12.
部屋の隅に立てかけた革鞭を取り,追い立てるように打ち付ける.ロビンは転げ回りながら,必死で床の汚れを舐めるが,向きを変えるたび,自らのものでない精を垂れ流してしまう.
ヴィルヘルムはやがて滑稽な姿に笑い出し,眉間を抑えて身をくの字に折った.
「もういい,もういいぞロビン,行け.後の掃除は奴婢共にやらせる.だがこの時間では犬共が怒り狂っているのは確実だな.死ぬなよ.そうしたら明日もお前を抱いてやる」
ぐすぐすと鼻水を啜って,少年は嬉しそうに笑った.そのまま四つん這いでドアを潜って部屋を出て行く.去り際に,乳首から下がるタグ同士がぶつかって,鈴に似た音色を立てていた.
残された主人は欠伸をすると,再びベッドに潜り込む.明日は朝から狩に行く予定だった.そろそろロビンに宛がう為の本物の雌を捕えるとしよう.あれの血を一代で終らせる手は無い.ゆくゆくは美しい子供を作らせるのだから.