視線 俺の目の前で乱れる女。 頬を染め、目を伏せ、上体を丸くして俺の目線からにげようとする女。 かつて、白龍の神子と呼ばれた女。 そして、俺の知らない俺を知る女―――― 名を 春日 望美 という。 「もっと足を開け。見えない。」 冷淡な声が部屋に響く。 真っ白な壁にパイブで出来たベットに真っ白のシーツのひかれた上に望美は裸で座っていた。 「………。」 それは彼女の無言の抵抗だった。 帰ってきたらいきなり服を剥ぎ取られ、そのままベットに運ばれ、深いキスをされて今の状態に至る。 その気ではなかった望美を巧みなキスでその気にさせた当の本人は、 のんきにイスに座ってコーヒーメ―カーで温まっているコーヒーを取り出したりしている。 一種の放置プレイというやつだ。 この世界に知盛と一緒に帰ってきて、知盛とは何度も肌を合わせたが、未だに彼の性癖が良く分からない。 言葉で苛められることなんかはしょっちゅうだが、放置プレイなんて初めてだ。 「開け…といっているのだが?」 知盛はベットの正面に有るイスに座り長い足をだるそうに組んでいる。 「これ以上はイヤ…。」 「ふっ、つれないな。神子殿はご機嫌斜めかな?」 ククッと喉で笑いながら彼はブラックーヒーを喉に通す。 目線は、ずっと望美に向けたまま。 「なぁ、神子殿。俺は俺の知らないお前をもっとみたいのだが?」 吐息を沢山含んだその声が望美の耳を刺激する。 彼の声を聞くだけで、腰が蕩けそうになる。 もう病気だ。 「もう、沢山見たじゃない!」 腕を胸に回し、望美はそう訴える。 「いや?俺は見られて乳首を立たせるお前は知らないぜ?」 「……!?」 図星だった。 なぜ、彼にはそんな事までわかってしまうのだろう。 彼の視線に捕らえられて感じてしまう私。 火照った身体が未だに冷める気配はない。 「足、ひらけよ。」 冷たい声。 感情を宿さないその声がますます望美の身体を刺激して――― 望美はゆっくりと足を開いた。 まっすぐに伸ばした足を左右に開き、腕で胸を隠す。 「ふっ、最初から素直に聞け。」 知盛はマグカップをテーブルに置くとベットの端にそっと腰をかける。 「……馬鹿。」 拗ねた様に顔を背けるのつま先に知盛は手を添えた。 真っ白なシーツに薄く染まった肌の色が妙にはえる。 「綺麗だ…。」 そう呟いて、知盛は望美の片足を持ち上げ親指にキスをした。 「っ……知盛。」 バランスを崩しそうになった望美は、後ろに手を回し身体を支える。 望美の身体の全てが露わになった瞬間、知盛の眉が嬉しそうにあがった。 「やはり立ってるじゃないか。神子殿は俺に見られて感じたのかな?」 くっくっく…といつもの様に喉奥で笑う声が響く。 「この分じゃもう濡れてるんじゃないか?」 「っ……!!」 望美が顔をぶんぶんと横に振るが、知盛はその反応にまた楽しそうに笑い、足から手を放すとそっと身体を望美に寄せた。 「嘘はいけないぜ?神子殿。」 「違うっていってるでしょ…。」 耳元で囁かれる彼の声は望美の脳内を犯すには十分で…。 身体の奥の疼きをイヤでも感じてしまっていた。 「じゃあ、触って確認してみろよ。」 そういうと知盛は、シーツに皺を作っている望美の片手に手をのせ、操ろうとする。 その手に抵抗する様に、望美はぎゅっとシーツを握りなおすと、もう片方の手で知盛の手を叩いた。 「馬鹿いってんじゃないわよっ。」 「威勢のいいお嬢さんだ。」 叩かれた事で、腕から手を放した知盛は目を細めて望美を見つめる。 その視線にまたドキっとしながらも、望美は知盛を睨み付ける。 「あんたの思い通りになるものですか……って、んっ!?!?!」 唐突な口付け。 全てを奪うようなキスに望美は眉をしかめる。 押し倒され、胸を激しく揉まれる。 しかし、甘い悲鳴は全て知盛の口のなかに吸い込まれていった。 「お前は……俺のものだ。」 まっすぐな瞳で望美を見つめる知盛。 その紫色の瞳には当然望美しか写っていなかった。 「俺にはお前しか見えない。 俺を満たすのは……お前だけだ。」 はぁはぁと息を乱し何もいえない望美を見下ろし、知盛はシャツとパンツを一気に脱いでいった。 「俺だけを見て……俺だけを感じろ。」 ぐっと質量のあるものが望美の中心を貫く。 「や…ぁ、ひッ、ンっ、あ――……っ」 何の前戯を受けなかったソコは多少きつかったが、十分に潤っていてすぐに知盛のソレを受け入れた。 そのまま高い位置から抜き差しされると、望美はますます高い声をあげた。 「ああぁ……!ん、やぁ……んんー……っ」 内壁を強く擦りあげられるそのたびに襲ってくる強烈な快感。 なにもかもが解けてしまいそうな熱。 真っ直ぐに向けられる瞳。 知盛から与えられる全てに望美は身悶えた。 「やっ…あぁ……っ!」 激しい突き上げに揺さぶられる胸。 恥も忘れて声をあげる唇。 快感から出てくる涙。 しかし、そんなことに構っていられないほど、望美は知盛に支配されていた。 「知盛っ…!も、うっ」 激しい快感に耐えられず、望美は知盛の肩に手を回し爪をたてた。 その行動は絶頂が近い事を意味していて―――。 「イけよ、俺の瞳に囚われてイけ。」 その言葉に望美で絶頂を迎えた。 知盛は自分の腕の中でぐったりとしている望美を見て満足そうに微笑む。 イかせてやるよ。何度でも。
俺を捕らえて放さない、俺だけの神子さまの為に……な。 |
知盛フォー―――!! 視姦でっせ!SI・KA・N!!のつもりで書いたんだけどなぁ…(苦笑) 結局、普通のエロになってしまいました(;´д⊂) 途中、何度もこれは将臣じゃないのか?と書いてて疑いたくなりましたが、 知盛だと思って下さると嬉しいです。 ぶっちゃけ、うちなら知盛を将臣に変えるだけで、対応できそうなのがイヤです。 もっと掻き分けられる様精進致します・・・。 |