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どこから現れたのか、イルカが森で散歩をしていると、カカシが飛び掛ってきた。 「イルカ!イルカ!」 名前を何度も呼んで、イルカの胸に頭をぐりぐりとこすりつけてくる。 まるで動物のマーキングをされているみたいだ。 「なんだよも〜、うざいよ、オマエ」 「あそぼ?」 「やだ」 「だめ?」 「可愛く首をかしげても、駄目!」 「なんで?」 「だって、オマエの"あそぼ"はすげー体力使うし、その、なんか、ヘンな気分がするし… とにかく、ヤダから」 「あそぼ」 「…オマエ、人の話聞いている?」 「あそぼうったら」 「やだ」 「あそぼ〜〜〜〜〜〜」 「やだ――――!!!ぎゃー!どこに手ぇつっこんでんだ! くそっ、こうなったら奥の手だ!」 イルカはこんなこともあろうかと用意していた釣竿をとりだした。 餌は「イチャパラ低学年用」だ。 「イチャパラ!」 カカシはきらきらと目を輝かせて釣り餌に飛び掛る。 「てい!」 しかし、イルカは上手くそれをかわす。 釣り餌に夢中になったカカシを弄ぶかのように左右に振って見せて、そのまま二人で、森の中を走り回る。 とってって〜、二人の足音が重なる。 |