澪の所属する劇団の公演も無事終了し、今日は晴れてH解禁である。
 終わったらあんなこと、こんなことをしようと妄想だけはたくましくなっていた。
 一応、そのための準備も万端……色々とな。
 そして、澪に負担をかけぬようセーブしていたものをすべて開放した。
 でも、ちゃんと優しく、2人で気持ちよく。

「みおー」
「………」

 ――燃えたぜ。燃え萌えだったぜ。

 そんなこんなで今は小休止中である。
 ベットの上をごろごろ転がってみたり、鼻を揉んだり揉まれたり。
 『2人が離れる』以外のことを思いつくままに行う。
 今は膝に乗っけて、胸をむにむにしてる。小さな恋人の胸を触れていて思うことはいつも1つ。
 もう、ふくらむ事はないんだろうなぁ。

「いてっ!?」

 なんてことを考えてたら、澪に思いっきりつねられた。
 ――俺の心を読むとは、やるなマイラヴァー。
 高校時代から付き合い始めて早数年。もっか同棲中の彼女とは最近なんかツーカーだ。
 澪が何も言わなくてもなんとなく言いたいことが分かったりするし。逆も然り。
 ……鋭すぎて隠し事はできなくなったけどな。

「痛いぞ、澪」

 仕返しに、さらに胸をもむ。ぷにゅぷにゅしていて心地良い。
 あんまり仕返しになってない気もするが気にしない。というか、このまま一日中触っていたい。
 でも、俺一人楽しんでもダメなので、抱え込んでいる澪の膝の間に手を伸ばす。
 概に一回戦を終えた後だが、まだ濡れている。軽く撫でるように指を動かす。 
 中より外側を擦られたほうが澪的には気持ちいいそうだ。
 秘裂の周囲を撫でられて、澪の体が小さくはねるように動く。
 左手は胸の感触を味わいつつ時折乳首に刺激を与える。
 右手は澪の股間を撫で回たり、膣に指をゆっくりと出し入れする。
 昔から変わらない大きなリボンが俺の目の前で、ゆっくりと揺れる。

「澪、気持ちいいか?」
「……(こく)」

 顔を覗き込むと、小さく頷いてくれる。上目遣いのちょっと潤んだ瞳が俺を見返す。
 そのまま顔を近づけて、唇と唇を合わせる。
 合わせるだけで、そのまま離す。舌を絡ませるとかそういうことはあんまりしない。
 澪は基本的にライトなのが好きなのだ。キスにしろ、エッチにしろ。
 ただ俺とくっついていられれば楽しいとのことだ。
 澪なりに俺を満足させようとしてくれるし、そうやって俺のために色々がんばってくれる澪を見ている
 と、なんだか満足してしまうのだ。そのせいか、実際にやってる時間より、終わった後で布団の上で
 じゃれあうような時間の方が長かったりする。
 俺も澪とくっつくの好きだし。

 ――そう、思ってるけど――

「澪」
 
 耳元で声を出す。耳を軽くなめ上げながら。
 ただ甘くて穏やかな時間も悪くない。
 だけど、甘いケーキだけでは飽きてしまう。だから、時折辛いカレーなんて食べたくなるんだ。

 屁理屈終了。

 というわけで、あんまし触ったことない場所へ手を伸ばす。
 
「こっち、試してみるか」
「――っ!?」
 
 ぶんぶんと音がしそうなぐらい、首を横にふる。
 じたばた暴れる澪を片手で捕まえながら――お尻に手を伸ばす。
 桃みたいなおしりを撫でながら、さっきまで膣の中をいじっていた指で穴を探る。
 指に絡んだ愛液ですぼまりを『アレ』を受け入れられるようにほぐす。

 いじっていると、イヤイヤという意思表示でリボンが横に揺れる。

「澪、嫌か?」

 こくこくっ

「痛くしないからさぁ」
 
 どこまでも優しい声で頼み込む。

 ぶん……ぶん。

 ――あ、ちょっと鈍ってきた。

「な、澪。ちゃんと優しくするから」

 しばらく考えて、澪は首を振った。
 ――縦に。

「さんきゅ」

 首筋に軽くキス。

「まぁ、俺のを挿れるわけじゃないからさ」

 ほっと息をついたのを感じる。
 だが、甘いぞ澪。蜂蜜練乳ぐらい甘い。今回のために選んできた一品が、スタンバイ済みなのだ。
 枕元に忍ばせておいた『ビックリどっきりアイテム』を手にする。

「挿れるのは……これだ」

 見よ、近所のスーパーで買って来た色つや申し分なしのこいつを!
 白と緑のカラーリングの鮮やかなこいつを!!
 今から澪のおしりに入っていくこいつ――ネギをっ!!

 ……見せた途端、またじたばたと暴れだす。

「ははっは〜いくぞ、澪」

 ぶんぶんと首を振ってるが無視。
 悪いな澪。男には、ときに愛する人を裏切ってでもなさねばならぬことがあるのだ。

「つーわけで」

 すぼまりに指を這わせる。
 澪の愛液でほぐれたアナルは指を、少しの抵抗の後あっさり受け入れた。
 軽く引く、澪の体がぴくんとはねる。
 軽く入れる、澪の体がまたぴくんとはねる。

「感じてるだろ」

 うう、と恥ずかしそうに鳴きながらも暴れるのはやめている。
 じゃあ――

「――いくぞ」

 ぎゅっと目をつぶる。
 劇の前の時のようにカチコチだ。

「いや、力抜けって」

 よく知らないものに出会った小動物状態。
 マッサージするように全身を撫でる。脂の少ない固くてすべすべの体をほぐすように揉む。
 ついでに軽くくすぐってやる。澪が声のない笑いをこぼす。
 
「大丈夫か?」

 一度小さく息を吸って、こくっと頷く。

「じゃあ、うつぶせになってくれ」

 言われたとおり、伏せてくれる。すこしだけ尻をあげて。
 割れ目を押し広げると、これからネギを突入させる穴が空気に触れる。
 小さなすぼまりにまた指を這わせる。
 ほぐして、ネギを……あてる。

「……ゆっくりやるからな」

 澪が固く目を閉じるのと同時にネギが入っていく。
 ゆっくりと、白い部分が減っていく。
 突然しっぽが生えてしまったような姿。

「澪、どうだ」
「………」

 未知の感覚に、涙目で俺の腕を掴む。
 やめて欲しいのかもしれない。
 だけど困らせたり、イタズラしたりしたいという子供じみた感情がやめようなんて言わせない。

 なにより、俺も入れたことない場所に他のものが入っていく光景に興奮した。
 動かすペースをあげる。
 手足で叩いてくるが、止まらない。
 嫌がってはいるが、愛液は溢れている。

「気持ちいいんだろ?」

 ネギを動かす手を止めず、愛液あふれる秘裂に指を這わせる。
 同時に襲う未経験の快楽に、小さな尻がひくひく動く。次いでネギも別の生き物みたいに動いてる。
 
「なかなか可愛いしっぽだなぁ」

 俺のからかいにも反応せず、赤い顔で二つの穴を攻められることに耐えている。
 いつもなら見れない姿。ライトな普段のエッチではまず見ること無い姿。
 自分以外のものに感じていることへの嫉妬とゴチャゴチャになって……なんか、すげぇ興奮する。
 同時にこのままイっちゃうんだろうなんて思う。
 ――俺も澪とイきたい。

「ほら……」

 澪の手をとって、抱きつかせる。しがみつくように、抱き合うように。
 澪の足が俺の膝をまたいで、濡れそぼった前の穴に俺のモノがゆっくりと入っていく……

 何度も繋がったことがあるのに、今日のはいつもと何か違う。
 いつもと違う繋がりに、俺の興奮具合がかなり違うせいか?

「澪っ」

 肩越しにゆれる緑の尻尾。揺らすたびに、ピコピコと揺れるネギ。
 それを逆手に握って強く出し入れする。
 ぎゅっとしがみつく澪の手が強い。
 顔は見えないけど、いつもより強い締め付けが澪の返事の代わりのようだ。

 ああっ、やべぇ……逝きそうだっ
 こみ上げる射精感に耐えながらも、ネギを動かす手は止めない。
 一際大きく動かしたとき、ネギは抜けてしまい、だけど中がきゅっと締まった。

「くっ!?」
「っ!?」

 ふっと、澪の腕の力が緩む。俺より先に達してしまったようだ。
 そして、俺も限界を向かえ、

「っあ」

 達した澪の中に、俺も放った……
 澪を抱えたままぶっ倒れて、射精の余韻に浸る……
 手には、澪の後ろの処女を奪ったネギ。……あ、ちょっと血がついてる。
 ……やりすぎたか。

「澪、大丈夫か……あてっ」

 繋がったままで、俺の腕をつねる。
 
「悪かった、俺が悪かったよ」

 むーっ

 そんな擬音がぴったり来る姿で、澪がほおを膨らませている。
 あのハードなネギプレイはお気に召さなかったらしい。
 枕元においてあったスケッチブックを手に取る。

 そこに、

『いたかったの!!!』  

 びっくりマークが澪の怒りを表しているようだな。
 
「いや、おまえも気持ちよさそうだったじゃん」

 言い訳してみる。
 口はともかく体は正直だという、ある意味悪役のセリフだ。
 ちょっと、固まる澪。

「……図星だな」

 勝った。

「というわけで、もう一回な。こんどは俺のを――って!?」

 澪が笑っている。
 その笑顔はまさに、この前演じたやさぐれた少女のごとく。
 というか……殺っちまうぞ、コラの笑顔ぉぉぉぉっ!?

「み、澪おちつけ、落ち着くんだっ」

 ゆっくり頷いて、俺の手から濡れそぼったネギを奪う。
 ネギとペンを器用に片手に持って、スケッチブックに新しく文字を書き込む。

『味あわせてあげるの』
「何を――おい、まさか……」
 
 そのまさかだった。澪の片手には、先ほど後ろの処女を奪ったネギっ!?

「ま、まて」

 にこっと微笑む。
 その微笑はまるでこの世に降り立つ天使のようで、それでいて慈悲のカケラもない笑顔。
 そして、その目が語る。

 ――いいからネギをつっこませろ
 
 やべっ!?
 慌てて逃げ出そうとするも、澪の手ががっちりと俺の脚を……つかん…で――

「ま、待てちゃんと準備しないとっ……さ、裂けちゃうかも――っ!?」

 必死の懇願も、澪の笑顔を崩せなくて………あ






           ぶす







「う、うぎゃああああああああああああぁあああああああっ!?」

 


           



        ぢ・エンド







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