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失望 |
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夜神月を監禁してから7日目。 その変貌ぶりにLは動揺していた。 目の前のモニターに映る月は明らかに自分が知っているはずの月とは別人である。 7日目にして演技を始めたのか? 信じられない光景にLはその衝撃の大きさを表に出さずにすることだけで精一杯だった。 この場に父親である夜神局長がいないため、いまの人格が本当に夜神月であるかを確かめる術がない。 もし、いたとしてもきっとこの変化には気がつかないかもしれない。 彼は、最初から夜神月に騙されていた。 もちろん、他の誰が今の夜神月を見てもこのあからさまな変化に気がつく者はいないだろう。 実際、側にいた松田や相沢でさえ、夜神月が全く別人のようになったことを指摘しなかった。 それは、夜神月がどれだけ周囲を巧妙に騙し続けていたのかを証明する証拠だ。 夜神月が別人になった? そう気がついたのはLだけである。 Lだけが、最初から月の本質を見抜き、騙されずにいた。 真面目な優等生。 その仮面を剥がし『キラ』であることを証明する為だけに執念を燃やし、行動してきたLに目の前の現実を簡単に受け入れることは出来なかった。 私がいままで追い求めていたのは、『誰』だったのだろうか? Lは親指爪を噛んだ。 力を込めて深く噛んだ為、指先は傷つき出血した。 口内にじわりと鉄錆の味が広がる。 もしここにキラがいたとしたら、お前は嗤っているだろうか? 私がお前を追い詰めそこねたことに満足しただろうか? まだ、負けたわけではない。 たとえ1%の確率だとしても私は最後まで諦めない。 明かりをつけない部屋で一人、モニターを睨み、Lは拳に力を込めた。 終 |
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2004/10/16 |
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わ〜。いくらなんでも・・・。 |
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