命の重さ




望美が源氏に加わって何度目かの戦。

俺は初めて望美を自分の側から離れさせてしまうという失態を犯した―――。





「望美ーーーーーッ!!」

行く手を阻む敵は怨霊も人間をも問わず切り倒した。

切ったときに飛んできた血しぶきで、人間だと理解した。

俺は人間でも平家を切る事に抵抗はない。

それが、俺の望む世界に必要だから。

ただ、あいつは違う……。

「望美!望美ーーーーーッ!!何処だっ!?」

武将達が命の駆け引きをする中で、九郎の声悲鳴のような叫び声は周りの者の胸をひどくうったらしい……。



「九郎!望美ちゃんが見つかったよ!」

今にも倒れ込みそうな九郎を救ったのは景時だった。





「あっ!九郎さん!」

「望美!平気か!?」

陣に戻った俺に普段と変わらぬ笑顔で迎えてくれたお前だが、髪についた血と手の震えが人を切った事を物語っていた…。

きっと望美は初めて人を切ったのだろう。

戦は命の駆け引きの場所。

切らなくては切られる世界だから、お前もやむを得ず切ったのだろう。

でも、人の命を奪った重さをあの震えが表している。

だから、今まで俺の側で人間は切らせなかったのに……ッ!!

九郎は自分の失態を悔やんだ。

お前は一番に仲間の事を考える優しい奴だから、心配をかけたくないからきっと平気だというだろう。

でもそんなお前だからこそ、俺は惹れているわけだが…俺はそんなお前の役にはたてないか?

「心配しないで、九郎さん。平気だったから。……九郎さん?」

予想通りの返事が返ってきた望美の手を九郎は何もいわず握った。

「…………九郎さん。ありがと。」

望美の手の震えは九郎の温もりで少し和らいだのだった。





「申し上げます。平家陣を破りました!!源氏の勝利です!!」

陣に飛び込んできた源氏の使者の一声に陣の中は一斉に沸いた。

「勝ったか。」

九郎は望美の横でぽつりとつぶやくと、望美の手を取ったまま立ち上がった。

「九郎さん……?」

「お前は戦女神だ。

本当に済まないが俺と陣を一周して皆を労ってくれないか?

一周したら、すぐに家に帰ろう。」

「……はい!」

九郎の精一杯の優しさに望美は微笑み頷いたのだった―――。





景時・朔邸に戻ってきた、望美は弁慶の進めで早めに床についた。

「望美。入るぞ?」

そういって九郎が望美の部屋に入ると望美は静かに布団に横になっていた。

「あっ九郎さん……。」

「やはり起きていたか。」

起きあがろうとした望美を制し、九郎は物音に気を付けながら望美の枕元に座りこんだ。

「女性の部屋に夜半に来るなんて、非常識だと思ったのだが…。

でも、様子を見ずには居られくてな。」

「ありがとう、九郎さん。嬉しいよ。」

その望美の微笑みが九郎の緊張を少し緩めた。

「お前が望むなら、今日は俺が寝るまで傍に居てやる。だから……安心して寝ろ。」

九郎のぶっきらぼうだが優しさのある言葉に望美は張り詰めた心をが少し溶けた気がした。

「九郎さん。お願いがあるんだけど……。」

「なんだ?」

「手、繋いでてくれないかな?昼間みたく……。」

「なっ……!?」

九郎は顔を真っ赤にして顔を背けた。

予想通りの反応に望美は笑ったが、数秒後望美の身体は九郎の胸の中にあった。

「え…!?く…九郎さん!?」

「お前は寝るんだろ。この方が寝やすい。」



2人で真っ赤な顔をして、暗い部屋の中で抱き合う2人。

聞こえるのは2人の妙に速い心臓の音だけで―――。

意地も見栄もいらない。

2人の心は同じだった。



「あのね。一人で居た時…暗闇が怖かったの。

今日…人を切った時ね……。血が黒く見えたの。

そしたら、暗闇が全部血に見えて………ッ!」

張り詰めた糸が切れたように、望美の身体が急に震え始め涙が溢れ出した。

涙と一緒に溢れ出す言葉を九郎は黙って聞いていた。

九郎の着物を濡らす、望美の涙。

その涙が綺麗だけど残酷で…。九郎は思わず望美の頬に舌を這わせていた。

「……くろう……さ……ん……。」

九郎は、望美の吐息交じりの言葉に誘われて、無意識のうちにその唇を塞いでいた。

合わさるだけの口付けだったが、九郎の雄を完全に目覚めさせるには十分で……。

「望美……その…いいか?」

遠慮がちに聞く九郎に望美は小さく頷くのであった。



望美が承諾したのをみると、九郎は何かにとりつかれたように望美ね夜着を脱がせるのに夢中になった。

脱がせていく度にだんだん露わになっていく素肌に九郎はつばを飲んだ。



露わになった胸は九郎が思っていたよりも大きくて…

思わず「お前着痩せするタイプだな」と呟くと「馬鹿っ」と小さな声で返ってくる。

片手に余るその胸の頂点を口に含んだ。

くすぐったいような背筋を這いあがる感覚に望美は身体をそらす。

「あん………………ッ」

口に含んだ乳首を軽く噛むと望美は甘い声をあげた。

「その声…いいな。どうしたらもっとその声が聞ける?」

そう、望美に問うと九郎の頭が胸から離れ下の方へ下がっていった。

おヘソの付近を舐めると身体をそらせるので、そこに吸いついて赤い痕を残すと、また甘い声をあげる。

もっと反応を引き出そうと九郎は望美の股を割って顔を近づけようとした。



「だッダメ!!!」

まさか、そんなところに顔を近づけると思わず、望美は九郎の頭を押さえて本気で抵抗をした。

「なんでだ?」

きょとんとして、自分が何故制止させられているのか分からない九郎。

どれだけ天然なんだ………。

望美は心の中でそうつぶやいた。

「恥ずかしいじゃない…。」

小さく呟く望美。

「でも、望美は何も言わないから、何処をどうしたら気持ちいいのかわからない。」

「え……?」

「言ってくれないか?どこが気持ちいいかを……。」

「い…言えないよ……」

「どうして?それも恥ずかしいか?」

「うん………。」

「だが、望美が言ってくれなければ、分からない。

望美の事、気持ち良くしたいんだ。」

自分の気持ちをストレートに言ってくる九郎。

確かに、その言葉は正論で……。



「口は…いや。でも、指なら………」

「わかった。」

ニコっと笑う九郎はとっても可愛くて…



「ハァ………は………あッ!!!」

指が望美のある1点を擦ると一際甘い声があがる。

その声に、九郎は指を抜くと自分の雄を着物から取り出す。

「もう……、いいか?」

太くて今にも張りきれんばかりの九郎の雄に、望美は一瞬戸惑うがゆっくりと頷いた。

それを合図に九郎は望美の足を持ち上げ、ゆっくりと自分をうめていった。

「あ……………ん……ンッ」

望美のお腹を満たしてくる九郎のモノ。

繋がったと思った瞬間、九郎のモノが望美の最奥に届く。



「あッ…………!!あ――――――!!」

目の前を極彩色の電気が通ったかの様に、快感が全身を貫いた。

「クッ……イイか?望美」

「イイ……よ。気持ち…良すぎてダメかも……」

九郎の声を興奮しているのがわかり、望美の快感はますます増す。





「だめ……ダ………イッちゃう……………イッちゃうよ……っ」



「わかった……ッ一緒に……!」







布団の上に座る九郎のひざの上で望美が寝息をたてている。



きっと、この後の戦は今日以上に厳しい物になるだろう。

だが、望美。

お前だけは必ず俺が守るから。

俺の夢を果たせたら、その後の人生はすべてお前の幸せにささげると誓おう――――――。







あぁ……かなり不完全燃焼。(泣)



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