新感発売
のどか「はぁはぁ…」
静かな部屋に私のいやらしい声だけが響いている。
のどか「ふぁ…ひぁん…そんな…」
こんなことするのは、初めてだった。
『自慰行為』
たしかみんなはオナニーって呼んでた。私には、よくわからなかった。意味を知ったら真っ赤になったことをおぼえてる。
でも、今はそれを実行している。聞いた時は、実行するなんて思いもしなかった。むしろ、そんなことするはずもないと思っていた。
なのに…。
のどか「ひぁん…ネギ先生…ネギ先生…私…こんないやらしいことしてる…はぁん」
ショーツの上をなぞってるだけなのにものすごく感じてる。
その証拠かどうか分からないけど、おしっことは違うなんかベトベトした液が、ショーツに染みてきていた。
のどか「あん…はぁん…いやなのに…ふぁ…指が…止まらない…」
指がどんどんぬるぬるになっていくのが分かる。
私が、こんかことをしているのには、訳がある。訳と言っていいのかわからないけど…。
今日、好きな小説家の新刊がでたので買いにいった帰り。それは、起きた。
――――――――――――――――――――
のどか「早く帰って読んで、寝る前にもう一回読んで、最後に朝起きて読むとしましょう」
それはいつものことだった。新刊を買った時はいつもこの行動の順序だった。
だから、私は小走りで寮へと向かっていた。
「…」
のどか「え?」
その声は、微かに聞こえた。それでも私の耳には、届いていた。
その声は、雑木林の中から…
のどか「女の人の声…」
それはたしかだったと思う。
思えばそこで気にしなければ、今の状態にはならなかったはずだと思う。
けど、その時の私にそんなこと知るよしもなかった。
のどか「――誰かいるんですか?」
おそるおそる訪ねた問いに答えてはくれなかった。
いなくなったわけではない。たしかに今でも聞こえてくる。
女の人の苦しそうな声が…。
しかたない近づいてみよう。もし本当に病人だったり怪我人だったりしたら大変だと思ったからである。
近づくにつれ、声が大きくなっていく。
もしかしたら、私は奥で何が起きているのか分かっていたのかもしれない。それでも確かめずにはいられなかった。
女「ふあっ!ひあっ…だめ!」
のどか「…」
息がつまった。
まさかとは、思っていたが…本当に…その…エ…エッチをしてるなんて…。
周りを見回す。
たしかにここは、学園内だ。こんなところで、こんなことをするなんて無謀にもほどがあるような気がする。
だいたい…こういう事は、ホテルとか部屋とかでするもので…。
思考が、オーバーヒートしていた。
でも…
男「くっ…おらっ!どうだ!」
女「ひぃあん!はぁん…はげ…激しい!」
のどか「…」
見てはいけないと分かっているのに…
体が、動かない。
それどころか、目線も離れないで凝視したまんまだった。
パキッ
のどか「(びくっ!?)」
かあまりに熱心に見ていたせいで下に落ちていた小枝にきづかなかった。
男「誰だ!」
金縛りが、一瞬にして解け、一目散に逃げ出した。
ただひたすら走った。
見つかったら脅される。
恐怖が、疲れた体の原動力になって、まだ走っていた。
出口にでるまで、いつ捕まるかという恐怖心で頭がいっぱいだった。
雑木林をでた後もひたすら走った。
寮の中でも走ってた。
部屋に入ったとたん鍵を締め、その場にペタンと座った。
座ったというより腰が抜けた感じだった。
のどか「はぁ…はぁ…」
息切れがとまらない。
当たり前だ。あれだけ走ったのだから。息切れしないほうがおかしい。
のどか「あんなこと…」
息が落ち着き始め、胸の鼓動がゆっくりになるにつれ、頭が冷静になってくる。
だから…
さっきの光景も鮮明に頭の中のスクリーンに映し出される。
カァ…と顔が赤くなっていき、ふたたび胸の鼓動が高まり始める。
脳内のアドレナリンとがすごい勢いで放出されていく感じだ。
血液が、いつもより熱い。
目を隠すために長くしていた前髪も今では、暑苦しい。
気づくと私は、ショーツに手をあて、ゆっくりとなではじめていた。
――――――――――――――――――――
そして、今にいたる。
のどか「ひぁん…あんなことして…はぁはぁ…気持ちいいのかなぁ…」
頭からあの映像が離れない。右手がショーツから離れない。
まるで呪われたようだった。
でも、私はその呪いで感じている。その呪いから快感を得ているのはたしかだった。
右手は、すでに自分の汚い汁でヌメヌメしていた。あまっている左手は胸へ…。
服をずりさげ、ブラジャーをずらし、露わになった、自分の小振りな胸を揉み始めた。
のどか「ふぁ…はぁん…胸…気持ちいい」
胸で感じている自分に少し嫌悪感を覚えるも、行為をやめることはできなかった。
むしろ激しくなる一方だった。
胸も…
アソコも…
揉むにつれプックリと膨らんだクリトリスと乳首を摘みながら引っ張る。
のどか「ひぁんっ!だめ!だめ…感じすぎちゃう…私…感じてる…あんっ…すごい…アソコもベトベト…はぁはぁ…」
右手を目の前でゆっくりと広げると、糸を引きながら垂れていく。
おいしそうだった。
普段ならそうは、思わないだろう。なんせ自分の性器からでた汁なのだから。
だけど、今は違った。何もかもが楽しめそうな気分だった。
のどか「アムッ…ン…レロ…ちゅぱ…」
おいしくない。
素直な感想だった。
なのに体は、このおいしくない汁を欲しているかのように指を嘗め続けていく。
じょじょに指についた汁は、唾液えとかわっていく。
それでもなめるのをやめない私がいる。
もう、あの二人のことなんか頭には、なかった。今は、自分の快楽だけを感じることで頭がいっぱいになっていた。
のどか「?」
とろけそうな眼に写ったのは、携帯電話だった。
手にとる。
バイブレーション機能を最大にさせた。
ブゥーン…。
のどか「気持ちよさそう…」
規則正しく細かく単振動をする携帯。
好奇心と不安が葛藤している。
少しの考慮があったが、結果的には好奇心が当然のように勝っていた。
おそるおそる振るえる携帯を塗れた秘部にあてた。
のどか「ひあんっ!!すご…すごい…こんなの…だめ!感じすぎちゃう…」
床の上で背中を弓なりにさせながらあえぐ自分。
声が外にもれないように心がけていたものの、そんな心がけも無駄におわっていた。
携帯の振動が秘部のヒダを刺激するのが分かる。
クリトリスを刺激するのが分かる。
すべての感覚がシャットアウトされ、つながっているのは秘部の快楽を司る神経だけが直通していた。
携帯のバイブで感じた快楽は脳には行かず、条件反射のように脊髄からそのまま筋肉神経でかえっていく感じだった。
のどか「くあっ…だめ…アソコが…すごく感じる…熱い…ネギ先生熱いです…」
無意識のうちぬ好意をよせている人の名前が口からはかれていた。
のどか「ひあっ…あんあん……あぁぁぁ…くぅぅぅ…こんなの…」
それは、突然訪れた。
のどか「ふあっ!くる!なにかクル!」
頭が奥から白くなっていく感じ。何も考えられなくなっていく。
のどか「ひあっ…あっ!あっ…」
口から涎が垂れている。
気にしない。
服が、しわくちゃになっている。
気にしない。
すべては、この快楽へと…。
不思議と怖さはなかった。それどころか未知の快楽への楽しみのほうがつよかった。
のどか「はぁっ!だめ…くるっ!くるっ!…あっ…あ…あぁぁぁぁぁぁ!!!…」
頭が真っ白になった。でも、これだけは分かった。
のどか「気持ち…いい…」
楽しみにしていた本は、愛液で濡れてしまった…。
まぁ、いいだろう。
どうせよまない。
読書より楽しいことを知ってしまったのだから…。