「うーん、今日はいい天気であるなぁ。こんな日は散歩にでも出かけるとしようか、マル!」
――・・・・ふむ、マルはどうやら先にどこかへ出かけたか。では久しぶりに一人で行くとするかの
「少し日差しが強いか・・・そうだ、巴が草むしりのときにかぶる麦わら帽子を拝借するとしよう」

「こ、これは・・・」
――と、巴め・・・帽子をこんな高いところに掛けおって・・・!だがこんなことで誰かを呼ぶわけにはいかぬし・・・
(ピョンピョン・・・)
――やはり届かぬ・・・我の身長は少し控えめであるからな・・・
「ならばこの扇子を使って・・・!」
(バシッバシッ)
――と、届かぬ・・・おのれ、マルさえおれば・・・!こ、こうなれば脚立を持ってくるしかあるまい・・・

――空也の話だと脚立は庭の倉庫らしいな・・・お、あったぞ。よし、これでやっと・・・
「・・・・重い。は、運べんぞ、こんなもの。最近はアルミ材の軽いヤツがあるというに・・・」
(ズズズ・・・)
「ハァハァ、く、なぜ我がこのような・・・」
――しかし、ここまで来たら後には引けぬ。長女の威厳を見せ付けてくれるわ!


(ズズズ・・・)
「よし後はここを曲がれば・・・な・・・なに?」
――な、ない・・・?なぜだ、さっきまでここに掛かってたではないか!こんな理不尽は罷り通らぬぞ!
「しかし・・・か、考えてみれば我はもともと散歩をするのが目的ではないか・・・。それに我には日傘がある」
――帽子は諦めよう。しかしこの脚立はしまわなければ・・・この一連の痴態の証拠は残してはならぬ・・・!
「あれ?姉さん、どうしたの?」
「!!と、巴か・・・そ、その帽子は?」
「え、帽子がどうかした?これから花壇の手入れなんだけど・・・」
「で・・・で、あるか!そ、そうだ、ここに脚立が置いてあったのだがついでに片付けてくれぬか」
「う、うん、分かった」
――巴には悪いが我に往復はムリだ・・・許せ。さて、では日傘を差して散歩に・・・
(ザー)
「雨・・・であるか・・・」
――居間で暴れん坊将軍の再放送でも見るか・・・

(作者・名無しさん[2004/03/21])

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