ブレーズ:「ちーす」
ハーム :「……」
ブレーズ:「よぅ、あいかわらずキレイな足してんね。どう? そろそろオレとつきあわない?」
ハーム :「それ以上近づいたら(ピーーー)わよ」
ブレーズ:「残念。頭の切れるオンナは好きなんだけどな」
ハーム :「あなたの話はどうでもいいのよ。ドラコのことが聞きたいの」
ブレーズ:「本人に訊きなよ」
ハーム :「訊いたけど、なんか、セクハラしているみたいな気分に……」
ブレーズ:「あのヒト、お堅いもんな。それで? なにが知りたいの?」
ハーム :「えーと、(がさがさ) 一番多かった質問が、『初めての相手』……これね」
ブレーズ:「うわ、えらいこと訊くなぁ。言っちゃっていいの?」
ハーム :「ここだけの話にしておくから」
ブレーズ:「えーと、たぶん、オヤジさんの知り合いだと思うよ」
ハーム :「ほほぅ……」
ブレーズ:「ああいう立場の人だから、そりゃ知り合いといったって限りなくいるんだけどさ。でも、そういうツテしかないでしょ? 学生の頃は家と学校を往復しているだけなんだし」
ハーム :「じゃあ、年上か」
ブレーズ:「それなりにね。べつにめずらしいことじゃないよ」
ハーム :「……男の人よね?」
ブレーズ:「あたりまえだろ。ポッターみたいに器用じゃないんだから」
ハーム :「うーん、そうか。あなた会った事ある?」
ブレーズ:「その相手に? ……まあ、顔を見かけたことくらいはね。あんまり評判のいいヤツじゃなかったよ。それを言ったら、イイやつなんているのかってハナシなんだけどさ」
ハーム :「ドラコの好みってイマイチよくわかんないのよねー」
ブレーズ:「わかるだろ。一目瞭然。ヤバイ人間が10人いたら、一番ヤバイのにひっかかるんだ」
ハーム :「ええ? そんなことないでしょ?」
ブレーズ:「そうだって(笑) 噂されているほどは楽しんじゃいないと思うよ。見切りをつけるのがヘタだから、いいように使われるんだ。案外、ポッターだってそうなんじゃないの? そのうちやっぱりオンナの子がいいって正道にもどっても、オレはおどろかないけどね」
ハーム :(しばらく沈黙)「……あなたって、物事をわるく見る天才ね」
ブレーズ:「それ、誉めてくれてるんだろ?」
ハーム :「もーいーわ。どうもありがとう」
ブレーズ:「おいおい、こんなところまで呼びつけたんだから、もうちょっと相手してよ」(勝手にメールの束をめくりはじめたらしい音)
ハーム :「ちょっと!」
ブレーズ:「なになに? 『あの三人にヤラレチャッタんじゃないですよね』か。直球だな。でも、若サマはそこそこ腕っ節は強いんだ。泣き寝入りするようなタイプでもないし、そこまで思い切ったことをしようというヤツは滅多にいなかった。嫌がらせはされてたけどね。『酒がないと付き合えない人種と付き合ってたということは、ちょっと道を踏み外してたんですか』。うーん、この頃はオレもあまりよく知らない。でも、基本的には良家のおぼっちゃま方が多いから、本当の意味で危ないことはしないよ。というより、あんまりつまんなくて酒でも飲むしかなかったんじゃないの? 『ザックは、もしかしてドラコが好きなのでしょうか』。へえ、これはなかなか鋭いなぁ。でも逆でした、残念! 御曹司が趣味なんだよ、あの手のオトコが」
ハーム :「え? だれ?」
ブレーズ:「ルーサーだよ。スリザリンのひとつ上だ」
ハーム :「ああ、知ってる。女の子には人気があったわよ。わたしはあんまりピンと来なかったけど、ハリウッド映画のヒーローになりそうなタイプだった」
ブレーズ:「やっぱりアナタは賢いね。マッチョを気取る男はマザコンと相場は決まってるのにさ。アノひともそういうところはビョーキなんだよなぁ。わかってるハズなのに、よろめいちゃうんだね」
ハーム :「でも、ハリーとは全然タイプがちがうと思うんだけど」
ブレーズ:「外見だけでいえば、ウィーズリーのほうが趣味に近いよ」
ハーム :「え! そうなの!?」
ブレーズ:「そうだよ。アンタらよく揉めてたじゃない? オレは赤毛に気があるんだとばかり思ってた。はじめのうちはね」
ハーム :「……うー、んー……」(ちいさくなる声)
ブレーズ:「年上の学者タイプとか、熱血ヒーローに弱いんだ。自分がちいさかったせいか、アメリカ人のラガーマンみたいな体格に憧れがあるらしいよ。その点でも、ポッターよりは、まだウィーズリーだろ?」
ハーム :「……」
ブレーズ:「あらら、どうしたの? なんかオレ、しゃべりすぎちゃった? まあ、ポッターとつきあっている間は大丈夫だよ。一途なヒトだから。……といっても恋愛に絶対はないけどさ」
ハーム :「あなたと話していると、本当に憂鬱な気持ちになってくるのよ」
ブレーズ:「ほらほら、『2人をやさしく見守っているハーマイオニーが大好きです。よき理解者、相談相手になってくれると嬉しいです』、『ロンとハリーとドラコの3人の面倒をいっぺんに見るハーマイオニーに三三七拍子を』だってさ。見てくれているひとはいるじゃないの。がんばりなさいよ」
ハーム :「もう、帰ってくれる?」(よわよわしく)
ブレーズ:「赤毛とうまく行かなくなったら、声かけてね。きみなら50年後でもオッケーだから」
ハーム :(テーブルに倒れる音)「……ちょっと休憩させて」
そして最後に