好きになったのは、多分一瞬。
笑顔の『大丈夫、どうにかなるって』に惹かれた。
それは俺の無味乾燥無色透明な学園生活をがらりと変える。飢える俺に潤いを、真っ白な輝きを放つ笑顔は見失っていた色彩を、それぞれ与えてくれた。
そんなまひるがここに居なければ、俺はどうなるのだろう?
俺はまひるによってこの日常に捉らえられていて、まひるの存在が俺をここにしがみつかせていて。
─そう、まひるじゃなきゃ駄目なんだ。
まひるの笑顔でなくちゃ、駄目なんだ。
例えまひるがどんなに変わろうと、まひるがまひるらしくいる限り俺は此処に居て、
俺はきっとまひるの側に居続ける。
どんなに姿が変わってもそれが広場まひるで有る限り、親友でも恋人でも、何でもいいから側にいる。
─そうだ、男でも女でも構わない、構うもんか。まひるであればどっちだっていいんだ。
『大丈夫、なんとかなる』
それはまひるのお決まりの台詞。
そうなんだ、なんとかなる。まひるさえいれば、例え絶対絶命の大ピンチでも、なんとかなる、来るんだ。
そう思えると、なんだか笑いが込み上げてきた。
もし明日、まひるが現れたなら、何て言ってやろうか。何をしてやろうか。
くすくすと笑いながら、俺は床に入った。