今日もきつい仕事を終え、気力を失いかけながらもなんとかアパートにたどり着く。鍵を差し込んでみるとすでに開いているらしい。そっと扉を開けてみると、有紀寧が台所と呼ぶには小さなスペースで忙しげに体を動かしている。
「あ、朋也さんお帰りなさい」
「いいなあ」
正直感動した。
ゆきねぎ
「ど、どうしたんですか、いきなり涙ぐんだりして」
「いや、なんでもない」
ちょっとだけ明るくなってきた未来に、喜びを感じながら玄関を上がる。そして足元に置かれたスーパーの袋をよけて、有紀寧の脇を通り過ぎると、その際、なんともいえないいい匂いがした。これが家庭の匂いというものなのだろうか。
「お料理ができあがるにはもう少しかかりそうですから、向こうで待っていてください。何かリクエストがあれば今から作りますけど」
「いや、有紀寧に任せるよ」
大人しくテーブルの前に腰掛けると、とたんにどっと昼間の疲労感が押し寄せてくる。いかん、このままだと眠ってしまいそうだ。
退屈しのぎにテレビをつけてみるものの、大して興味を引くようなものはなかった。雑誌を何度も読んでしまっているものばかりだし、仕方なく俺は料理をしている有紀寧の姿を眺めてみることにする。
学校が終わるとまっすぐにここに来たのか、部屋の隅に有紀寧の制服が畳まれて置かれていた。その代わりというべきか、有紀寧は上着だけを脱いでその上に持参したと思われるエプロン。包丁を動かしたり、流しで洗い物をしたりするたびにスカートが揺れ、なんとなく浮き上がってくる有紀寧のお尻の形がエロチックに俺を誘っている。
「あ」
そしてわざとではないのだろうが、腰をかがめるたびに無防備な太ももの間から時おりちらりと見えてくる下着。本人はそんな事態になっているとは知らないのか、のんきに鼻歌を歌っている様子。
ちらり。
「うーむ」
ちらりちらり。
「くくくっ」
やっぱり誘っているだろう、誘っているに違いない! こんなことで元気になってしまう男というものが少し悲しく思えてしまうが。
ここまでされて黙っていられる俺ではない、というところで、
「ひゃっ?」
欲望の赴くまま後ろから抱き着いてみたりした。
「ま、まだ料理はできていませんよ」
振り返りつつ、そう言う有紀寧。そして俺は爽やかに微笑みかける。
「ごめん、なんか我慢できない」
「ちょ、ちょっと」
抗議の声を上げる有紀寧に構わず、エプロンの上から両胸を揉み上げる。さらに首筋に鼻を押し付けて有紀寧の匂いを嗅ぐと、
「だ、だめです、やめてください」
何が恥ずかしいのか、真っ赤になった顔を背けるのだ。
「いい香りじゃないか」
胸元から手を差し入れて、邪魔な服をたくし上げる。そして下着の上から両手で本格的に有紀寧の胸を手のひらに収める。手のひらに感じる柔らかな感触はいつ触ってもいい。
「やめられないぜ」
小さいから敏感なのか、小さくても敏感なのか、ブラジャー越しにも有紀寧の乳首が勃ってきているのが分かる。
「りょ、料理が作れなくなってしまい……」
まだそんなことを言う、俺は右手でコンロのつまみを捻って火を止めると、ついでに危険な包丁にも退場願った。そしてスカートの裾から侵入させた左手を、下着の上からでもふくよかな下腹部を撫でることに使う。
さっきから盛んに逃げようとするが、俺の体と流し台に挟みつけられては動くこともできないようで。
「と、朋也さんせめて鍵を……こんなところじゃ見られてしまいます」
玄関のほうに視線を向けてみる。確かに鍵はかけていない。でも一秒でも有紀寧の身体から離れるのはいやだったから、
「だめ」
きっぱりと拒否した。
「そんなっ」
こっちこそ、そんなと言ってやりたい。だから往生際の悪い有紀寧に止めをさすべく、下着の上からさすっていた有紀寧の秘部を直接いじることにした。
「えっ」
びくっと身体を震わせる有紀寧。その反応がとても愛おしい。
「あっ、ああっ、だめです、こんなところで、恥ずかしいです」
首を捻って喘ぐ声の合間にそんなことを俺に懇願するが、もうスイッチの入りきった俺には聞こえない。
「そんなことを言う有紀寧にはお仕置きだ」
「そ、そんなぁ」
力が入らなくなっているのか、流しにもたれかけるようにしてなんとか体を支えている。その身体越しに、有紀寧が刻もうとしていたネギが見えた。
結構太いな、と見ていると不意に邪な考えを思いつく。俺は有紀寧の肩越しにネギを掴んだ。何のことか分からないと視線で追いかける有紀寧。
「さて、お楽しみの」
「え? まさか?」
慌てて取り上げようとする有紀寧の手から遠ざけると、後ろから有紀寧の太ももの間にネギを差し入れた。そして秘部を刺激するようにネギを前後させる。
「いやっ? と、朋也さん、こんなことやめてくださいっ」
「大丈夫、ネギは体にいいから」
「そ、そういう……ひうっ」
声を跳ね上げる。こすっているときに敏感なところにでも当たったのだろうか。ともかく気をよくした俺は、ネギを動かしながら、空いた手でスカートを捲り上げて裾に挟むようにした。
「そろそろいいかな」
抑えつけるのをやめてその場に膝をついた俺の目には、まるでネギに跨るようにしている有紀寧のお尻が見える。白い下着のネギが当たっている部分は変色して、いやらしいところが透けて見えていた。
「すごいじゃないか」
「朋也さん、もういじめないでください……」
流しにぐったりともたれかかって涙ぐみ、やや怯えたようにこちらを見下ろす瞳は俺の征服欲を満たしてくれて。立ち上がってまた後ろから被さるように顔を近づけると、自分の唇を有紀寧のに押し付ける。
「んっ……」
舌で有紀寧の唇を何度もなぞると、やがて口が小さく開いておずおずと舌を差し出してきた。舌の先でちょんちょんと有紀寧の舌先をつつく。それが合図となったのかさらに有紀寧の口が開かれる。後はもう俺の思うがままにすればよかった。
ネギを動かされないようにきつく閉じられていた太ももが、キスをしているうちにしどけなく広がってくる。
ネギの先で有紀寧のをつつく。とろんとさせていた目を驚きで見開かせた有紀寧を、左手で押さえるようにしながら濡れそぼった下着を脇にずらす。
「んふっ?」
さっと舌が引っ込んでいやいやと首を振りながら離れようとする。それでも俺の口はしつこく追いかけるように、有紀寧の唇を塞ごうとする。
「ふはあっ?」
ずらした下着から姿を見せる秘部に俺は中指を差し入れる。すでに熱く溶けていた有紀寧の中は指を歓迎するようにきゅっと締め付けた。有紀寧の襞を刺激するように中指でこするように刺激すると有紀寧の腰ががくがくと震える。
とはいえ、俺の目からでは有紀寧の股間がどうなっているか見えないわけで、しかも後ろからではネギを入れることは不可能だ。そこで俺は右手に持っていたネギを有紀寧の身体の前に回していた左手に移し変えると、右手も前に回して有紀寧の媚肉を人差し指と中指でくつろげる。濡れそぼっていたそこは、ににゃあと糸を引くような音を立てるかのようだった。
「じゃあ、入れるからな」
「だめっ、だめっ」
自由になっている有紀寧の手がネギの侵入を防ごうと俺の腕を押さえようとする。しかしその抵抗はあまりにもはかない。
まずはネギを有紀寧の出した愛液にまぶすようにこする。その間にも抵抗をやめない有紀寧、抵抗すらかわいらしく思いながら俺はネギを押し当てた。本来なら触れることのない異物の感触に有紀寧の腰が逃げるように跳ねる。
「ああっ、入ってきていますっ、こんなのおかしいですっ」
「あんまり暴れるとネギが折れて取れなくなっちゃうぞ」
「……ひっ?」
ネギの表面はつるつるしているおかげかさしたる苦労もなく侵入していく。問題は途中で折れてしまうかどうか、俺は慎重に進めていった。
ネギが入っている。その事実は俺をひどく興奮させた。相変わらずスカートに隠れて見えないが、手の感触は確かに有紀寧の中に押し込んではいる、とはいえ見えないままではせっかくのアイデアが台無しだし、フラストレーションがたまる。それに何より、中腰の姿勢は俺がきつい。
「ああっ」
ぐっと奥まで差し込み、ゆっくりと引き抜いていく。そしてまた奥まで進めると、身体になじませるようにそのままにしておいた。
「こんなところか」
「なにがですか……」
恨めしげな言葉を聞き流して、俺は手を離しても落ちないことを確かめると、有紀寧の身体をくるっと回してこっちに向かせるようにした。そして再びしゃがみこんでずり落ちたスカートを捲り上げる。
「うわっ……」
思わずつばを飲み込んでいた。ずらした下着の間からネギ。有紀寧の股間から生えているネギ。時おり有紀寧が身体をひくつかせるせいで、ネギもそれにあわせて揺れている。
「すげえなあ」
「見ないでぇ……」
思わず両手で顔を押さえる有紀寧。ネギで感じてしまっている自分がよほど恥ずかしいのだろうか。じっくり観察するつもりでいたが、こんな状況で何もせずにいられるわけがない。まずはネギをくるりと回してみる。
「んんっ」
歯を食いしばって声を抑えようとするが、顎が上がっている。今度は逆に回してみた。わずかに有紀寧の媚肉が回転に引っ張られる。
「んんっ」
ネギの動きに面白いように反応する有紀寧の身体。今度は回しながら引き抜いてみた。今度は耐えている、では突き入れてみる。
「がんばるじゃないか」
今度も声を漏らさなかった。じゃあ次はと、俺はネギが突き刺さった秘裂の上で充血してかすかに顔を覗かせるクリトリスに狙いをつける。
「ひっ?」
さすがに同時攻撃は効いたのか、下腹部を震わせる。
「やですっ、そこだめっ」
もがく有紀寧の片足を持ち上げ、俺の肩で担ぐようにする。そしていよいよネギを出し入れする動きを大きくしていくと、ネギを伝って落ちていく有紀寧の愛液が俺の手を汚して床にこぼれていく。
そして、最後とばかりぐっと押し込むと、
「あああっ……」
ずるずると崩れ落ちた有紀寧の体重が俺の肩にかかってきた。そのぐったりとした様子に少し時間を置いた方がいいかなと考えたが、俺ももう限界である。
「ふむ」
一瞬で決まった。有紀寧には悪いが、ズボンの下で痛いほどはちきれていた相棒を解放する。そして肩に乗せていた有紀寧の足を下ろし、ネギを引き抜いた。
「ふえ?」
焦点の定まらない目を俺に向けてなにやら唇を動かす、勘弁して欲しいとでも言いたいのか。ここまできてやめられるわけがない。また有紀寧の身体をひっくり返して流しの縁に手をつかせる。そして有紀寧の腰をしっかりと掴むと、後ろからペニスを一気に突き入れた。
「っっっっ?!!」
瞬間、有紀寧が頤を突き上げる。髪がバサッと跳ねて俺の口元を叩いた。
「いててっ」
「許してくだひあああっ?」
ペニスに絡みつく有紀寧の襞が滑らかに刺激を与えてくる。俺も遠慮のない動きで有紀寧を突き入れ、そして周りを引きずるように腰を引く。
「あっ、あっ、あっあっ、やあっ」
口をだらしなく開けて喘ぐ有紀寧の口端からこぼれるよだれを、俺は人差し指と中指とですくい取って、開いた有紀寧の口の中に差し込んだ。無意識の反応か、すぐに熱い舌がまとわりついてくる。
「ふあああ……」
指先に絡みつくぬめぬめとした感触に、思わず背筋がぞくりとする。
「とも、や、さん」
吹き出た汗が鼻筋を伝っていく。すでに火は止めているのに、この小さな空間は熱気に満ちていた。
「やばいっ」
限界を悟った俺は有紀寧の中からペニスを引き抜いた。瞬間、ほとばしった精液が激しく有紀寧に振りかかる。それは有紀寧のスカートや太もも、エプロン、区別なしに満遍なく汚していった。
ずずーっ。何事もなかったかのように俺はテーブルに並べられた夕食に舌鼓を打つ。向かいに座る有紀寧も、シャワーを浴びて元の落ち着きを取り戻していた。ただ思いっきり頬をふくらませていたが。
「朋也さん、今度またこういうことをしたら、絶交ですからね……スカートも汚されちゃいましたし……今日はもう帰れないじゃないですか」
恨み言を聞き流して、味噌汁をずずっとすする。刻んだネギの入った味噌汁はなんとなく有紀寧の味がした。
本人は嫌がったがもったいないから無理やり使っているわけだが……またやろうかな、なんて思いながらまた一口。
「聞いているんですかっ」
「有紀寧の味噌汁はおいしいなあ」
「どういう意味ですか……」
顔を真っ赤にしたままきっと睨みつけてくる。
「くくくっ」
「はあ……朋也さんがこんな変な人だったなんて思いもよりませんでした」
「何だよ、有紀寧だってあんなによがってたじゃないか」
「言わないでください、自分が情けないです……」
今日の味噌汁の具はネギとワカメ。意図したわけでないのだろうが、それは俺にあるアイデアを思い出させるには十分すぎるほどで。
「よし次はっ」
「と、も、や、さ、ん?」
一言ずつ区切って言う有紀寧のその表情は、表面上はにこやかなだけにとても怖かった。