●アスマ先生の真実


カチン!

『かんぱーい!』

今日はアスマ宅にて、カカシ、イルカ、アスマの三人で飲み会です。

「これがいい女とだったらいいんだが、たまの休日だってのに、男(ヤロー)同士でなんで飲まなきゃらなねぇんだろうな…。先週は紅とアンコが押しかけてきたし…。ったく!この里はヒマ人ばっかりか」

「す、すいません…」

「い〜んですよ、そんな腐った根性のヒゲなんか放っておいて楽しく飲みましょう。イルカ先生」

「…まぁ、忍がヒマってのは里が平和な証拠だ。
そう考えると、真昼間から酒宴ってのもなんかいいもんだな…なぁ、イル―――――」

「で、その時秋刀魚が喉から飛び出してきて大騒ぎ」

「へ〜それは大変な任務でしたね」

「おい、カカ―――」

「娘一人だったら良かったものの、父親はウナギを仕込まれてましてねぇ。こっちは喉に手ぇつっこんで引きずり出す羽目になりましたよ〜」

「うわ〜そんなことが…」

「おい!」

ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ






「…あ!アスマ先生、このお酒おいしいです!」

「どこで買ってきたんだよ、オマエのことだから隠れた名店でも知ってるんでしょ。
もったいぶらずに教えてよ」

二人が振り返ると、アスマがいた場所には巨大な熊のぬいぐるみが、いた。


「ァ!アスマァ―――――ッ!!!おまっ!なんだそのおかしなカッコはっ!」

ひーひー腹がよじれる、と言いながらながらばんばんと床を拳で叩くカカシに対して、

「アスマ先生、俺とカカシ先生ばっかりで話ししてたからスネちゃったんですよね?
気づかなくて本当、すいません!すいません、すいません、すいま…」

と言いつつ、おろおろするイルカ。


――――ーバキィ!!!!


熊の突然の拳はカカシを吹き飛ばして、反対の腕でそっとイルカを抱き寄せる。

「え、あ…あの?」

巨大な熊のぬいぐるみはイルカの肩を抱きながら、玄関の方にまで連れて行く。
顔は可愛いが、表情がない分、はっきりいって、恐い。

「アスマッ!オマエ、イルカ先生をどこに連れて行く気だ!」

カカシががばりと起き上がって叫んだ、床にぶつけて赤くした鼻っ柱を抑えながら必死の表情だ。

「…買い物」

「なにを…」

「森のイヤリング…」

無表情な熊の台詞に、腕の中のイルカがぶるぶると震えながら、ひいいいいいいい、と悲鳴をあげた。




















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