シノ01
シーノ シノー シノってばぁ〜 ねぇ〜シノ〜〜 私はいつもシノを呼ぶ。 シノは無口。大切なことしか口にしない。 無駄なことばかり言ってる私と大違いで。 私はシノのそんなところがすごく好きで。 わかってもらいたくていつも好きって言っちゃう。 いやだって言わないから、一生懸命話しかける。 でも もうちょっと相手にして欲しい。 嫌ならそういってほしい。 どうすればいいんだろう。 =好み= アカデミーの前を通りかかったとき、ずーっと先の方でシノらしき男の子が見えた。 私はうれしくなって走り出す。 私は家に帰るつもりだったけど、まだ明るいしいいや! 「わーい!シノ〜〜〜」 まだ遠くにいるシノに声をかける。 気がつかないか。 私は速度を上げた。 「しーの!しの〜!まってよ〜〜」 気がついたようでシノは足を止める。 「は〜〜〜つかれた〜〜〜」 シノを捕まえていう。良かった。見失わないで。 「…。なにかあったのか?」 「なんにもないけど、はぁ、シノを見つけたから、ふう、アカデミーから走ってきたの。ねぎらってください…はぁ」 息を切らせながら私は言った。我ながら情けない。 アカデミーからここまでは… 「アカデミーから約300m。少し体力をつけたほうがいいな。」 その通りです。 シノは歩き出した。私もそれに続く。 「はーい。じゃぁさ〜朝でも夜でもいいから、マラソン、付き合ってよ☆」 「俺はやらない。一人でやれ。」 「う〜〜冷たい…。ね、ね、じゃあ、明日デートしよう?」 「明日は任務がある。」 「……じゃ、任務終わったら少し会って?」 「無理だ。」 う〜〜ぜんぜん相手にされてない…。でもはっきりシノがうっとおしいって言うまでがんばるんだって決めてある。 そうよ!最初から何でもうまくいってたらみんな上忍になってるわ!! 私はこみ上げてきそうな涙をグッとこらえてがんばる。 「あ〜…私もシノと同じ班になりたかったなぁ。ね、そう思わない!?」 シノの服の裾を私はつかんだ。 シノは半歩前を歩いている。 あぁ、わたしにはこの距離を埋められないのかしら…。 「どうだろうな」 はぐらかされた。 私はもっと悲しくなる。 「ねーシノ。聞いてる〜…?」 「あぁ」 「シノ〜好きだよ〜?」 「あぁ」 「本当に、好きなんだよ〜」 「前にも聞いた。」 何度すきだって言ってもシノには届いてないようだ。 私はいつも無駄なおしゃべりばかりしてるから私の言葉に重みがないのかもしれない。 他の…そうだな…ヒナタあたりがシノに好きだっていったら、シノはちゃんと答えてくれるんだろうな… 「シノはさぁ…。どんな女の子が好み?」 「……?」 私が立ち止まったのでシノの服が引っ張られる形になった。 シノは止ってくれた。 私は悲しくてうつむいていてシノの顔を見れずにいた。 「どんな子が好みかな?ヒナタみたいにおとなしくてかわいらしい子?」 「いきなりどうした。」 涼しい、いつもと変わらない声でいうので、辛くなって私はいつの間にか強い口調になってた。 「教えて欲しいの。どんな子が好き? 紅さんみたいに大人でフェロモンある人??いのみたいにサバサバした感じの子??」 何人か共通の知り合いを上げる。 どんな子!? と言ったところで他から明るい声が聞こえた。 「お〜〜!!シノまでいんじゃん!!なにしてんだよ〜。そうそう、そういえば〜〜」 「ワンワン!」 キバと赤丸だった。 人が真剣なときに!!! 悲しいを通りこしてイライラしていた私はキバに当たってしまう。 「キバ!!あとで聞くわ!すこし待ってて!!!」 キバはびっくりした様子で一歩下がった。 赤丸はおびえてキバのフードに慌てて入っていった。 「?こ、こえーな。どうしたんだろうな…」 赤丸と話す声が聞こえる。 今聞いてることは私にとって大切なことなの。仕方ないわ。 私はシノを見つめて聞く。 「で?どうなの? 他に好みがあるの??どんな人がすき? ……わたし、どんな人にでもなるよ。だからもう少し相手にしてほしい。 私がうっとおしいなら、そういって欲しい。」 泣かないようにしようと思っていたけど最後の方は涙声になってた。 意思に反して涙はこぼれ落ちていく。 泣いてるのが恥ずかしくて再びうつむいた。 「。」 シノが私を呼んだ。 「。お前は自分をどんなタイプの人間だと思ってるんだ?」 逆に聞かれた。 「え?私?」 好みのタイプならいえるけど、私がどんなタイプかはよくわからない。 癒し系ではないだろうけど…。 あ、 私はうるさい系だ。 また私は悲しくなった。 うるさいよね。うるさくてうっとおしい系だよね… 「。」 シノが口を開く。 私はぎゅっと目を閉じた。 ショックなことを言われても平気なように身構えておく。 「お前は。 明るくて話好きで、たまに変な行動をする、よくわからない女。 おこりっぽくて涙もろくて、良くわからないことで喜ぶ不思議な女。 そして、俺を毎日あきもせずに 好きだ といってくる趣味の悪い女。」 「え、じ、自分のことでしょー!!私、趣味悪くないもん!」 「お前はそーゆータイプの女だ。」 諭すようにそういってくる。 「?そ、そうかな?」 それって良くわからないよ… うるさいって言われなくて良かった…けど…? 「俺はそういうタイプの女が好きだ。」 カッ 体の血という血が勢いよく動いたのを感じた。 頭がフラフラする。 あ、死ぬかも知れない。 ぐらぐらする頭を抱えながら必死に考えた。 (つまり、私のことが好きと、そういうこと?) 私はよろめいて近くの壁に手をついた。 「お、おい。?大丈夫か??」 キバの声がすごく遠く聞こえた。 私、たぶんこのままここにいたら、シノにドキドキ殺させる。 「だ、あ、へ、平気…。私帰る…」 私は今来た道を戻る。 キバのわめく声は私には聞こえなかった。 「何だよシノーーー!!!ずりーよ!俺だって狙ってたのにーーー!!!赤丸、噛め!」 あまりにも動転してたのか、その日夜になっても家にたどりつけなかった。 過保護な親は上忍に頼んで私を捜索させ、なれた木の葉の町をさまよってる私を保護させた。 心配かけるなとしかられたような気がするけど覚えてない。 次の日の夕方。買い物に出た私を、珍しくシノが先に見つけて言った。 「……。お前はやっぱり良くわからない女だ…」 きっと昨日の迷子のことを言ってるのだろう。私は恥ずかしくなってうつむく。 「迷ってないもん。家に帰ろうとしてたの」 「こんな近所で迷子になるなど…器用な奴だ」 「うるさいなっっ。元はといえばシノのせいなんだからっ」 「? なぜ俺のせいだ?」 「〜〜〜」 判ってないのかとぼけているのか…? 私はそれ以上はやめて話題を変える。 せっかくすきって言って貰ったんだもん!デートの約束取り付けなきゃ! 「ねぇねぇ、明後日の日曜。どっかいこう??」 「任務があるから無理だ。」 「じゃぁさ、明日、任務が終わったら会って?」 「明日から長期の任務なんだ。予定では火曜までだ。」 「!!!!!えっ!!!!私は火曜から長期任務だよ〜〜〜」 がっかり。 がっかりした。 はぁ。せっかくなのに、デートもできないの…。 泣きそうにうつむく私。 しかたない。任務だもんね。 「……………買い物は済んだのか?」 「あ、うん。うどん買いに来ただけだから…」 「送ろう。また迷子になっては困るからな」 「え……」 思わぬ申し出に私がびっくりしていると、シノがうどんをとってスタスタ歩き出した。 「ま、まって…」 あわててあとを追う。追いつくと手を握ってくれた。 すごくうれしい!!! 迷子になってよかった〜〜〜。 えへへ。ニヤニヤしてしまう。 私はうれしくて、いつもよりたくさんいろんなことをシノに話す。 私の班のこと、先生のこと。 最近できるようになった忍術とか。 相変わらずそっけなかったけど、握られてる手があったかくて、シノの特別になれた気がする。 家の前まで来るとシノは手を離して、うどんを返してくれる。 「ありがとう。シノ」 「あぁ。」 名残惜しさを感じながら私は任務がんばってねと言う。 うう〜〜明日も会いたい…。 「じゃあ、またね〜〜」 暗い顔はあんまり見られたくないから、精一杯明るい声と笑顔でいった。 家の門を開けるとかすかにキィと音がした。 「。」 「あ、はい!何?」 「……お前が任務から戻ったら…お前の出かけたいところに行こう」 その日、やはりうれしさのあまり呆然とし、家の前で立ち尽くしていた私は、 七時くらいに帰った父に驚かれ、家で待っていた母にきつく説教をうけた事は言うまでもない……。
シノ。大好き〜〜〜!!!
本編じゃしばらく見れないんだろうね…(遠く)
サングラスとったら美形だってきっと!!
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