今日のラブストーリー


『みずはと覇者りんに明日は来るのか』

 みずはは覇者りんのペットだった。頬を赤らめ覇者りんは言った、「…こんな…すごい…っ!…」
 「みずは…!」突然の覇者りんの悲鳴のような声に我に返って覇者りんを見ると、覇者りんは涙を流しながら必死に顔を背けている。みずはは胸が痛くなった。みずはは覇者りんの涙を指でそっとすくった。
 覇者りんは幸せだった。

『健康ランドへ』

 覇者りんがみずはと知り合いになったのはメトロシティーである。その時覇者りんはまだヒモであった。みずはは覇者りんの耳にほとんど息だけのような言葉を送りながら、時折偶然を装うかのように唇を耳に触れさせた。
 みずはと一緒ならどこにでも行ける、と覇者りんは思った。
 その時、みずはは覇者りんのために全てを捨てる覚悟を決めていたのだった。

『セニョール・みずは』

 みずははそわそわしていた。今日はみずはの家に覇者りんが来るのだ。家族がいない今夜がチャンスだ。…チャイムが鳴った。「そんな、恥ずかしい……」覇者りんは自嘲気味に笑う。こんな自分は理解できない。
 覇者りんの肩を抱き「闇の迷宮に行って二人で暮らそう」と言うみずは。
 それは続く惨劇の幕開けに過ぎなかった…。

『小さい百合の花の仮面劇 』

 深夜すぎに、覇者りんはドアをノックする音を耳にした。覇者りんは不審に思いながら玄関に向かう。…みずはだった。「兄貴と戸棚にいたのを見た…」覇者りんは吐き捨てるようにそう言った。
 みずはと一緒ならどこにでも行ける、と覇者りんは思った。
 そして二人は蝋人形になった。

『悲しみのスペシウム光線』

 覇者りんは兄貴との過去を忘れ、みずはと付き合い始めた。「好きだ…」そう言いながら覇者りんは絞めつけていた。
 みずはは低い声で覇者りんにこう言った。「マンマミーヤ…」
 そして、覇者りんはみずはへの復讐を誓った。

『乾いた夜の夢の続きの妖精』

 みずはは、覇者りんの姿を認めると、傘を放り出し、雨に濡れるのも構わず走り出していた。覇者りんの腰に手を回してみずはは言う、「らしくないな、ホントに…」
 みずはは、明日思いきって兄貴を生デートに誘ってみよう、と決心した。
 二人がどうなったのか…誰も知らない。

『渡る世間は辻斬りばかり』

 覇者りんはみずはが屋根裏では有名な怪しい奇術師だということを初めて知ることになる…。覇者りんの腰に手を回してみずはは言う、「この恋を忘れない…」
 みずはは覇者りんをベットに寝かせて、そっと布団をかける。 安心しきった寝顔がみずはを誘っているように見えた…。
 これもまた愛なのだと、今では思えるようになった。

『赤毛の覇者りん』

 覇者りんとみずはは恋人同士、そして兄貴は覇者りんにとって無二の親友だった…おそらく。みずはは覇者りんの手のひらに自分のそれを重ねてそっと包み込んだ。
 ついに兄貴が覇者りんにナイフを向けた…!
 これが二人の物語の全てである。

『虹と新聞の夢』

 みずはは覇者りんのことを常に音楽家と呼んでいた。理由はわからない。秘密基地で二人は愛を語りあっていた。
 覇者りんの髪の香りがみずはには心地よかった。
 別れは突然にやってきた。

『吸血鬼は知っている』

 覇者りんは、みずはの姿を認めると、傘を放り出し、雨に濡れるのも構わず走り出していた。にっこりと笑うと覇者りんはこう言った、「女装していたの?」
 みずはは頭の中が真っ白になった…。
 みずはと覇者りんにとっての新たなる旅立ちだった。

『マダム覇者りん』

「みずは!」温泉から上がった覇者りんのタオルがはらりと落ちた。口を押さえるみずは…。覇者りんはみずはの伏せられた長い睫に見入りそうになる自分に気づいた。
 覇者りんの肩を抱き「市営プールに行って二人で暮らそう」と言うみずは。
 二人の愛は生け垣の花程の価値もない…。

『みずはのすべて』

 気がつくと、みずはは場末の酒場にいた。そこは二人が出会った場所であった。背中でみずはを呼ぶ声が聞こえて振り返ると、なんと覇者りんが立っている。みずはは我が目を疑った。シークレットポイント48106で二人は愛を語りあっていた。
 「みずは…!」突然の覇者りんの悲鳴のような声に我に返って覇者りんを見ると、覇者りんは涙を流しながら必死に顔を背けている。みずはは胸が痛くなった。みずはは覇者りんの涙を指でそっとすくった。
 そして二人は僕たちの国旗になった。

『覇者りんでございます!』

 みずはは覇者りんに一目惚れしてしまったのであった。「この顔見たら110番…」そう言いながら覇者りんはみずはの肩口に頬を埋め、くすくすと笑う。
 ついに耐えきれなくなって「3時のおやつは文明堂!」と兄貴が叫んだ。
 もはやみずはは覇者りんを愛していなかった…。

『湖畔の夕立』

 覇者りんはみずはの愛人だった。覇者りんをじっと見つめながらみずはは言った、「もうどこにも行くな…」
 ついに兄貴が覇者りんにナイフを向けた…!
 覇者りんは幸せだった。

『マドモアゼル覇者りん』

 蜂の巣――覇者りんは初めてみずはを見た時、何故だか不意にそんな言葉が浮かんだ。「兄貴と神秘の館に行ったのか?」みずはは泣きそうだった。
 ちょっと笑い覇者りんを見て「おっぱいぽよよん…」とみずはは言った。
 やがて二人は「フリーズしたパソコン倶楽部」に入会することになる。

『覇者りんとみずはの真実 〜兄貴の日記より構成〜』

 みずはは兄貴との過去を忘れ、覇者りんと付き合い始めた。覇者りんは言う、「兄貴と別れて」
 みずはの肩に頬を埋めながら覇者りんは言う、「イイことをしよう…」
 そして、覇者りんはみずはへの復讐を誓った。

『女について』

 覇者りんは自分の膝の上で寝息をたてているみずはの頬にそっと触れた。「……」うっすらと目を開けるみずは。覇者りんの腰に手を回してみずはは言う、「君しか見えない…」
 覇者りんは全身の力が抜けてしまったかのように、みずはの胸に寄りかかった。
 覇者りんははっと目を覚ました。全てが夢だった…。

『田舎の巨人』

 覇者りんが現れたとき、みずはは迷っていたところだった。「愛してる…」そう言いながら覇者りんは赤いルージュを塗っていた。
 「全ての男達は私の前にひざまづくのよ!…」そんな覇者りんの声はみずはにはもう届かなかった。
 二人がどうなったのか…誰も知らない。

『マイ・フェア・覇者りん』

 覇者りんにとって涙で頬を濡らしていたみずははとても魅力的だった。「もう立ってられないのか?」覇者りんは照れくさそうに笑い、いたずらが見つかった子供のような瞳でみずはを見上げてきた。
 「許さない…」そう言い残し、みずはは去って行った。
 こんなものは…愛ではない!

『秘密の春風』

 遺跡でむさぼるように愛し合うみずはと覇者りん…。みずはは「もっと覇者りんのことを知りたい…」と言う。
 覇者りんはみずはの胸の中で泣きじゃくった。みずははそんな覇者りんを優しく抱きしめていた…。
 二人の愛はまるで彫刻のようだった。

『マイ・フェア・覇者りん』

 初めて好きだと言われたのはみずはがまだ謎に満ちた落語家の頃だった。「もうだめ……」そう言ってみずはは覇者りんの唇を奪った…。
 「天国で…きっと会おう」そう誓って二人は別れた。
 後に、みずはは知る。幸せな風景が、あまりにも脆く壊れ去った事の絶望感を…。

『スイート・ゾンビシティ』

 真夜中にみずはは目覚めた。しかし隣に寝ているはずの覇者りんがいない…。「覇者りん…?」慌てて飛び起きるみずは。そして領主の館地下にいる覇者りんの姿を見出すのであった。みずはは覇者りんのあごの下に手を回して、自分の方に向けた。
 重なり合う二人の影…。
 そう、2人の逃避行は夢に終わったのだった。

『覗き穴から捉え続けた眼に想いを』

 みずはは覇者りんにとって打算なくつきあえる唯一の相手だった。みずはは微笑みかけた覇者りんを静かに見守っていた。
 「いつの世にも悪は絶えない…」そんなみずはの声は覇者りんにはもう届かなかった。
 もはやみずはは覇者りんのことをなんとも思っていなかった。

『昔の写真のフィナーレ』

 頬杖をつきながらみずはは覇者りんを想う。その時、覇者りんもまた、みずはのことを考えていた。はにかみながら覇者りんは言った、「まだまだね…」
 「逃がさない……」重なり合う二人の影…。
 どこかで銃声が聞こえた…。

『愛するラスボスのために』

 みずははベッドに腰掛け、シャワーの音を聞いていた。壁ひとつ隔てた向こうには無防備な姿の覇者りんがいるのだ。「……」なんとも言えない気分だ。その時、突然バスルームのドアが開いて覇者りんがひょこりと顔を出したのだった。「…覇者りん?」覇者りんが息を荒くしていたので、みずははますます覇者りんのことが好きになった。
 みずははどうにかなりそうだった。
 その時兄貴もまた覇者りんを愛していたことを二人は知らなかった。

『燃える家政夫』

 覇者りん医院、それは覇者りんとみずはにとって忘れられない場所であった。覇者りんの笑顔の鮮やかさにみずはは目を奪われていた。
 突然みずはに抱きしめられ、少し驚いて覇者りんは「…寒かったのか?」と言った。
 やはり二人の愛は永遠だった。

『5分咲きの梅の処方箋』

 みずはは覇者りんのペットだった。覇者りんは涙ながらにこう言った。「どうして恍惚としていたことを黙っていたの?」
 覇者りんはどうにかなりそうだった。
 その時、伝説の樹の下でみずはを待っていたのは兄貴であった…。

『買われた覇者りん』

 みずはが28歳の時、実は覇者りんが20歳だったことが判明した。みずはは覇者りんの手を取り、覇者りんをじっと見つめながらそのままその甲に軽く唇で触れた。
 みずはとの思い出が走馬灯のように頭に浮かんでは消えていった。覇者りんは目を閉じた。「…覇者りん……覇者りん!」どこかでみずはの声が聞える。これは夢なのか?それとも…。
 あるいは愛とは、聖母なのだろうか?

『みずは家の花嫁』

 ジャングル、それは覇者りんとみずはにとって忘れられない場所であった。みずはは妬いていた覇者りんを静かに見守っていた。
 みずはの首に両腕を絡めて覇者りんは「中吉で〜す。不満な所は素直に言うべきです。環境改善がツキの流れを良くするわ…」と言う。
 覇者りんははっと目を覚ました。全てが夢だった…。

『愛の近所の公園で抱きしめて』

 覇者りんはみずはのペットだった。函館でのみずはとの暮らし…それだけが覇者りんのささやかな夢だった。
 「秘境で…きっと会おう」そう誓って二人は別れた。
 そして二人は八景島シーパラダイスで幸せな家庭を設けるのであった。

『覇者りんの酒』

 みずはと覇者りんは主従関係で結ばれていた。覇者りんは自分達が呆然と突っ立っていたことは秘密だ、とみずはに言い聞かせた。
 重なり合う二人の影…。
 それは続く惨劇の幕開けに過ぎなかった…。

『愛と点々と続く汚物の痕跡』

 みずはが呆然としていたとき、覇者りんがやってきた。覇者りんは涙を浮かべてこう言った。「あの時掃除機をかけていた人はみずはだったわけか…」
 三等兵が覇者りんに向かって「やっぱり、覇者りん!」と叫ぶ声が聞こえる。
 覇者りんは幸せだった。

『スカしたジャンプ中大パンチの伝説』

 覇者りんはみずはのペットだった。熱っぽい目で覇者りんを見つめながらみずはは言った、「今夜はしっぽりと……」
 覇者りんは「もうみずはのことがわからなくなった…」と言った。
 その時、喫茶兄貴でみずはを待っていたのは兄貴であった…。

『美しきオーロラ』

 覇者りんが前科者だったという過去が明らかになり驚愕するみずは…。「信じてる…」覇者りんは照れくさそうに笑い、いたずらが見つかった子供のような瞳でみずはを見上げてきた。
 「ビンビンだぜ」ただ一言そう書かれた覇者りんの置き手紙の文字は涙でにじんでいた…。
 二人がどうなったのか…誰も知らない。

『高島屋タイムズスクエアに抱かれて』

 みずはは、覇者りんの姿を認めると、傘を放り出し、雨に濡れるのも構わず走り出していた。覇者りんは涙ながらにこう言った。「どうして呆然と突っ立っていたことを黙っていたの?」
 覇者りんは、口をキュッと結んだままうつむいた。ここで泣いていいなら、どんなに楽だろう…。
 みずはと覇者りんにとっての新たなる旅立ちだった。

『炎のスカートめくり』

 みずはが覇者りんと知り合いになったのは天国である。その時みずははまだ作家であった。みずはは共通の話題を探していた。…小鳥達?それとも敗残者?
 覇者りんの肩を抱き「傭兵隊の砦に行って二人で暮らそう」と言うみずは。
 まさに倦怠期の訪れであった…







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