竜辱のふたなり皇子
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Acid-Alkali
本文:帽子男(Acid-Alkali)、挿画:シルエットさくら
当作品の無断転載等を禁じます。

龍辱のふたなり皇子・抜粋

辺境の怪物は、夜ともなく昼ともなく、まぐわいと狩と、眠りを繰り返す。

天では太陽は、素知らぬげに蒼穹をわたり、時には叢雲にかくれた。地ではただひたすらに営みが続いていた。雄はねじふせた雌をひきずりまわしては好きな場所で犯し、餌を与えなびかせ、子を宿すそなえをさせる。

「んむ…ぁふっ…あぶ…」

素肌を真赤に染めて、黒髪と金髪、二つの人影がからみあっていた。神殿の梁のように頭上をおおうのは、白いあばら骨。周囲には、裂けたはらわたが散らばって、糞と血のにおいをきつくたちのぼらせている。

ほふったばかりの異形。その真ん中で、レプタルはあぐらをかいて、ひざにのせたリエントに口移しでよくかんだ生肉を食わせいていた。

あたりにはほかに動く影はなかった。屍を好むハゲタカやクルペオ、ハエさえも近づいてくるようすはない。ただ怪物の残骸はゆっくりと腐りゆくだけだった。

「ふぅ…ふぅっ…ゃ…もぉ…たべられな…」

接吻をといてあえぐ双成に、雄は淡々と告げる。

「しっかり精つけとけ。がきのためだ」

「ぼ、くは…子…なんか」

顔をそむけて拒むそぶりをする皇子に、野人は鼻を鳴らすと、相手の貧弱な屹立を指ではじいてみせた。

「きひぃっ!?」

「欲しいんだろ。穴もきつくなったし、さっきからこいつもはねてる」

「ちが、違ぁ…」

「出すぞ。はらめ」

「やらぁ、やらぁ…」

懸命にかぶりをふるが、抵抗はほとんどできていない。龍の化身が広い肩を震わせて子種をそそぎこむと、半陰陽は小水をこぼしながらわななき、絶頂に達しながら命の素を受け止めた。

剛直を引き抜くと、白い滓をこぼしながら、少年は真紅の池につっぷした。かまいつけず、若者は立ち上がって伸びをする。

「へたばんなよ。てめぇもっと強ぇだろうが」

「ひぁ…ぁぐ…」

リエントは涙と洟と涎と怪物の血とで汚れた容貌をもたげるや、未熟な雛菊の下、秘裂のあいだに指をもぐりこませ、精液をかきだそうとした。

「だめ…子なんか…ぜったい…」

「好きにしろ。すぐ次だ」

はやくも肉幹に勢いをとりもどさせ、レプタルはうそぶく。

皇子はわななき、丸みのある尻朶をつかんで広げ、くぼんだ菊座をさらす。かつては排泄しか知らなかったはずのすぼまりは、すっかりゆるみ、腸液にぬめって、短いあいだに前の穴と劣らぬほどよく使い込んだらしかった。

「こっち…またこっちを」

「まあいいけどよ」

あざけりの色を浮かべた若者は、すっかり硬くなった鉾先を括約筋の奥へとわずかの遠慮もせずねじこむ。

「ぉごぉおおっ!?」

「ぁ?てめぇがっ…やれつったんだろ」

言い捨てざま、あいもかわらず好き勝手に抽送をはじめる。結腸のあたりまで届きそうな一撃を加えては、雁首で直腸をけずるようにして引き戻し、粘膜をめくれさせな、臓腑をゆすぶる。

少年はまた失禁しながら、緑の瞳をいっぱいに開き、舌をつきだしてあえぐ。体の下で小ぶりな乳房が揺れて、脂汗がしたたる。

「おながぁ、おなががぁ…」

「うっせぇ」

「ゆっぐり…あぐっ…ぅっ…やざじ…ぐっ…」

「ぁ?なんでっ…俺がっ…やさしくっ、すんだよっ…さっさとっ…いけっ」

華奢な肢体を抱えおこし、自らの重みで根元まで剛直を咥え込むよう強いてから、胸鞠をにぎりつぶすがごとくつかみ、とどめとばかり腰を揺すりあげる。

「ぐひっ…ぁぉおお…おご…」

漏らしぐせと一緒に吐きぐせがついているのか、リエントはさきほど口にしたばかりの肉をあふれさせると、肛姦がもたらす寒けに似た恍惚に、とろけた顔をさらした。

やわらかくつつみこむようなはらわたに、存分に子種を流し込みつつ、レプタルは虜囚のとがったあごを掴み、汚れた唇にふかぶかと接吻をする。

陶然としながら、皇子は野人の漆黒の瞳に魅入った。

「んんっ…んっ…はぁ…こんな…の…おかし…なんで…」

「交尾してんだ、当たり前だろ」

「だって……僕の…体は…いまわ…し」

「ただの体だ。はらむだけのな」

龍の化身は腕をすべらせ、腫れぼったい陰唇の奥に長い指を入れてまた掻き回す。

「ふぎゃぁ!?」

まぬけな悲鳴とともにのけぞった双成の痩躯を、みたび勃ち返った剛直が不浄の穴から攻め立てる。熟しはじめた雌の印から愛液を、ちっぽけな雄の印から尿を飛ばして、少年は何度目になるかも分からない忘我の境を迎えた。

「ったく…ものわかりのわりぃ…やつだなっ」

野人は空いた手で金髪をつかみ、双穴をほじくりながら、はらだたしげに耳にかじりつくと、苦痛と快楽をともどもにそそぎ、皇子の心をさらにけずりつぶしていく。

鮮血と屍肉のしとねの中で、饗宴はいつ果てるともなく続いた。

日の移ろいに合わせて、晴れわたっていた空はかきくもり、大粒の水滴がひとつまたひとつと落ちかかって、二人の赤い化粧を流し去っていく。冷たい風が、うなりをたてて怪物のあばら骨のあいだをかすめてゆく。だがいかなる驟雨も、龍の狂熱を醒ませはしないようだった。

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