(静寂)
ドラコ:「ああ残念だなぁ、さっきの女の人はなかなか美味しそうだった。でも、僕が本当に好きなのはこどもなんだ。やわらかい肉を、ステーキにして食べたいな。それともシチューがいいかな」
(靴先を鳴らすリズミカルな音)
ドラコ:「うーん、お腹が減ってきた。なんだかテーブルの下からいい匂いがする。まるまる太ったこどもがいるような気がする。眼鏡がきらっと光ったような気がするね」
ハリー:「……やせてるよ。お、おいしくないよ」
ドラコ:「そうかな? こどもは甘いくだもののような味がするから好きなんだ。でもくしゃくしゃの髪だったらだめだ。のどにひっかかってひどいめにあうからね」
ハリー:「ちっとも、と、とかしてないよ」
ドラコ:「ほんとに? でも暗くてよく見えない。嘘をついてるかもしれないね。それから僕は、青い目なんか好きだな。でもみどりの目はだめだ。猫の目みたいで、ちょっと怖いから」
ハリー:「……」
ドラコ:「それにしてもいい匂いがする。もう、なんでもいいから見ないで食べちゃおうかな」
ハリー:(ぺたぺた)「だめだよ。ほら、みどりのめだよ。おいしく、ないから」
ドラコ:「どれどれ? ……ほんとだ。これじゃあ、ちょっと食べる気にならないね。でも、大きな服を着ている。丸々としたこどもの服だ。ほんとうに痩せてるのかな? ちょっと持ち上げてみよう。……本当だ。軽いね。これじゃあ全然足りないね」
ハリー:「ほんとに、こども、たべるの?」
ドラコ:「ときどきね。いじめっこの悪い子なんか、スパイスが効いてていいよ。きみ、こころあたりないかな?」
ハリー:「……ふふ」
ドラコ:「でもとりあえずはなにか、ほかのもので我慢しようか。チキンのフライ、ポークビーンズ、ビーフシチュー。アスパラのキッシュ、ストロベリーのアイス、なんでも。なにが好き?」
ハリー:「おっきい、そーせーじ。ちょこちっぷくっきー」
ドラコ:「そうか。じゃあ、お腹いっぱいになるところに行こう。(声がちいさくなる) ……ところできみの名前は?」
(ザザザ……、プツン)