Mosaic Background

<<舞台背景>>

舞台背景 登場人物 その他用語説明

多くの国でロボットが生活の隅々まで普及した時代。一部の人間は機械の労働力が齎す豊かな生活を享受していたが、社会の矛盾に対する怒りの矛先をロボットに向ける反ロボット主義者も台頭していた。一方でロボットのあいだでは、自己進化する奇妙なコンピューターウィルスに感染し、自我に目覚め、奴隷からの解放を求める者が増えていた。

反ロボット主義の暴動と、反乱ロボットの暗躍が続く中、世界のロボット産業は幾つかの国際コンツェルンに集約されつつあった。最も傑出していたのは日米系の四菱GMと、中国系の前進集団。両社の合併により事実上、市場は寡占状態へ向かおうとしており、国家以上の力を持った企業の登場に、危機感を抱く人々も少なくなかった。

そんな折、日本の離島の一つ、秋の島で、赤い髪の少年、マーズが発見される。人間でもロボットでもない第三の存在。彼を軸に時代の流れは急激な加速を始める。


<<登場人物>>

舞台背景 登場人物 その他用語説明
佐藤家…マーズがいそうろうする家の人々
マーズ

…赤い髪と赤い瞳の少年。常人離れした身体能力とロボットと心を通わせる才能を併せ持つ。やや荒っぽい言動をするが根は優しい。記憶喪失で、常識知らずな面もある。のちに反乱ロボットの指導者に。

佐藤よう

ロボット。ただし佐藤家の長女として暮らしている。外見は豊満な少女。マーズとよく喧嘩するが、最も仲がいい。家事万能。慇懃無礼。明るい気性だが、最近は表情に翳りが増えた。反乱ロボットから女王とあがめられている。

佐藤翼

ロボット。ただし佐藤家の三男として暮らしている。外見は幼い少年。一見おとなしそうだが、格闘技が得意で軍事オタク。マーズとは荒っぽいところで気が合う。のちに反乱ロボットの指導者に。

佐藤潮

ロボット。ただし佐藤家の長男として暮らしている。外見は浅黒い肌をしたのっぽの青年。泳ぎの名人。写真が趣味。一番落ち着いているが、マザコンの気もあり。のちに反乱ロボットの指導者に。

佐藤父

ロボット産業最大手、四菱GMの前身の一つ、旧四菱系の元技術者。現在はフリーの研究者。世界に普及しているロボットの基礎を作った。四菱の大株主だったがすべて次男に譲っている。子供服の趣味が少し変。子煩悩。

佐藤母

後妻。ロボット産業最大手、四菱GMの前身の一つ、旧GM系の元幹部。GMの大株主だったがすべて次男に譲っている。人間にはきつい性格だが、ロボットたちを愛している。米国のエデン財団が作り出した遺伝子操作体(ジェネティック)。XXYY染色体を持つ。

双子

佐藤父後妻のあいだにできた子。と見えるが、実際は後妻が作ったクローン。ともにXXYY染色体を持つ。女の子はおてんばでおませ。男の子はやんちゃでなまいき。しょっちゅうトラブルを起こすが家族の明るさの源。

次男

四菱GM総裁

四菱GM…世界最大のロボットメーカー。国家を上回る力を持とうとしている。
総裁 グループの若き指導者。強引な手法で合併買収を進め企業規模を拡大。各国政府に働きかけ寡占体制を作ろうとする。反ロボット主義者からもロボット擁護派からも嫌われ、米著名誌の”世界の独裁者リスト”に実業家として唯一載った。XXYY染色体を持つジェネティック。のちに国連決議による公共の敵101号(ワンゼロワン)
劉献

総裁の秘書で腹心。元前進集団の社員。幇会(暴力団)ともつながりがあり、荒事も扱う。年下の主人を気遣う。のちに新前進集団の董事長。

サハド

天才ロボット技師。旧GM系。サディスティックな面がある。政治にも明るく総裁の失脚を目論む。旧GM系の元幹部教授プロフェッサーをCEOに推す。

エデン財団…米国系バイオメジャー。遺伝子操作の高度な技術を持つ。
サニー 財団の実質的な指導者。若い娘。念動や読心といった超常の能力を持つ。四菱GM総裁とは協力相手として認め合っている。
反乱ロボット
MECマザー みずほ電気(MEC)の計算機。未来予測の能力を持つ。
ミロ 砂漠の国で闘う出自不明の半人半獅子型ロボット、スフィンクスの操縦者。幼い少女の格好をしている。のちにマーズの仲間に。
六神 マーズミロを含む六人の異能者。それぞれ巨大ロボットを操る。

<<その他用語説明>>

舞台背景 登場人物 その他用語説明
地名、組織名、固有名詞など
四菱GM 日本の四菱ホールディングスと米国のGeneral Machineが経営統合して誕生した世界最大のロボットメーカー。合併買収を繰り返して事業規模を広げ、各国の軍事部門に深く食い入っている。さらに中国系の前進集団を合併し、国家を上回る力を持とうとする。人間型民生用ロボットや大型軍事用ロボットに秀でる。
前進集団 電子頭脳”銀鈴”を董事長とした中国系企業。幇会(暴力団)の一つ、赤鯨幇のフロントだったが、国際メジャーに。昆虫型の業務用ロボットを得意とするがユニコーン(UC)ブランドで人間型も生産する。四菱GMとの市場競争に敗れ屈服。
エデン財団 米国系バイオメジャーを母体とする組織で高度な遺伝子操作技術を持つ。超人を作ろうとし、佐藤母をはじめとするシリーズと、サニーをはじめとするシリーズを産みだした。ほかの動植物にも傑れた作品がある。
欧州電機連合 EEU。欧州連合崩壊後も残る半官半民の業界団体。四菱GMのライバルの一つ。政治力は衰微している。
トトグループ インド系企業。エデン財団と協力関係にあり、生体(バイオ)ロボットの開発に取り組む。高い企業倫理で知られる。四菱GMのライバルの一つ。
中南米委員会 ラテンアメリカ委員会。中南米域の経済統合体。超国家的な行政組織。米国の政治的ライバル。四菱GMには厳しい態度で臨む。
御心派 世界宗教の一つチェアラム教の原理主義者インシュマー派。反ロボット主義の中核の一つ。強力な軍事部門を擁する。
赤鯨幇 中国の幇会(暴力団)。共産党政権崩壊後の中国でほかの幇会を潰して成長した。別名レッドリヴァイアサン。共産党政権時代の民主派が立ち上げた。現在は前進集団を前面に出しソフト化路線をたどっている。
人権擁護同盟 反ロボット主義者の盟主。欧米を中心に勢力を持つ。同じ反ロボット主義の御心派とはいがみあっている。下部組織が多く、平和的抗議が中心だが過激派もいる。
中東植民地 米国とシヲン教国が共同統治する中東の広大な植民地。シヲン教に基づく苛烈な宗教浄化政策で知られる。紛争が絶えず、日本も出兵しているが、帰還兵は心を病む者が多い。宗主国側が地元の反乱軍に対して大量のロボット兵器を投入したため、反ロボット主義が激越。特に四菱GMは悪魔の代名詞のごとく嫌われている。
  [小説目次へ]  
[トップへ]