自慰行為 「夜、薄着で空なんか眺めてるから風邪なんてひくんだよ。」 けらけらと笑いながら、私の横でタオルを絞りながら将臣くんが言った。 「だって、星が綺麗だったんだもん……。」 だるい身体を叱咤して横に向けると将臣くんの笑顔が目に入る。 昨日の夜は本当に綺麗だったんだ―――。 天の川とか星座とか…元の世界でもっと調べとくんだったって思うくらい夜空に星が満天で。 この空を辿っていったら、一緒に怨霊を封印した八葉の皆の元へ行き着く。 私達がいた世界へとも繋がってるかもしれない……。 そんな風に思いながら、眺めてたらついつい見入っちゃって、今に至る……。 おでこに冷たいタオルが置かれ、熱くなった身体をひんやりとした刺激が走る。 「きもち〜〜〜〜」 「すぐ熱くなりそうだけどな。気休めでも気持ちいいだろう?」 私がこくんと頷くと将臣はにこっと微笑んで、そっと私の頬に触れて来た。 タオルほどではないが、ひんやりと冷たい将臣の手がとても心地よい。 「将臣くん……キモチい……」 その手を捕まえ、上から押さえ込むように手を置いて、目をつぶって私は将臣くんの体温を楽しんだ。 「……………。」 無言のまま、私のされるがままの将臣くん。 いつもなら、やめろっていってくるのに…。 不思議に思って目を開けて将臣くんの表情を伺った。 「……………はぁ。」 私と目があうと将臣くんは小さいため息をつく……。 「将臣くん?」 「そんな顔すんじゃねーよ。タマンねぇ〜………」 目線を泳がし、口元を押さえる将臣くん。 私は言葉の意図が分からなくて、目線を寝かせて気がついた。 「…………ぁ」 私は寝てて、目線の先は丁度将臣くんの足元で……。 将臣くんの男の証が自己主張してるのが目に入る。 「や…やるの?」 私は恐る恐る聞いた。 やるのは嫌じゃないんだけど…… 身体はだるいし、頭はぼーとするし、こんな状態で事に及んだらどうなっちゃうんだろう… 将臣くんに風邪うつらないかな…? 「不安そうな顔すんじゃねーよ。病気の人間襲ったりなんかしねぇから」 「えっ!?」 「お前は考えてること顔に出やすいんだよ。」 顔に…出てたかな? 私がむーとふくれてみせると将臣くんはまた笑いだした。 その笑顔がまたかっこよくて。 ちくしょう。なんか、また負けた気分… 「でも、ちょっと押さえ気かねーかも」 「………は?」 笑顔だけど眉を寄せた顔ですごい事をさらっといってのけた将臣くんの言葉の意図がわからなかった。 「キスだけさせてくれ。そしたら自分でなんとかするから。 お前はじっとしてればいいって事だよ。」 そういうと、将臣くんは私の目の前で自分の着物の帯をゆるめ始めた…。 「まっ将臣くん!?」 私の驚きの声なんかお構いなしに、将臣くんは見せつけるかのようにそそり立った自分のもの取り出した。 そのまま手を上下させる… 私はその光景に目を奪われていた。 ふと将臣くんと目が合う。 そのままにやっと笑って今度は唇を奪われた。 「んっ……!」 そのキスは濃厚で、熱に犯された私の身体をさらに熱くする―――。 「目の前に望美が居るのにオナニーするなんて思わなかったぜ…。 でもこういうのもいいかもな…。 風邪ひいてるお前の顔かなりクる…っ」 将臣くんの顔が数センチしか離れてないところにある…。 キスで荒れた息を直したくても、吐息がふれあう位置にいるからそうもいかなくて…。 荒い呼吸の中、ただ将臣くんの熱っぽい瞳に映る自分の姿を見つめてた。 すると、わき腹に熱いモノが当たっているに気がついた。 将臣くんのだ。 私の直感がそう告げる。 その証拠だというように、リズミカルに当たる将臣くんの手… 胸がドキドキいってる このドキドキは風邪のせいじゃない… 将臣くんのせいだ。 下半身も何かに憑かれたかのように疼きだしている… どうしよう… 将臣くんがキスする度、吐息がふれあう度溢れ出す甘い快感。 「望美、俺の名前呼んでくれよ…?」 少し乱れた吐息で将臣くんが私の耳元でささやく。 ……名前 名前は将臣くんにとって特別なものだって知ってるから。 還内府でも重盛でもなくて有川将臣である彼が私は好き。 だからありったけの愛情を込めて私は彼の事を呼んだ。 「将臣くん…好き。大好きっ。」 そのまま彼の頭に抱きつきキスをねだった。 将臣くんはそれに応じてくれて舌を絡め合った瞬間、彼は自分の熱を解きはなった。 「あー布団汚しちまったな。」 熱から解放されて晴れ晴れとした表情でそういう将臣くんを私は直視できなかった…。 私はまだ熱を持っていたから…。 「望美……?」 呼びかけられたけど、そんな自分が恥ずかしくて咄嗟に頭まで布団を被ってしまって。 ますます怪しいじゃん!! 布団の外で笑う将臣くんの声が聞こえる……。 「望美も興奮するんだな〜お願いしてくれたらイかせてやるよ?」 その言葉は私にとって甘い誘惑でしかなくて。 「まさおみくん……抱いて……?」 そのまま将臣くんが私の布団の中に入ってきて、私はそのまま熱い身体を将臣くんに預けた――― 次の日、私の熱は悪化したことは言うまでも無くて。 でも、将臣くんはぴんぴんしてて、私のことを手厚く看病してくれた。 ホントはダメなんだけど、そんな将臣くんをみてると思っちゃう。 たまにはこういうのも悪くないかな……? |