偽りの愛  3

ザーザーザー

「あー・・・雨降ってる・・・」

勢い良く降ってくる雨。

こんな雨にも関わらず、傘を忘れたのが1人いる。

「もう!天気予報信じたのにー!!自信満々だったじゃない!・・・どうしよう・・・」

昇降口で空を見上げていると声が聞こえた。

「あれ?真衣?何でまだいんの?」

「あ・・・」

亮太だ。部活が終わったらしく、ユニフォームを着て教室へ戻ろうとしている。

「今、帰ろうとした所よ」

「そっか、じゃあな」

亮太は走って教室へ戻っていく。

私は走って帰る事にした。

鞄を傘代わりにして、雨の中を走っていった。


マンションについても雨はまだ降っている。

家についたという安心でそのままにベッドに倒れこむつもりでいた。

「・・・・あれ?」

鍵が無い。バッグの中をゴソゴソ探してみるが、無い。

「うっそ・・・・」

絶望感が私を襲った。昨日の出来事を思い出してみる。

「あぁ・・・あそこで入れてなかったんだ・・・」

濡れた制服は、肌にくっついてきて凄く寒い。

うな垂れながら辺りを見回した。

「真衣!?何やってんだよ!?」

びくっと振り返ると亮太だった。

「あ・・・どうも・・」

何を言えばいいかわからずその場に立ち尽くす。

事情を聞かれ、仕方なく話す。

「ったく・・・ドージ」

「なっドジは無いでしょ!!ドジは!!」

「いいからついて来いよ」

手を引かれてつれて来られたのは亮太の部屋だった。

「・・・え?襲う気?」

「ちげーよ!!それよりこれ、着てろ。」

ぽいっと渡されたのは亮太の服。

「制服は、洗っておく、」

亮太の気持ちが嬉しかった自分がいた、

亮太の服を抱きしめて笑う自分がいた。

「お茶、入れてくる。」

「こういう時って普通、コーヒーじゃない?」

「なっ!俺は飲めねーんだよ!!しかも飲んだら寝られなくなるだろ!」

「うわー子供ー・・・」

「うるせぇっっ!\\\\」

真っ赤な顔で出て行く亮太。

その内に着替えておいた。

少し大きめなサイズの亮太の服。

懐かしいような独特の匂いが鼻を掠める。

ふと、感じた。

胸がドキドキする。

これは・・・・亮太の服を着ている恥ずかしさ?


それとも・・・・・・・・・



       亮太に対する気持ち?


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