「ん,今のかわいかったから,プラス5点…オバカなコブタちゃんに問題です.黒丸たちはなーんだ」
「ぇっ…ぁっ」
「あーまたしゃべったぁ,マイナス30点ー,おシリ100タタキけってーね.キャハハ…あのさ」
まどかは秘密めかして片方の瞼を瞑ってから,にっと白い歯を見せた.
「おじいちゃんのしりあいも,わかんなかったんだよ.えっらーい学者の先生たち.当たり前だけど.バカばっかだもん.コブタちゃんとおんなじ」
「ブゥ…」
「おじいちゃんは遺伝子工学とぉ,生物学とぉ,動物行動学の専門家だったの.なんでもや.イミわかる?だとしたら黒丸たちはなんでしょう」
間抜け扱いされたことに対する反抗心からか,少年の瞳に負けん気と理性の光が戻る.
「ぅっ…遺伝子工学で…作った?」
「マイナス15点ー.ばつゲーム,人間ポンプもついかしちゃう?ちゃんとブーとかブキッ,でこたえましょう」
「だって,さっきからそっちが問題だし…ぅっ…ブーッブーッ」
鼻輪を高く吊られて,慌てて豚の鳴きまねを始める亮平.まどかはふんと息をしてから,鎖を離し,家畜の裸身が床へ叩きつけられるに任せた.爪先でバイブレーターの先端を踏み,ぽっちゃりした双臀の奥へ押し込みながら,憐れむような,蔑むような眼差しを投げる.
「ふぎゅぃぃいっ!!」
「ひっかかるのがバカなんじゃん.しかも,こたえもはずれ.作れるとおもう?遺伝子操作で?ゴリラとか,オランウータンに仮胎して?いっぱい作ってオトシヨリのカイゴしたり,ブキもたせてセンソウしたり,臓器移植の研究につかったり?おじいちゃんにオカネ出したザイダンの人はそう思ってたみたいだけどね」
「ふぅっ…ぐぅっ…ひぅっ…っ?…」
「ほーら分んないじゃん.ばかでちゅねー.おじいちゃんはラッキーだっただけだよ.ここに出入り口がみつかったから.温室を作っただけなんだよ.ナンジュウ年もムカシってさー,こっちってもっとサムくて.あっちの生き物が来るとすぐ死んじゃうから」
「あ…あっちとか…こっちって…なんだよ」
「知らなーい.こっちはこっち.あたしのいるがわでしょ.あっちは,オオムカシの,えーと,新生代の地球とかぁ,べつのほしとか,べつの次元かもよ」
祖父以外は大猿としか会話せず暮らしてきた少女は,調教済みの少年という,絶好の聞き手を得て,得意げに長広舌を振るう内,陶酔状態になってきたようだった.亮平がまた普通の喋り方に戻っているのも失念して,うっとりと語句を接ぐ.