いじめたくなるほど可愛い奴 「んっ……あぁ――ッ」 まっすぐな長い髪 愛らしい唇 前をみつめる緑色の瞳 ほんのり染まる白い肌 たわわに実る二つの果実 勇ましくもか細い腕 ちらりとみせる魅力的なうなじ 望美のすべてが好きだ。 だから何度も望美を求め、肌を合わせてきた。 愛してるから。 でも最近思うことがある。 望美は俺のどこが好きなんだろうか…? 望美とは幼なじみで昔から一緒にいた。 だから俺のいいところからかっこ悪いところまですべてを知られている。 この世界にきて、望美と離れて、俺は望美が好きだったことに気がついた。 望美は…? 俺はふと望美に快感を与えていた手を止めた。 すると望美は快感に震えて涙を溜めた瞳で俺を見つめてくる。 「まさおみ…くん……?」 濡れた唇が俺の名前を呼ぶ。 その唇に軽くキスをしてやる。 望美の表情が甘く艶めく。 しかし、俺はさっきの疑問が頭から離れなくてそこから先には進まなかった。 「……?」 やはり望美からは疑問の眼差しが向けられていた。 「なぁ、望美?」 俺は望美の長い髪を手に絡めながら質問を投げかけた。 「お前は俺のどこがすきなんだ?」 数秒間の沈黙が流れる。 そして、望美は何か俺の気持ちに気がついたようにさっきまでの甘い表情からいつもの優しい表情に戻り 押し倒していた俺の胸の下から起上がると、俺の前にちょこんと座った。 「全部好きだよ。」 まっすぐな瞳で俺を見つめながらそう答える望美。 それだけでも今の俺には十分だったが、望美は言葉を続けた。 「いつも前向きな姿勢も 私を包み込んでくれる大きな腕も 怨霊から私を守ってくれる背中も 優しさが満ち溢れてるその笑顔もみんな好き。」 俺はそっと望美の頬に手を添えた。 優しく、そっと。 目の前の存在が本当に愛しいものに思えたから。 望美はそんな俺の温もりに頬を押し当ててくれた。 「でも前は同い年なのに、どこか頼り甲斐があるところが頼りになるお友達みたいな存在だったけど ここにきて…3年間の空白があって…将臣くんが前の将臣くんじゃなくて、頼れる男の人になってたの大きかったかな。」 照れる様に笑う望美が本当に可愛くて。 どうしょうもなくて。 俺はそのまま望美の頬を固定して、深いキスを送る。 口内を貪るように激しいキスをおくると、望美も不器用ながらに答えてくる。 舌と舌とが絡み合い、くちゅくちゅと音がする。 銀の橋がお互いの唇から伝うころ、俺は自分の唇を手で拭いながらこう言ったのだった 可愛いな。望美。 ……でも、可愛い奴ほど苛めたくなるんだぜ? 望美の頭の中に夜は、まだまだ続く予感がしたとかしなかったとか。 |