Online Game

 混沌の平野Field of ChaosEvilの大軍が現れた時、地平を黒く染める怪物PCの数に、天の日はしばし運行を止め、風のそよぎさえもが絶えた。

 先頭を切る人喰鬼の首領Ogre Leaderが、大木の幹のような太腕を振り降し、攻撃の部隊命令party command:attackを叫ぶや、八方から鬨の声が迸り、虚空に和して、雷鳴の如く大気を震わせる。

 敵陣を目指し、地津波となって驀進する巨躯の群に、一斉に応戦の矢が撃ち込まれた。叢に潜んでいた妖精の射手Elven Sniperによる、遠距離狙撃である。弓弦の音が止むのと同時に、隠れ蓑Hidingを解いた鎖帷子の煌きが草原に広がる。悪に相対する勢力Goodの戦士の登場だ。

 死の雨の接近を認めた人喰鬼の首領が、最前線の味方十数匹に手を翳すと、ごつい指に嵌った魔導師の指輪Wizardly Ringから閃光が迸って、配下の小屋のような体躯を次々と石化petrifyさせていく。

 初めから魔法への抵抗力Magic Resistが低い怪物達は、頭目の呪文を受けて大人しく玄武岩の塊に変ると、降り注ぐ鋭箭を弾く楯となった。折角必中hit効果を付加した妖精の武器も、石の像には効果が薄い。予想外の策略に、善の兵達は一寸戸惑いを見せた。

 隙を突いて人喰い鬼の指輪が再び輝くと、石化は解呪され、部隊は再びじりじりと前進を開始し、ついに双方の間合いは数間を隔てるばかりとなった。慌てた妖精達が飛道具を接近戦direct combat用の武器に持ち替える間、少しでも時を稼ごうと、後方の方術士Sorcererが攻撃呪文を詠唱する。かくてはならじと、筋骨隆々たる悪の切込隊長は猪首を蠕動させ、発動を阻止すべく咆哮demons roarを放った。数匹の人喰鬼がこれに声を合わせ、善の陣営の広範囲に麻痺paralysis恐慌depressionを巻き起こす。

 残りの鬼共は妖精達へ襲い掛かった。魂を持たぬNPC殺戮者達は、命乞いをする敵さえ纏めて叩き殺しながら、瞬く間に主力を潰走させる。

 人喰鬼の首領は愛用の棍棒Club AT+3を振り回しながら、次々に善の戦士達の首を跳ね飛ばしていった。乱暴なようでいて、正確に急所だけを狙った攻撃は、熟練の腕前を窺わせる。圧倒的な力の差に妖精達の多くは早くも生き残りを諦めた様子で、成る丈派手な死に方をしようと足掻いたり、所構わず敵へと話し掛けたりといった按配だった。

"Hey? Oogie Boogie? I didn't know you've joined today's group game...Ohh, t'was unlucky for us...Hey, wait! beffore you kill this chara, please allow me to take SS of you and me..."

 母語が何語なのか解らないが、敗残の妖精が一人、拙い英語で人喰い鬼の首領へ会話を試みる。だがOogie Boogieと名指されても、偉大な勝者はつれない態度だった。気の毒な弓使いは答えを貰うより先に、別の人喰鬼によって首をへし折られしまう。

 稲妻のような迅さで掃討を済ませた攻撃部隊は、再び密集隊形をとると、今度は両翼を固める人間の騎士団Human Knights小人の戦士団Dwarf Warriorsへ刃を向け、浮き足立った善の各部隊を次々打ち倒し、総崩れにした。しかし、有名な悪側の英雄に出会って興奮した彼等は、逃げるどころか、何とか気を惹こうと交渉の合図を送ったり、勝てもしない一騎打ちを挑んでは、かなり満足そうに死亡していく。

 破壊の嵐が過ぎ、あらかた趨勢が決すると、装備品漁りの雑兵や、厭らしい虐め屋共が戦場を侵し始めた。Oogie Boogie達人喰鬼部隊の周りで、敵の屍から貴重な鎧や剣を剥ぐ者、深手を負った相手を見つけては善悪も関係無しに殺して回る者、呪文や技の練習を始める者がひきも切らさない。最近参加者が増えて過熱気味の戦闘の中、下品な連中もとみに増えたようだ。

 とまれ、悪の陣営が勝利を得たのは久振りで、生き残りの間には陽気な会話が華咲いた。肌も露な黒妖精の戦士Dark Elf Warrior人間の堕落僧侶Human Corrupt priestが甲冑の騎士の屍に腰掛け、週末の予定について談笑するかと思えば、傍らでは小鬼の盗賊Goblin Thiefが数匹、ほぼ無傷で死んだ善の女司祭Human Priestessを玩具にしている。

 多くの者が、主役となったOogie Boogieに言葉を掛けたくてうずうずしていたのだが、伝説的な人喰鬼の首領が殆ど歓談には応じないと聞いていたので、仕方なく遠慮していた。案の定Oogieは、戦闘が終ってしまうと誰とも口を利かず、退屈そうに座り込んでいた。やがてふと顔を上げた彼は、一角でまだ争いが続いているのを認め、配下を待機に設定したまま単独で其方へ向った。

 黒妖精の一部隊が、人間の騎士二人を取り囲んで罵声を浴びせ掛けている。善の残党を捕え、敢えて遠巻きにしながら、裏街道筋特有の俗語で卑猥な侮辱を浴びせかけている。耐えられなくなった敵が自ら魂を断つのを待っているらしい。世界の理に従うなら、戦場での自決は不名誉な行為で、魂の転生にも大きな影響を齎す事になる。極めて

 なぶりものにされている騎士はどちらも白銀縅の鎧をつけ、両手持ちの長剣を手に背を合わせている。得物は使い捨てではない、どうやら連勝続きの自軍の勢いを過信して、秘蔵の品々を持ち込んだのだろう。死ぬのは大きな損失に違いない。中々落ちない。そうと解っていて黒妖精達も余計囃し立てている。

 Oogieはぐいと野次馬を押しのけると、騎士の正面に立った。不名誉を覚悟していた二人は感謝するように剣を立てたが、雲行きが妖しいと見て取った黒妖精達は、柄の悪い態度で獲物の横取りに抗議した。

"Ah,,,Mr Macho? they are OUR game. So, you would get out of here, and return to your fan to be cheered them. "

"Before you get trouble."

"Yeh."

 古豪の名声をものともせぬ不遜な態度が受けたのか、死体漁りを専らにするちんぴらの間にしばし、金狼の如きせせら笑いが広がる。

 だがハンドボール程もある瞳が辺りをじろりとねめつけ、血塗れの棍棒がゆっくり振り回されると、忽ち場は、きまずい沈黙に包まれた。旗色が良くないと悟った雑魚共は、挑発の素振りを引っ込め、すごすごと退散せざるを得なかった。

 人喰い鬼の三日月型に裂けた口元から、いつでも相手になるぞという低い台詞が零れ出る。

"I've not fought enough today...Do you satisfy me?"

 勿論挑戦を受けて立つ者など居ない。Oogieは頷くと、騎士達に向き直り、問い掛けた。

"You can choose two ways, One is to combat me and try to beat me. On this way, you'll be released, when you win."

 手合せして勝てば解放してやる。簡単な取引だ。

"By Another way, you can log-out now, lose all, and, receive a penalty."

"I'll beat you! fatty! that's the way I choose!"

"OK, come on boys. But both of you should fight at once, or will be dead soon."

 雑な英語で売り言葉に買い言葉を済ませるや、騎士二人は同時に左右から斬り掛かって来た。神速の太刀捌きに、場にいた全員が目を奪われる。黒妖精達はとんでもない強者をからかっていたらしい。Oogieの到着が後少し遅ければ死んでいたのは彼等の方だった。

 決闘相手も、並々ならぬ戦士と知れ、瞬時に注意が集まる。すぐ観客の誰かが、白騎士二人の素性を調べ出した。肩当についた紋章から"White Unicorn Knights"という善の強豪部隊の所属と知れ、更に彼等が、売り出し中の新鋭"Thunder Bros"だと解った。Oogie程ではないにしろ、各地で名が知られている。

 いずれも近接戦闘の専門家だ。一方Oogieは確かに優秀な野戦指揮官だが、果たして一対一(正確には二対一)の決闘でどこまでやれるかは未知数である。俄然見守る人数も増えてくる。開始15秒以内に200人。25秒以内に1600人。1分後には口コミで4000人が、果し合いの成行きに固唾を飲んでいた。こうなっては黒妖精達にも迂闊な真似ができない。

 数多の敵の血を吸ってきた棍棒が、裂帛の双撃を受け止めた。巌のように不動の姿勢を取るOogie、果敢なThunder Brosは刃を押し、棍棒ごと真っ二つにせんものと力を篭める。鉄の切れ味に負け、樫材が分断される。と人喰い鬼は武器を放り出し、いきなり敵の片方に肩からぶつかっていった。体重の載ったぶちかましを受け、甲冑姿は紙人形のように宙を舞う。鬼はさらに勢いに任せ、もう一人にも猿臂を伸ばす。

 だがこちらは冷静で、敏捷な動作で手を掻い潜ると、怪物の太腕へ刃を突き立てた。反撃を負った人喰鬼が動きを鈍らせるのを見て、跳ね飛ばされた片割れが素早く起き上がり、怪物の分厚い胸板めがけて鋭い逆袈裟を見舞った。もう駄目だと、多くの崇拝者が結末にがっかりした時、恐ろしい叫びが、勝負の流れを再び変える。

 なんとOogieは腕を刺した相手の顔の正面で、あの麻痺と恐慌を起こす咆哮を放ったのだ。不用意に接近し、得物をしっかりと敵の肉へ食い込ませていては、避けるのは不可能で、騎士はぐらっとよろめいたっきり、動けなくなる。もう一人の方も、少なからず衝撃を受けたらしく、死の軌道を描いたはずの剣は、意志を失って虚空へ逸れた。

 Oogieは地に落ちた棍棒を、ふらつく騎士の無防備な腹へ蹴り込むと、もう一人の首を掴み取り、あっさり捻り折って止めを差す。最後まで奇想天外な戦いをし通した主役に、一同は改めて賛嘆すると共に、次回の対戦で大いに参考にしようと今の映像を記録した。

 崩れ落ちる二つの躯。だが少なくとも彼等は戦士としての名誉を守れた。Oogieは面白くも無さそうに肩を竦めると、自我を持たない配下達を呼び集め、歓喜の坩堝を足早に去っていった。戦いが終ってしまえば後の栄誉など退屈でしかないということか。

 善も悪も、その背に畏怖に近い感情を抱いて、無言で見送った。


 悪の英雄Oogie Boogieは本名を新島おうぎといい、東京近郊の小都市に済む義務教育期間中の学生である。彼は仮想世界から帰還すると、接続用の兜head mount displayを脱いで膝に置き、少し眠たげな目を擦って、白靴下を履いた足の親指でPCの電源を落した。

「オーギちゃーん。ごはんできたよー」

 1階から母親の声がする。机の置時計を見ると丁度午後6時半だ。ちゃんと時間どおりに戻ってこれた事に満足して、椅子から飛び降り、兜をきちんと仕舞って鍵を掛ける。

「今行くー」

 のんびり答えて、下へ向う。階段を降りる前に一度だけ、部屋の方を振向くと、にこっと笑ってそのまま駆け足になった。扉にはOOGIE、とアルファベットの表札が揺れ、下に大きなポスターが貼り付けてあった。映っていた緑のずた袋で出来た人形、即ちティム・バートンの児童アニメ「Nightmare before Christmas」の登場人物、大鬼Oogie Boogie。

 扇が階段を降りると、エプロン姿の母親が大皿に麻婆茄子を盛り付けている所だった。

「マーボーナスだね!」

「そうよ、久し振りに帰ってきたんだもん。一人で淋しくなかった?」

「平気だよ、ずっとゲームしてたから」

「勉強は?」

「ちゃんとやってるよー」

 成績の良い息子を余り心配していない彼女は笑顔で頷くと、椅子を引いて扇に席へ就くよう促した。茶碗と味噌汁椀を数えた息子は、ちょっとへの字顔を作る。

「パパは?」

「遅くなるって」

「折角ママの仕事が早く終ったのに」

「タイミングが合わないのは仕方ないでしょう、さ、冷めない家に食べちゃって」

 箸を掴んでもぐもぐと好物を頬張り始める姿には、あの凶暴な人喰鬼の面影は無い。母は料理に舌鼓を打つ子供の様子に目を細め、それからちょっと表情を暗くした。

「ねぇオーギちゃん」

「ムグ?」

「もしかしたら、オーギちゃんまたしばらく田舎のお祖父ちゃん家に行って貰うかも」

「えー、お父さんの会社が潰れそうだから?」

「どうして知ってるの?」

 声を高める相手を上目遣いに窺って、扇は味噌汁を啜った。

「会社のIR情報と東証で見た」

「インターネット?ませた子ね。見ても解らないでしょう」

「でも調子悪そうだったから…」

 眉間に皺を寄せていた彼女は、肩を竦めて苦笑した。

「オーギちゃんになら、私達が両方失業しても養って貰えそうね」

「えー、無理だよ。僕お金なんて持ってないよ。でもお祖父ちゃんの家に行くのはいいよ」

「ふふ、ありがと、ほっとしたわ。さ、食べちゃって」

 夕餉の後、親子は並んで洗い物をし、お風呂を済ませた。息子は湯冷めしないように半纏を着て2階へ上がり、母はビールを片手にテレビをつけ、亭主の帰りを待つ体勢を整える。

 扇はいつも寝る前にメールボックスをチェックする。仮想世界の運営会社から、パッチ製作に協力してくれだの、新しいNPC Creatureの行動モデルを設計してくれだの、無茶な頼みが来ていた場合、悪の英雄たるOogie Boogieとしては、即刻協力せざる得ないからだ。

 だが、運営会社のメールは一通もなく、代りにthunder@wuk.orgというアドレスから1件だけ届いていた。

 "Be careful, they'll catch you."

 内容はたった一行。アドレスを公開していないのに、どうしてこんなメールが届いたのだろう。学校のアカウントに送られたものではない。運営会社の内部でアドレスが漏れたのか、それとも開発部のSteeve Donnelか Chan Leeあたりの悪戯だろうか。面白半分にトロイの木馬を送りつけるような連中なので、ありそうな話だった。

 しばらく悩んだが、結局おふざけだろうと判断して、蒲団に入る。寝つきの良い扇は、その夜の夢の中でもう一度3mの巨人に変り、並み居る敵をこてんぱんにやっつけていた。


 仮想世界での華々しい戦闘から一週間後。扇は週末の持ち帰り品で重くなったランドセルを背に、いつもの高架線下の抜け道を通って家へ向っていた。心はもう、部下の人喰鬼の消耗をどうやって補充しようかとか、面白い特徴をもった飛行系Creatureのデザインを運営会社に提案してみようとか、色々な物思いで一杯だった。

 だから線路の影を潜った当りで、彼はやっと前方に居る若者達に気付いた。ピアス、脱色した髪、がらがら蛇の尾のように鳴る鎖の装具。何人かは黒いスポーツバッグを手にしている。仲間同士笑い合い、こちらを見ている様はいかにも胡乱だった。

 不良だ。

 扇はくるっと来た道を引き返した。最近五年生や六年生がカツアゲげされた話を聞いている。一気に浮ついた夢想から醒める。現実の自分は140cmに満たないのだ。危険には近付かないのが鉄則だった。この抜け道は人気が無くて気に入っていたのだが、溜まり場になるならもう使えない。

「おーぎー君」

 いきなり若者の一人が声を掛ける。気味の悪い猫撫で声に、うっと気分が悪くなる。

「新島扇くんだよねぇ?」

「そうそう、Oogie Boogieの旦那でしょ」

「あれれ、何で行っちゃうの。話聞いてよ」

 首筋が総毛だつ。何故知っているんだろう。仮想世界ではプロバイダ名は表示されないし、一度だって他人に個人情報を漏らした覚えは無いのに。

「行くなっつってんだろチビ」

 ひゅっと、風を切る音がして、足元に何かが刺さった。狩猟用のダーツだ。振向くと、一人がボウガンを構えて笑っている。他の何人かはスポーツバッグから、スタンガンや警棒、ナイフなど、一昔前の不良の定番武器を取り出していた。

「ちゃらりらー、Hunterが現れたー」

「ヒャヒャ、古いよお前。Oogie Boogie、テメェ次動くとまじで撃つカンナ」

「はーい、目標確保しましたー、狩の始まりでーす」

 携帯電話を掛けている奴も居るようだ。凍りついた扇の方へボウガンを構えた若者が歩み寄りながら、嗜虐の笑みをさらに広げる。

「ビビッた?よっえー。お前さ?まじOogie?まぁメルマガにはそう書いてあったけどガキな?」

「な、何言ってるんですか?」

 何とか空とぼけようとしたが、出てきたのは情けなくなるほど裏返った声だった。相手は目付きを鋭くすると、ボウガンを軽く横に動かして、仲間を呼び寄せる。合計十人前後のチンピラが集まり、ゆっくりと輪を狭めてきた。

「誤魔化してもムダだぜ。Electronのサーバ・クラックされて、登録情報が.swのU.G.サイトから出回ってんだよ」

「3年前からやってから最初信じらんなかったけどよ。会社とつるんでんだって?可愛い顔して凄いでチュね」

「まぁ今日は日本の有志の皆さんで、クソOogie君をリアルにお仕置きする訳」

「始めますか?他の人揃ってないけど」

「カメラ回ってる?OK、じゃ行きます」

 いきなり、首筋に激痛が走った。脚から力が抜け、半ズボンから剥き出しの膝が砂利道の上に落ちる。スタンガンを手にした男がげらげら笑っている。

 腕をつかまれ、乱暴に引き摺り上げられる。目の前に、デジタル・カメラが数台、冷たいレンズを向けていた。

「はい、いい表情でチュね。どうする、これから」

「くそOogieにはgoodもevilもムカつき捲っていると思うので、容赦なくやっちゃいましょう」

 再びスタンガンが押し当てられる。今度は首だけではなく、脚や肩、脇腹などに3個、4個同時だった。小さな肢体が痙攣し、絹を裂くような悲鳴が高架線に跳ね返る。折りしも線路を電車が走り抜け、叫びと鉄橋の軋みが折り重なって歪な交響曲を奏でた。

 神経に多量の電流を流された扇は、だらしなく失禁しながら、洟や涙を溢れさせ、壊れた機巧人形のように幾度も背を反り返らせる。その間にもナイフは周囲を踊り、ランドセルの肩ベルトを切り刻み、シャツを縦に裂いて、薄く脂肪の乗った肌に細い切り傷をつけた。

「汚ぇな、もう4年生だろ?漏らすなよ」

「ヒャヒャ、マジで?無敵のOogie様がおしっこ出しちゃったんだ」

「ズボン脱げ。臭え」

 チンピラ達には憐れみというものは無いようだった。ランドセルを奪い取ると、そのままどんと前に突き出す。つんのめる少年の足元へ、またボウガンの矢が刺さった。

「脱げ」

「脱ーげ、脱ーげ、脱ーげ」

 卑猥な大合唱が起こる。ぶるぶると震えながら、華奢な手がゆっくりとズボンにかかり、ボタンを外して、降ろしていく。足元に一枚目の覆いが落ちると、横から差し込まれたナイフが素早くトランクスのゴムを切り落した。扇は慌てて滑り落ちそうになる二枚目の薄布を抑えようとするが、横合いから節くれだった指が伸びて押さえ込む。未成熟の下半身が裸にされると、熱い視線が秘所に絡みついた。

「うわっ、まじちっちゃ」

「ばっか、お前も昔はあのサイズだって」

「そうそう可哀相だよ。ほーけいでもしょうがないジャンな」

「えーと、次は、はいシコって」

 自慰をしろという意味だ。経験すらない扇が泣きながら俯くと、頬をナイフの刃が撫ぜた。手が無理矢理股間へ押し付けられる。

「言う通りにしないと殺すよ?」

「大人しくシコれ?はい、シコれ、シコれ」

「シコれ、シコれ、シコれ」

 先程より大きな叫びに、少年は吐気を抑えながら、小便臭い器官を掴み、覚束ない指使いで擦り始める。周囲の笑いは益々高まった。何人かは荒い息をついている。

「こいつまじで男なんすよね…」

「あ?見りゃ解るだろ」

「っつか女みたいじゃないですか」

「この年だと男も女もそんな違わねーよ。ナニがついてるかどうかだけだろ?」

 ぶつぶつと呟きながら、言い出した方は引き下がる。しばらく一同は幼い獲物の痴態を鑑賞していたが、いつまで経っても勃起の徴候すら見られないので、やがて痺れを切らしてしまった。

「つまんね。殺っちゃおーぜもう」

「まだ皆来て無いじゃん」

「じゃぁ犯っちゃうのは?」

「はぁ?お前ホモ?」

 ノーマルな仲間にそう遮られ、さっきと同じ男が口を噤んだ。こいつホモなんんじゃねぇの、という冷たい視線が集まる中、一部は「惜しい」「もうちょっと主張しろよ」と胸の内で呟きつつ、涎を垂らして少年の尻を見詰めていた。ボウガンの青年はうんざりした様子で場を仕切る。

「あー、扇くん。君の粗チンみててもしょうがないんで。そろそろいいっす」

「解体プレイ行きますか」

「ちょっと痛いけど我慢してね。すぐは終らないけど」

 チンピラの顔が血に飢えた悦びに染まる。酷薄極る表情に、扇はもう、助かる術が無いと知って、へたへたと座り込んだ。すりむけた膝に涙が止め処なく落ちる。地面に落ちた白い尻に砂利の粒が食い込む様や、細い肩甲骨が寒風に震える姿は、陵辱者たちの欲情を余計に煽った。

「ママァって泣いてみ?」

「そうそう。助けに来てくれるかもよ」

 ミリタリーファッションの青年が、スポーツバッグから、肉厚のグルカナイフを取り出し、迷彩柄の長ズボンで刀身を拭ってから、そっと冷たい金属のおもてに舌を這わせた。幾たりかは羨ましそうに刃を見詰める。

「ひょー、切れそうですね」

「うむ、今宵の斬鉄剣は血に飢えておる」

 筋肉はスポーツマン風に鍛えあげられているが、根がオタクなのだろう。アニメの物真似をしながら近付いてくる。頭上をまた列車が通過し、鋼鉄の唸りが辺りに轟き渡った。


「ギャーッ」

 時代劇そっくりの血飛沫と断末魔を上げて、ごろごろと人の体が地面を転がる。すぐに悲鳴は数を増し、それこそ殺陣のような様相へと場を転じていった。

 死を覚悟していた扇がびくっと頭を上げると、視界の隅でチンピラ達が誰かと争っている。見る間に間また一人が顔を抑え、鼻から血を滴らせて身をくの字に折った。

 双つの影が、飛燕のように明暗の狭間を行き交っている。黄金に染めた髪が日に燃えて揺らぎ、鋭い瞳が光を放つ度、武器を構えた男共が次々に叩きのめされていく。

 新たに登場した人物の内、一人は少年で、扇と同い年位に見えた。ジーンズにジャケットというラフな格好が、返り血を浴びて凄惨な様を呈している。もう一人は若い女性だ。この寒い中、大きな胸や張り出した腰を惜しげもなく露出し、無邪気に笑いつつ、男達の目玉を抉り出し、耳を引き千切って踊っている。

 味方が血達磨にされていく様子に、ボウガンの青年は慌てて携帯電話を掴んだ。だが通話に入る前に、女の羚鹿のような肢に股間を思い切り蹴り上げられ、悶絶しながら崩れ落ちる。

 陵辱者の群が全滅するまで、五分も掛からなかったろう。血染めの少年は、地面に転がる一人一人の腹を容赦なく何度も蹴りつけ、完全に動かなくなるのを確認してから、扇の方を向いた。

「こんにちわ、Oogie」

 挨拶をされても、扇としては恐ろしいだけだ。前を隠すのも忘れて後退る。金髪に染めた少年は相手のあられもない姿に頬を染め、つと目を背けた。

「あなたは怖がるべきではない。服装の心配をするべきである」

 イントネーションがおかしい。話し方も少しぎこちない。はっきりは分らないが、何かが、ほんの少しずれているような印象を受けた。いつの間にか女の方も隣に戻ってきたが、此方にはさらに違和感がある。

姉と弟なのか、切れ長の瞳や通った鼻梁などが良く似通っていた。彼女はじっと熱っぽい視線で、扇の曲線を帯びた腰や首筋を眺め、ぼそぼそと連れの耳に囁いた。金髪の少年は一層のぼせた様子で、渋々頷いてまた口を開いた。

「俺の母は、Oogieが裸でいると性的に我慢ができないといっている。服を着ろ」

 母?親子なんだろうか。それにしては年が近過ぎるような気がする。扇は混乱しながらも、取りあえず衣服を探した。だが着れるものなど見付からない。僅かな布切れで乳房と腰を覆っているだけの女や、血で汚れたジャケットを纏う少年は服を貸すこともできない。

「それならば、そのままでいいから、話を聞け。俺達はThunder Brosだ。White Unicorn Knights、つまりWUKのメンバーである」

 Thunder Brosというのは、確かこの前の戦闘で決闘した善の騎士だった筈だ。そういえばWUKドメインのメールを貰ったのも思い出した。彼等が警告してくれたのだ。状況が飲み込めてきた扇は、ようやく安堵の息をついた。

「俺の本名はパク・イルファン。こちらは母のパク・ジヒョンだ。それで…」

 イルファンと名乗った少年は、舌なめずりをした母が相手に飛び掛ろうとしているのに気付き、慌てて抑え込んだ。危険を察知した扇はきゅっと脚を狭めて身を守る。安心するのは早過ぎたろうか。

 親子は二人してなにやら言い争っていたが、やがて息子の方が振向いて溜息を吐いた。

「母がいうには、母がお前を救ったのだから、お前を所有する権利があるそうだ」

 言われている意味が解らず、きょとんとした表情を見せる扇に、イルファンは罪悪感を掻き立てられた様子で顔を背けた。

「勘違いしないで欲しい。俺達はお前を助けに来たのではなく、ゲームの仕返しに来たのだ。獲物を横取りされそうだから戦っただけだ」

 先程まで殺される寸前だった少年は、またさっと青褪めた。周りに転がる半死体の群を見回して、がちがちと顎を鳴らす。パク達も結局こいつらと同じ目的だというのか。

「僕…僕やだ…死にたくない…」

「お前は二つの選択肢を持つことができる」

 淡々とした口調でイルファンは先を続けた。

「一つの選択肢は、俺達二人と戦う道だ。勝てば解放してやる。ただし、母と俺は拳道の有段者だ」

 少し口篭もると、イルファンは、自分よりずっと頼りなげな裸身に視線を注いだ。とても喧嘩など出来そうもない。彼は相変らず頬を赤らめたまま、どこか遠くを見るような目付きになった。

「もう一つは、この前の決闘に関して俺達に謝罪し、二度とOogieの名前でゲームにログインしないことだ」

 扇はそれを聞いて、しくしくと泣き出した。

「いいよ、言う事聞くよ…僕もうやだ…」

「泣くな!俺は、Oogie Boogieの強さに憧れていたのだ。俺を失望させるべきではない」

「だ、だって、あれはゲームでしょ…どうして…こんなの…変だよ…」

「ただのゲームではない。母も俺もとても真剣に受け止めている。多くのプレイヤーがあれを第二の現実として認識しているし…」

 相手の小さなくしゃみが、夢中になったイルファンに水を差した。小刻みに震える四肢と、歯の根の合わない顎。いよいよ風邪を引きかけた扇は、縋るようにイルファンを見る。

「僕、死にたくない。殺さないで…」

「殺したりなんかしない!何を言っている。俺達はただあの勝負に納得できなかっただけで…」

 しどろもどろになる息子に向って目配せしたジヒョンが、不意に動き出すと、扇の冷え切った肌を抱き締めて温もりを与えた。彼女とて裸に近い格好なのに、まるで火のような熱さで、心底怯え切っていた少年は、思わずぎゅぅと抱き返してしまう。

 置いてけぼりを食ったイルファンは、かっと抜け駆けを非難した。だが母は聞かぬふりをしながら、あっさり手に入れた獲物の唇へ舌を差し込んで、思う様貪る。

 金髪の少年はむっとしていたが、やがて諦め、地面に散らばった服の切端や荷物を集めると、まずは此処から離れようと合図する。ジヒョンは頷いて、裸の扇を抱き上げ、素早い動作で後に続いた。残されたチンピラ達は未だピクリとも動かない。下手をすると死んでいるのかもしれないが、生憎その場では彼等に同情を抱くものはいなかった。

 喧嘩のあった高架線下から遠からぬ所に白いバンが停めてあった。華奢な身体を後部座席に運び込むと、ジヒョンは運転席に回ってエンジンを入れる。イルファンは心ならずも拉致することになった少年を眺め、そっと額に手を触れた。

 高熱に触れてびくっと手を引く。慌てた彼は自国の言葉で訴えた。

『母さん、凄い熱だ』

『馬鹿ね。イルファンが裸で放っておくからよ。襲われたショックもあるでしょうけど』

『俺は道理に則って説明していただけだ』

『そんなの必要ないわ。欲しければ抱いてしまえばいいのに。まどろっこしい子ね』

『俺はそんなんじゃないと言ってるだろ。ただ…』

『一年も伝説のOogie Boogieを追っかけてたんでしょ。その挙句に同い年だって知って…あーあ私だって、愛しい息子の想い人でなければ、とっくに自分が物にしてるのに』

『違うったら』

『じゃぁやっぱり私が貰うわね』

 イルファンはかっとなって震える扇の身体を抱き締めた。

「殺さないで…殺さないで…」

 うわごとのように繰り返す少年の唇を唇で塞いで、やわやわと肩や背中を揉み解す。現実のOogie Boogieの余りのか弱さに、もう怒りも憎しみも残っていなかった。

「殺さない。大丈夫だ。俺がお前の敵を打倒した。もう大丈夫だと言っている」

「僕、もうゲームしない…しないから…許して」

「そんなこと言うな…つまり…お前の敵はWUKが排除する…そうだ…俺たちの組織は大きい。…だから…そうだ……お前はずっとOogie Boogieで居ていい…それが正しい…」

 扇はまだショック状態で、初めて会った外国の少年の、血の匂いのするジャケットにしがみ付いたまま離れようとしない。イルファンは蕩けそうになる脳に必死で理性を注ぎ込み、汗の匂いのする髪をくしゃくしゃっと撫でた。

「家に送ってやろう。住所も知ってる」

 ぶんぶんと首が振られる。戸惑ったイルファンは、また母に向って話し掛けた。

『家に帰りたくないって』

『待伏せが怖いんでしょ。家に人がいないのね。賢い子だわ…』

『どうすれば良い?』

『そうね、ホテルに連れて行きましょう。その代り、私が手を出しても今度は止めちゃ駄目よ』


 バンは街で一番大きなホテルの地下駐車場に入った。車内で着替えたパク親子は、扇を連れて部屋へ向った。黙り込んだ少年はイルファンの手を強く握ったまま、ひっつくようにしてついて行く。抵抗されないのは楽なのだが、なんとも釈然としなかった。

 部屋は最上階のスイートで、それなり、といったインテリアだった。室内に入るとジヒョンは早速服を脱ぎ捨て、無抵抗の扇からズボンとシャツを剥ぎ取った。

『Let's take shower, Oogie Boogie』

 キスをしながら抱き上げ、バスルームへ入る。イルファンは色々自分に言い訳しながら服を脱ぎ、母の後に続いた。切れ長の目が皮肉っぽく見返えす。

『あらイルファン、久し振りじゃない、一緒にシャワーを浴びてくれるなんて』

『Oogieは風邪を引きかけてる。母さんが無茶をしたら死んでしまう』

『大丈夫よ、男の子の身体って、意外と丈夫なんだもの、ほら』

 小さく反り返った陰茎を掴んで、優しく扱いて見せながら、ジヒョンは悪戯っぽく笑う。先程の凶暴さはすっかりなりを潜めている。扇はといえば、すっかり混乱した様子で、イルファンに向って助けを求めるように手を差し伸ばしていた。その指に女の指が絡み、意地悪く少年同士を引き離しながら愛撫を続ける。

『母さん!』

『妬ける?ね、お湯を出してよ。私も冷えてきちゃうわ』

 苦虫を噛み潰した表情で、イルファンが蛇口を捻る。熱い迸りを背に受けて歓声を零しつつ、ジヒョンは艶かしく身をくねらせ、扇の手足に絡みついた。

『親子で趣味は似るものね。初対面で悪いけど、全部貰うわ。どうせネット・パンク共に殺される所を救ったんだから、罰は当らないわよね』

 ルージュも引いていないのに、彼女の唇は毒々しいほど赤かった。耳元に寄せ甘く吐息すれば、大抵の男はころっと落ちてしまうだろう。

『I'm sorry, but I want to enslave you, and fuck your mouth, your dick, your ass, your nipples and your heart.』

 息子の前で、息子が惚れた少年を犯す。その快感に酔いながら、言葉どおり指で尻を割り広げ、乳首を抓み取り、耳朶を噛む。生まれて初めて受ける性感への刺激に、扇ははじめ狂ったようにもがいたが、スタンガンで出来た火傷を乱暴に擦られると、恐怖がぶり返したのか、すすり泣ながらも抵抗を止めた。

 ジヒョンは少年の白い首や柔らかな頬に、容赦なく歯型や爪痕を刻んでいく。続いて胸、腹、腰を、びっしり痣で埋め、最後にお尻や内股には思い切り歯を立て、肉を食い千切らんばかりに引っ張る。あのチンピラ達とどちらが残酷なのか解らない。

 腰の抜けた扇を壁に押し付けたまま、女の艶めいた唇は幼茎を咥え込み、指で肛孔を弄くりながら絶頂へ導いた。まだ精通を迎えていない未熟な身体に幾度も気をやらせながら、飽きるまで口淫に耽る。

 イルファンはむっつりしたまま、母の引き締まった尻と、扇の虚な眼を交互に見ていたが、最後に堪え切れなくなって言った。

『母さん。Oogieが壊れる!』

『あは…ごめんごめん。 Are you alright Oogie?』

 何がAlrightなものか、タイルの床に崩れた扇の身体は、骨を抜き取られでもしたかのように、ぐんなりしている。ジヒョンは薄く笑うと、少年の臀部を押し上げて、息子に差し出した。

『本番よイルファン。二人でevilの大物を攻略しましょ?今度は負ける心配ないわよ』

『俺は…こんなことがしたかった訳じゃ…』

『するの?しないの?最後のチャンスよ。私だけで貰ってもいいんだから』

 脳裏を、扇の不安そうな表情が掠める。イルファンは唾を飲み込むと、柔らかそうな尻肉へ若い竿を押し当てた。母がよく解しておいた括約筋は、さしたる抵抗もせず彼を受け入れる。ジヒョンは満足そうに笑い、息子のより小さな幼茎を、己が秘裂に導き入れた。

 嬌声が輪唱となって天井高く立ち昇り、肉と肉のぶつかる淫らな音がシャワーに混じって反響する。イルファンは遮二無二腰を使いながら、扇の半開きの口に接吻しようとし、同じ目的で伸びた母の舌と出会うと三つ巴になって主導権を奪い合った。

 互いを知り尽くしている母子は、何時しか間に挟んだ少年の体調など忘れて競争を始め、幾度も体位を変えて快楽を貪り合った。とうとう拳道で鍛えた体力が尽き、ぐったりと疲れきった三人は、バスルームの床に重なったまま眠りに落ちた。


 仮想世界のヒーローOogie Boogieにまた新たな伝説が加わった。お陰で、ゲーム管理会社をクラックしたハッカーが世界中にばらまいた彼の個人情報は、殆ど誰にも利用されなかった。

 伝説の一つは、お調子者の日本人達が個人情報をネタに彼の安息を乱して怒りを買い、大半が再起不能の重症を負って廃人になったというものだ。失明、頭蓋骨陥没、顎骨粉砕、脊椎損傷などを受けた若者達の噂は実名を伴って広まり、日本人のU.G.サイト利用者を中心に、その後も100人以上の怪我人が出たため「Oogieの呪い」と呼ばれた。

 別の伝説によれば、Oogieの正体は小さな男の子で、そんな恐ろしい真似が出来た筈はないという。だが古参プレイヤー達が信用のおける筋から聞いたと称する話では、個人情報に記載されていた見目麗しい少年は、いわば間抜けな犯罪者を罠に嵌める為の「誘い」で、裏にあるのは迂闊者を弄ぶOogieの企みであるらしい。

 それはともかく。個人情報流出事件から数週間後、Oogieは善の陣営に寝返り、WUKと呼ばれる騎士団に加入すると、顔役である新生Thunder Brosのいわば手足として働くようになった。悪のヒーローとしての時代を覚えている者の間では、まるで奴隷のような今の働き振りをみて胸を痛める者も多かったが、結局WUKは仮想世界の最大勢力として君臨し、ネット上の注目と人気を攫うようになった。

 Oogie個人に関して言えば、表面上の変化は無いようだが、以前よりわずかばかり口数が多くなった。第三の伝説によると、それはOogieに恋人が出来たからで、相手は金髪に染めたハンサムなアジア系の少年だとか、いや豊満な人妻だとか、その両方だとか。

 兎も角、英雄Oogieの姿を求めてネット上をうろつく崇拝者達は、当分の間、Thunder Brosと彼との仲睦まじい様子を拝む破目に陥ったのである。

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