夜の新宿2丁目は雑多な人種が跋扈する。そしてその中に紛れ込む二人、兄貴とみずははホテル内に入っていった。

「乾杯」

白いバスローブに着替えたみずはがワイングラスを黒ビキニ姿だけの兄貴と合わせる。ベッドの縁に浅く腰掛けて赤ワインを飲むその姿は酷く艶かしい。

「お互い本命がいるのにおかしなもんだな」

「たまには抱かれたくなる夜もあるんだよ。あいつに抱いてくれって言ったって絶対嫌がるだろうし。やっぱり体の相性がいい相手の方がね」

くくっと笑う。

「私がここまで開発したのに今は誰にも抱かれてないってのはお前にとっては珍しいだろ」

「珍しいよ、かなり。ゲイってさ、一度バックをされたらそのまま受けに走る人が多いらしいから。やっぱり前でやるより快感が感じられるんじゃない?」

コトッとワイングラスを置く。ナイトテーブルには2対のワイングラス。そしてラブホテル特有の巨大なベッド。みずはは兄貴に凭れ、そのまま体を下にずらして兄貴の黒ビキニの上からそれを舐め始めた。

「好きものだな」

下着の上を赤い舌がちろちろと舐める。上目遣いで兄貴の反応を見ながら。

「あいつとはこういう事はしないのか?」

「ふふ。ご想像にお任せするよ。あんまりやりすぎると軽蔑されるからね。ほどほどに」

兄貴は枕の側に置いてあるピンクローターをみずはのアヌスに埋めていった。

「うう・・・ん・・・」

「ほんと使ってないんだな」

「はぁ・・・言ったでしょ・・・?最近ご無沙汰なんだって」

みずはがビキニを外してペニスを舐める。じゅるじゅると音を立てて味わっている。兄貴はローターのリモコンを動かしてみずはの反応を楽しんでいる。

「もう腰が動いてるぞ。そんなにチンポが好きか?」

「うん・・・チンポ好きぃ・・・」

熱い吐息を漏らしながら根元までしゃぶっている。

「ほんとエロいな。そこらのAV女優顔負けだぞ」

「俺をここまでしたのは兄貴でしょ?」

長い舌で舐め続けると兄貴がみずはの頭を掴んだ。

「もういい」

「出そう?だとしたら案外早漏だね」

「じゃあお前はローターでいけるのか?」

「まさか。俺のもびんびんで早く出したがってるんだ。こんなのじゃいけないからね」

みずははローターを引っ張って取り出すと兄貴の上に跨った。

「うあ・・・あ・・・」

ずぶずぶと腰を落として体の中に入ってくる。

「上に乗るの好きだよな」

「まぁ・・・ね。この入ってくる瞬間が何とも言えないって感じかな」

みずはは腰を動かして快楽にのめり込んでいる。体液が行き来する音が部屋の中で響く。

「そんな顔されると離すのが惜しくなってきたな」

「はぁ・・・俺は・・・俺のものだよ・・・誰のものでもない・・・誰かのものだとすれば・・・」

兄貴は繋がったまま上体を起こした。そして尖った乳首を噛む。

「私としてる時は私の事だけ考えろ」

「うん・・・そうだね・・・」

ぐちゅぐちゅと結合部分から卑猥な音がする。兄貴はみずはの体を倒すと腰を激しく動かした。

「うあ・・・壊れちゃうよ・・・」

嬌声が響いて。みずはの顔は何処かにトリップしたような顔をしている。口からだらだらと唾液を零して目の焦点も合っていない。

「いいよ・・・もっとして・・・」

「我侭め」

みずははそそり立っている自分自身を扱き出した。

「入れられるのと入れるのどっちが好きなんだ?」

「入れられるのが・・・」

「なら手を離せ」

「うん」

とろけるような顔でなすがままにされている。

「兄貴・・・もう出る・・・」

兄貴はにやりと笑うとみずはのペニスの根元をきつく握った。

「苦しいよ・・・」

「私が出すまで勝手にいくな」

「そんな・・・気が狂っちゃうよ・・・」

「心配するな。もうすぐだ」

腰と腰をぶつける激しい音と艶かしい吐息。やがて兄貴はみずはの中からペニスを抜くとみずはの腹の上に射精した。同時に強い手で握られていた呪縛から逃れたみずはからもいきおいよく精液が迸った。

 

ティッシュで萎れたペニスと精液を拭った後、みずはは疲れた顔で言った。

「もう一回しようか」

「大丈夫か体」

「そんな事言ったって舐められたら勃つんでしょ?」

みずははベッドで横になっている兄貴のペニスを舌で転がす。

「いいから。何があった」

みずはは兄貴の半立ちになっているものを手で弄びながらぽつりと呟いた。

「・・・覇者りんに彼女が出来たんだ」

「そうか」

「俺だけ見ればいいのに。俺だけ感じればいいのに。別の奴のものになるなんて嫌だ」

「私にだって婚約者はいるぞ」

「知ってるよ。それとこれとは別。別に俺、兄貴が好きなわけじゃないもん」

「あれだけ感じておいてよく言う」

「兄貴の体は好きだよ。やっぱ一番感じるし?俺の初めての相手だし。・・・俺が特定の彼女作らない理由も考えた事が無いんだよ、あいつは」

「一番好きだと言ってくれてるなら信じたらどうだ。あいつは基本的にはノンケだからな。男との関係を純粋に楽しめないんだろう」

「気持ちいいのにね。皮バンドあるんでしょ?縛ったままでバックからしてくんない?いいよ、もう。今日はあいつの話は無し。どうせ楽しむならとことん楽しもうよ」

みずはの手によって勃起したペニスをじゅるりと咥え込んだ。

「私があいつならこんな男は愛想つかされても文句言えない気がするがな。どうせ私としているのも知ってるんだろ?」

「浮気公認だし。俺の事なんてどうでもいいと思ってんじゃないの?」

唾液で赤黒くてらてらと光ったペニスをまたしゃぶっている。

「ほんとに好き者だな」

「好き者だもん」

それと唇の間に唾液の糸が伝って隠微な感じがした。

「ほら、手を出せ」

手錠で両手を縛り、みずはの首に黒皮の首輪をしめた。

「今日は奴隷として扱ってやる」

「好きにして・・・忘れさせて・・・何もかも・・・」

首輪からの鎖を引っ張られるままみずはは兄貴の方を向いてそのまま唇を合わせた。恍惚としてるその顔は何も考えてないように見えた。

 

獣達の夜は続く。

 

 

 

<END>

 

 

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