上忍1





保健室の先生



=保健室の先生=









トントン
トントン

「あれ?いないのかな?」
は最近木の葉に帰ってきた。
は14歳で中忍になってから八年。ずっと国外で働いていた。
本当は、アカデミーで保健医になりたいと思っていた。
なので毎日のように転属届けをだしていて、その願いが今回めでたく叶い木の葉に帰ってこれた。
昨日勤務地から帰ってきて、なつかしい三人組時代の仲間たちと飲み明かして、今に至る。
引越しそばを持ってとりあえず隣に渡そうと思った様だが残念ながら留守。
(また、夜こよう…)
はあきらめてアカデミーに向かった。

「火影様!!!」
懐かしい火影の姿を見ると、は思いっきり飛びつく。
「これこれ、。わしは歳なんだからの」
手加減せい、と火影は言うけれどははなれない。
「んふふ〜〜〜〜。火影様〜〜よくも毎日毎日送ってた転属届け無視したわねぇ〜〜〜〜〜」
と、抱きしめている腕に力をこめる。
「ははは、何のことかの、。わしはお前が早く帰るように毎晩祈ったもんじゃて」
は首をかしげて手をあごにかける。
「ふ〜〜ん。嘘っぽいけど、わかりましたわ。戻ってきたんだし。望みは叶ったし。
とりあえず」
すこし火影に離れて挨拶をする。
「中忍・、昨日、水の国から帰りました」
と頭を下げた。
「うむ。任務ご苦労であった。」
「はい。こちらは水の国から持ち帰った、酒でございます」
は飛びつく前に床においた一升瓶をみせる。
「おお。気が利くの。まぁ、久しぶりの木の葉だ。
アカデミーを案内する前にすこし話そうではないか」
「はい」
火影の質問にあれこれと答える
は話し上手で火影も楽しそうにしている。
「それにしても、美しく成長したのう。。」
「あら。ありがとうございます。でもお世辞を言ってもなにも出ませんわよ?」
コロコロと鈴の音のように笑う。

蜂蜜色の髪の毛。そして白い肌。瞳の色は左右違う。左が緑、右が青。それが不思議な雰囲気を出していてさらにを美しく見せる。
は中忍。でも今は忍者服を着ていない。
一般人と変わらぬ格好の彼女は、美しさも重なってさながらどこか大富豪のお嬢様のようだ。

「向こうに残された男どもは今頃ないてるかもしれんの」
「ないない。野蛮なのがいなくなってせいせいしてるわ。きっと」
本当にそんなことありえない、とでも言いたげには言った。

トントン、
不意に誰かが部屋のドアをノックした。
「おぉ、きたか。入ってきなさい。」
火影がそういうとドアがあき、一人の男が入ってきた。
「お呼びでしょうか?火影様」
。彼はここで教師をしておる、海野イルカじゃ。」
はイルカと呼ばれた男のほうに体をむけ、
「こんにちわ」
にっこり笑って会釈した。
「!こんにちわ」
イルカも返事を返す。だが彼女に見とれて数秒遅れた。
(綺麗な…ひとだな…)
「イルカ。見とれるでない。が減るだろう」
「ほ、火影様!!」
はっはっは。とイルカの慌てぶりに大きな笑い声を上げた。
「彼女は。明日から、ここの保健医を勤めてもらうことになった。
あとで案内してやってくれ」
「はい。」
「海野先生、よろしくおねがいします」
「こちらこそ、これからよろしくおねがいします。」
挨拶が済むと火影はたちを通り過ぎ、さっきイルカが入ってきたドアをあけると
「じゃ、がんばるのだぞ」
と外へと促した。

二人はそろって歩き出した。
「あぁそうじゃった、そうじゃった。
イルカよ、忍者登録所へも忘れずに連れていってくれ。あそこは以前と場所がかわったからな。」
「はい、わかりました。」
「?保健医も登録しなおすんですか?」
「違うんじゃよ。ほほほ。の八年間の功績を見とめての。特別上忍になったんじゃよ。
これからもがんばっておくれ、
そういってぱたんとドアを閉めてしまった。

さん、おめ…」
「嫌よ!!!わ、私はもう任務なんてしないんだからっ!!火影様のっ……馬鹿!!!!」

は叫んでいた。
「(怒)私じゃなくても他にいるだろう!んもう!
海野先生、登録所へは私、絶対、行きませんから!」
「あ、はい、わ、わかりました。」
はイルカより先をずんずん歩いていった。

(第一印象は、忍びが勤まるのか?って感じのお嬢様風なのに、意外と元気な子なのかな…?)
びっくりはしたが嫌な感じはしなかった。
イルカはむしろ親しみを覚えた。



あらかたアカデミーをまわり終わるころには、すっかりイルカはの魅力に参っていた。
くのいちは魅力的でなくてはならない。
まさにそのとおり。
彼女は話上手で聞き上手。
よく笑い、頭がよかった。
イルカは、今までに出会って好意を持たない人間なんていないだろうな、とさえ思っていた。

さん。これで大体の案内は終わりました。…本当に登録所に行かないんですか?」
はよほど嫌なのか、プクっとほほを膨らまし、俯いた。
「…嫌なんです。…あ、あの…もし私を連れて行かなかったら、海野先生、火影様に怒られちゃいますか…?」
と心配そうに上目遣いで聞いてくる。
甘え上手は天然のようだ。
イルカは少し赤くなりながら斜め上に視線を送って頭を掻いた。
「いえ、平気だと思います。…あなたは怒られますよ、きっと。」
「…わかってます。でも、こうなったら意地です。」
今度は眉間にしわをよせ怒り顔をした。

「私は保健医ってだけでなく、子供たちの心のケアをしてあげたいんです。
殺伐とした忍びの道をいく子供にの少しでも相談に乗ったりしたいのに、
今までみたいにまた任務、任務だとそんなこともできなくなってしまう。
ランクがどうの、じゃなくて、私はここの仕事に専念したいってこと、火影様にわかってもらいたいんです。」
イルカはその話をきいて感心した。
形は違えど、自分と同じものを目指しているような気がした。
忍として生きていく子供たちの独特の孤独や憔悴。
夢や希望。
人の部分を忘れないようにしてもらいたいと思ってること。
「そんなものを大切にしてあげられたらいいなって。それが夢なんですけど…
わたし、わがままでしょうか…」
「わかります!さん!わかります!」
イルカは自分の理想と同じものを見ているに興奮して、の手をとって話し始める。
「忍者にも、人らしい心は大切ですよね。隠さなければならない仕事だからこそ必要ですよね…」
ここまで言ったところで、が顔をあかくしているのに気がつき、自分が彼女の手を握っていたことを知った。
「!あ、す、すみません…」
ぱっと手を離し、照れ隠しに頭を掻いた。
「あなたが仰ってたこと、俺がいつも思っていたことに似ていたものでつい…」
「あ、そうなんですか?こんな身近に同じ思いを持ってる人はいてよかった。」
も恥ずかしいのかすこし大き目の声でそういうと、あははっと笑った。


窓からは夕日が差し込んでいた。

「あ、もうこんな時間だ…。生徒が残っていないか確認しなくちゃいけないんです。」
「そうなんですか、大変ですね。私はもう平気ですので、みまわり行ってください。」
「あ、えっと、帰り、お一人で平気ですか…」
もう少しと一緒にいたくて、そういった。少し待っててもらえたら送って行きたいと思った。
「平気ですよ〜〜。これでも忍者ですよ〜〜」
はガッツポーズをしてみせ笑った。

イルカも笑顔をつくってなんでもないそぶりを見せたが
(そ、そうだよな…正式に登録してないといえ、特別上忍…。我ながらまぬけな…)
心の中で悔しがっていた。
「では、さようなら、さん…」
「さようなら。海野先生」
は先ほど案内された職員玄関を目指して歩き始めた。
「あ、さん!俺のことはイルカでかまいませんよ。そう呼んでください」
そう呼び止められ振り返る。
「そうですか?えーとじゃあ…イルカ先生…?」
「……。」
イルカは苦笑した。ちょっとがっかり。
(先生か…しょうがないか…)
「イルカ先生、今日は丁寧にありがとうございました。また明日!」
お辞儀をしてにこっと笑うと、は手を振りながらスタスタいってしまった。
「また明日…」
夕日の日差しに負けず、赤い顔をしたイルカだけがそこに残されていた。






大人たちと恋に落ちましょうVV
一応逆ハーで行くつもりなんですがどうでしょうね〜〜誰とくっつこうかしら(決めてない)
更新はなるべく早くするつもりなんで見てくださいね〜〜


















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