって・・・)
「それに、ねーたん頭がいいでしょ?ともねえ、頭の良さって素直に尊敬しちゃうからさ」
(フン!頭脳の優秀さでアタシにかなうわけないじゃない)
「さらに加えて、ねーたんは素直で物静かだし・・・」
(カチン!)
「優しくて、常に控えめで・・・」
(カチン!カチン!)
「思いやりもあるし、家事が得意なところとか話題も共通するし・・・」
(カチン!カチン!カチン!)
「じゃあなに!?・・・アタシはひねくれてて騒々しくて、意地悪で出しゃばりで、我が儘で家事をしないダメ女だって言うの!?」
「そ、そんなこと言ってないだろ!?・・・・・・当たってるけど」
ドカッ!
「グェーッ!」
「ぬうぅ・・・こうなったら・・・なってやろうじゃないの!」
「あの・・・わかったから・・・足・・・どけてください・・・潰れ・・・おぐぅっ!?」
「見てなさいよ・・・(グリグリ)・・・どっちが巴姉さんに相応しいか・・・(グリグリ)・・・思い知らせてやる!・・・(グリグリ)・・・」
「・・・(ヒクヒク)・・・」
「・・・姉貴」
「・・・何よ」
「・・・・・・何故に・・・メイド服?」
「フフン・・・従順にして寡黙、親切で奥ゆかしく、献身的にそつなく家事をこなす・・・そんなイメージがピッタリの職業といったら?」
「いや、そりゃまあ・・・メイドさんってそういうイメージかもしれないけどさぁ・・・別にメイド服を着なくても」
「わかってないわね。まずは外観からアピールする事が大事なのよ」
「はあ・・・だけど・・・なんでそんなにねーたんに対抗意識を燃やしてるわけ?ひょっとして・・・やきもち?」
「バッ・・・バッカじゃないの!?と、巴姉さんはじ、実の姉よ!?嫉妬なんて・・・するわけないでしょ!!」
「じゃ、ともねえがねーたんと仲良くしたって別にいいじゃん」
「・・・だって・・・なんだかあの二人が仲良くしてるの見るとムカつくんだもん」」
「いやそれを普通はやきもちって言うんじゃないの?」
「ぬうぅ・・・とにかく、あの女に巴姉さんが取られてるみたいでイヤなの!」
「はいはい・・・それよりさ、外観を取り繕っただけじゃいずれボロが出ると思わない?」
「う・・・そ、その辺は、うまくやる・・・わよ」
「そう上手くいくかなぁ?あらかじめ、練習しておいたおうがいいんじゃない?」
「・・・まあ、それも一理あるわね・・・でも、一人じゃ練習もしにくいし・・・」
「俺がいるじゃん」
「・・・やっぱり、アンタしかいないか・・・気が進まないけど、しょうがないわね・・・じゃあ、協力させてあげる」
「それじゃ・・・高嶺、肩揉んで」
「う・・・か、かしこまりました・・・(揉み揉み)」
「うむうむ、なかなかよいぞ・・・そうだな、ついでに下半身のマッサージも頼もうか?主にこの辺とか・・・」
ドゲシッ!
「グェーッ!」
「調子に乗るな、このスケベイカッ!」
「そ、それじゃ・・・練習に・・・ならなおぐふぅっ!?」
「もう、いいわ・・・(グリグリ)・・・やってやろうじゃない・・・(グリグリ)・・・ぶっつけ本番で!・・・(グリグリ)・・・」
「・・・(ヒクヒク)・・・」
「・・・いないわね、巴姉さん・・・困ったわ・・・あんまりこの格好でうろうろしていたくないし・・・」
「なんでさ?」
「瀬芦里姉さんや海には見られたくないのよ」
「ああ、なるほど。ともねえ、今の時間は夕食の買い物じゃないかな」
「ただいまー」
「あ、帰ってきた。行くわよイカッ!」
「なんで俺まで・・・」
「お、お帰りなさい、巴姉さん」
「うん、ただい・・うわっ!?ど、ど、どうしたんだ高嶺!?その格好は!?」
「あ、あのね、高校の学園祭で喫茶店をやったときに着た衣装なの。整理してたら出てきたんで着てみたんだけど・・・どう?」
「う、うん・・・すごく・・・可愛い・・・(ぽーっ)・・・」
「荷物重かったでしょう、巴姉さん。これ、台所まで運べばいいの?」
「え?あ、ダ、ダメだ!こ、こんな可愛いメイドさんにそんなことさせられないよ・・・んしょ」
「・・・あら?」「・・・へ?」
「そ、そうだ、おやつにしよう!何がいい?焼きそば作ろうか?」
「え・・・あ、う、うん・・・」
「あは、す、すぐできるから!そ、そのままで待ってて!」
ぴゅーん
「なんか・・・当初の計画とはかなり違ってきちゃったけど・・・まあ、OKよね」
「ともねえ・・・騙されてる・・・騙されてるよ・・・」
ズドンッ!
「グェーッ!」
「うるさいっての!巴姉さんだって喜んでるんだから、これでいいの!」
「あの・・・前2回の痛みがまだ・・・の、残ってぶべらぁっ!?」
「見てなさいよ・・・(グリグリ)・・・巴姉さんは・・・(グリグリ)・・・渡さないんだから!・・・(グリグリ)・・・」
「・・・(ヒクヒク)・・・」
「あの・・・巴姉さん?は、恥ずかしいから、そんなに見つめないで・・・」
「え・・・だ、だって・・・た、高嶺が可愛いから、つい・・・あ、あははは・・・」
「うう・・・こ、これはこれでなんて言うか・・・居心地悪いわね・・・」
「あ・・・ソースがついてる・・・」
「え・・・?」
「動かないで・・・拭いてあげる」
「い?い、いいわよ巴ねえさんそこまでしてもらわなくてもがもがぁっ!?」
「拭き拭き♪はい、きれいきれい♪」
「はう・・・」
「あは、高嶺が・・・こうやって可愛くなって甘えてくれると、お姉ちゃん嬉しいな」
「そ・・・そういうもの・・・なの?」
「うん♪・・・でも、いつも高嶺はしっかりしてて、頭も良くて、私になんか甘えてられないよね」
「そ、そんなことない・・・ホントは・・・巴姉さんの胸で・・・甘えてみたかったの」
「姉貴・・・顔、真っ赤」
「う、うるさいわね、もう・・・」
「じゃ、俺は姉貴に甘えてみようかな。高嶺おねえちゃぁ〜ん」
「・・・キモッ!」
「ぐはぁ」
「あはは・・・でも、本当に甘えてばかりじゃ困るけど、全然頼りにされないのって、すごく寂しいんだ」
「巴姉さん・・・(抱きっ)」
「あは、よしよし(なでなで)」
「ともねえ〜・・・(抱きっ)」
「ん、空也もいいこ、いいこ・・・って、あう・・・そ、そんな風に触っちゃダメ・・・あン・・・」
「こ・・の、腐れイカァッ!!」
ズガンッ!
「グェーッ!ま、まだ続くのこのパターン!?」
「うるさい!よくもせっかくのいい雰囲気ぶちこわしてくれたわね!」
「も、もうね・・・タマ2個ともね・・・つ、つぶれんがはぁっ!?」
「さあ・・・(グリグリ)・・・これであの女とも五分・・・(グリグリ)・・・いよいよ決着ね!・・・(グリグリ)・・・」
「・・・(ヒクヒク)・・・」
「・・・(グリグリ、グキュ)・・・」
「・・・(ビクーン!)・・・・・・(ガクッ)・・・」
(作者・名無しさん[2004/06/01])