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永遠の日常 ![]() 多寿さんの素敵サイト「多寿の心得」様より素敵カカイル小説を頂きましたv 5月26日。 それは、特別な日。 あなたが生まれてきたことに、感謝する日。 2人そろって休みをとった。 ただでさえ休みが不規則なのだから、と。 こんな日ぐらいは、自分とあなただけの時間にしよう、と。 特別な日にしよう、と。 その日は朝からいい天気で。 暖かくて、穏やかで。 もう、それだけで幸せだった。 イルカ先生の誕生日を祝える。 それだけで、本当に、ほんとうに幸せだった。 2人で散歩に出かけた。 特に目的も決めず、手をつないで歩く。 2人で一緒に過ごす、なんてことない日常。 それが2人には何よりも、かけがえのないものだった。 たまたま通りかかった映画館前で。 「あっ。今日までだったのか。」 と、イルカ先生がつぶやく。 俺は聞き逃さない。 「コレ、見たいんですか?イルカ先生。」 「ええ、実は見に行きたいなってずっと思ってたんですよ。」 イルカ先生は、はにかみながら答えた。 「じゃ、一緒に見ましょ〜よ。」 イルカ先生の望むことなら、何でも叶えてあげたい。 オレは優しく笑いかけた。 「いいんですか?嬉しいです。」 イルカ先生は子どもみたいに目をキラキラさせた。 映画館を後にして、2人手をつないで家へ帰った。 家までの帰り道、イルカ先生は興奮気味に映画の感想を語った。 映画は、地球に隕石が落ち、人類が滅亡するのを阻止する、といった内容のアクション映画だった。 あのシーンは感動しただの、あのセリフが良かっただの。 一生懸命に語るイルカ先生を、可愛いなあと思う。 必死に語るイルカ先生に相槌を打ちながら、ゆっくり歩いた。 あなたが隣にいることが、ただただ幸せで。 あなたを見つめながら、ゆっくり歩いた。 イルカ先生の家で、オレの作った夕飯を食べ、食後のお茶を飲んでいる時。 ふいに思いだしたようにイルカ先生が尋ねた。 「ねぇ、カカシ先生。」 あなたの声はやわらかくて。暖かい。 「ん〜。な〜に?」 思わず甘えた声をだす。 「もし明日、地球が滅んでしまうとしたら、最後の一日、どう過ごしますか?」 「さっきの映画の話ですか〜?」 「ええ。映画見てて思ったんですよ。どう過ごすかなって。」 イルカ先生は興味深そうにオレを見つめた。 「そうですね〜。」 オレは天井の辺りを眺めながら考えた。 「・・・・たぶん・・・・イルカ先生と一緒に、いつもどおり過ごす・・・・かな〜?」 朝は、目が覚めても2人して二度寝して。 抱き合って、まどろむ。 ちょっと目が覚めたら、軽いキスをしたり、肌を寄せ合ったり。 お腹が減ったら、冷蔵庫の中の残り物でチャーハンを作ろう。 そうだ、あの花畑まで散歩に行こう。 一面の菜の花畑。 そこで、転がったり、抱き合ったり。 夕日が沈むのを眺めたり。 夜には、ずっとしまっておいたあの酒をあけよう。 うまいですねって言いながら、2人で呑んで。 気持ち良く酔ったら、2人でベットへもぐりこもう。 融け合うようなキスをして、おやすみなさいを言って。 抱き合って眠ろう。 もう、朝は来ないけれど。 幸せな永遠の日常。 なんて幸せで、それでいてなんて悲しい。 つうーっとオレの目から涙がこぼれた。 イルカ先生がびっくりしている。 でも、止まらない。 「最後の日は、イルカ先生といつもどおり過ごしたい。 だって・・・一緒にいるだけで幸せだから・・・・。 ・・・最後の瞬間も2人でくっついていたい。 ・・・・・でも。 でもねぇ〜・・・・うぅ。 オ、オレはぁ、イルカ先生と一緒に生きていたい。 ずっと、あなたの側で・・・・生きていたいんです。」 涙が止まらない。 オレはぽろぽろと涙を落としながら言った。 しゃっくりあげて、言葉が震える。 すごくカッコが悪い。 ただの想像なのに。 ただの想像だけど。 イルカ先生もオレも消えてしまって、終わってしまう。 そう考えたら、胸がちぎれそうに苦しかった。 涙をこぼすオレをじっと見つめていたイルカ先生は、 ふっと笑い、オレをふわりと抱きしめた。 そして、背中をトントンと優しく撫でた。 しばらくオレを抱きしめてから、ゆっくりと体を離す。 イルカ先生はオレの瞳をじっと見つめ、涙をぬぐってくれた。 「カカシ先生、プロポーズですか?」 力強くにこりと笑いながら。 悲しい気持ちを吹き飛ばすような明るさだった。 オレは、泣きながら少し笑って。 そしてイルカ先生へ贈り物を渡した。 「イルカ先生。コレ・・・プレゼントです。」 小さな箱を差し出す。 「うわぁ。ありがとうございます。何だろう。」 イルカ先生はオレの渡した箱を開けた。 「時計ですか。ちょうど欲しかったんです。」 そう言って、時計を眺めるイルカ先生の手をとって、ぎゅうっと握った。 「イルカ先生に、−−−−−オレをあげます。 オレとの時間を・・・・・。 オレと生きる時間のすべてを、イルカ先生にあげます。」 イルカ先生は息をするのを忘れたみたいだった。 しばらく、じっと動かない。 オレは涙の浮かぶ目で、じっとイルカ先生を見つめた。 は。とイルカ先生は息をした。 そのとたん、イルカ先生の目から涙が落ちた。 きれいなきれいな、涙。 「・・・・ありがとぉございます・・・・。 最高の、サイコーの・・・・贈り物です。」 時計を胸に抱きしめて、顔をくしゃくしゃにして言った。 その日は2人、肌と肌を寄せ合って、まるで暖めあうみたいに眠った。 甘い眠りは、オレ達を優しく包んだ。 あなたとの幸せな日常。 他愛の無いこと。些細なこと。 そんなことを繰り返していく、あなたとの時間。 それが、永遠に続くように。 オレは祈る。あなたが生まれた日に。 永遠に日常が続くようにと。 あなたと居る日々が永遠に続くようにと。 多寿さんからイルカ先生お誕生日記念SSを奪取してまいりましたv ピュアな愛につつまれた二人がすごく好きです。 多寿さんありがとうございました〜vv |