**** gather(クラダイ) ****
ときどき響く得体の知れない声。
その声は体を貸せとか相棒を探して欲しいとか言ってくる。
その度に耳を塞ぎ、首を横に振りながら何度も嫌だと繰り返す。
得体の知れない物に貸す力なんてない。
それでなくても僕は非力なのに…。
誰かに話そうと思ってもなかなか言い出せない。
誰に言えばわかってもらえる?
塞ぎ込み始めたある日、
玄関で急いでいるらしい白金の髪の人とぶつかって倒れた。
「いたた…大丈夫かい?ごめんね、急いでたから」
と言って僕を立たせると外に 向けて走り去る。
何だったんだろうと思いながら走り去った方を見ていると、
あの声が聞こえてきた。
あいつ…パープルか。
とすると…他の奴らもここに?
思いきって
「何のこと?」
と聞くと
「知りたいか?」
と聞き返され、恐る恐る頷くと
「危険が伴うかもしれないが…さっきの男を追えばわかる」
と言って声は消えた。
さっきの男…?
あのぶつかった人?
とにかく知りたくて外へ出ると、
今まで見たことのない色をした空が広がっている。
「何…これ…」
と呟くと
「やはりな。体を貸せ。じゃないと死ぬぞ」
と言われ口を開いた瞬間、目の前に黒い影。
不気味な笑みを浮かべながら鈍く光る爪をかざすのを見て、
腰が抜けて座り込むと影のものとは違う爪が黒い影を引き裂き、
断末魔の声と共に消えた。
助けられた…
そう思っていると向こうから不気味な容姿の人が歩いてきて
「オマエ何シテル?」
と僕に問いかけてくる。
答えようとしたが声が出てこなくて見上げていると
「ココ危険。早ク去レ」
と言われた。
しかし立てなくて首を横に振ると
「俺、ココニイル。オマエ助ケル」
と言って側に立ち向かってくる影を長い腕でなぎ払うように倒していく。
何体目かを倒したときに突然倒れ、
慌てて背中に手を当てて起こすと暖かいものに触れ手を見ると血がついた。
うろたえると
「これでもまだ体を貸さない気か?」
と声が響き
「もう逃げないよ。今度は僕がこの人を守る」
と言うと
「それなら目を閉じろ」
と言われ、その通りに目を閉じた。
すると自分の意思では体が動かなくなり、
誰かに操られている感じがする。
腕を回し
「久しぶりに暴れてやるか」
と呟いてウラアシタカを抱き上げ
「すまないな」
と髪を掻きあげさせ、
寄ってくる影を倒しながらウラアシタカをパープルに預けた。
「一気にカタをつけてやる」
とパープルに宣言し、空を見上げ赤い鳥のような男に
「ヘブンズ!」
と呼びかけて大地を蹴って飛び上がり空中に停止すると
「クラインか」
と笑い
「行くぞ」
と言うと頷いて高速で腕を回し始めた。
地上を見ると黒い影が舞い上がって黒い竜巻になっている。
携えていた剣を抜いて、
空にかざし二人同時に
「消えろ!!」
と叫んで黒い竜巻 に向かってヘブンズの炎が放たれ、
それに合わせて自分も竜巻を斬ると派手な爆発音がして邪悪な気が消えた。
地上に降りたつとヘブンズも降りてきて
「会いたかったぞ、クライン」
と抱きしめられ
「俺もだ」
とヘブンズに身を委ねる。
そのまま目が閉じられ体の自由が戻って目を開くとリダに抱きしめられていて
「 りっ…リダ!?」
と驚くと
「相棒のクラインてお前だったのか」
と言って頭を撫でられた。
恥ずかしくなってリダから離れると白金の髪の人が青い髪の人を背負っている。
顔を見ると僕を助けて倒れた人に似ていたので駆け寄って
「ごめんなさい!その人僕を庇って…」
と言うと
「大丈夫だよ、傷は浅いから。それに助けられたのは僕らの方だ」
と言われて首を傾げると
「君がいなかったら僕らは負けてたよ。クラインを目覚めさせてくれてありがとう」
と言って去って行った。
その日からドッペルゲンガーとそれを操る能力を得た。
最初は怖かったけどもう恐れない。
危険だと知りながら僕を守ってくれた人がいたから。
僕もその人のように生きようと誓った。
*********あとがき*****************
長いですね。
さっさと終わらせるつもりが長くなってしまいました(死)
しかもアヤくん出てないし(爆死)
ヘブンズとクラインの必殺技を出してみた訳ですが…伝わりましたかね?
ヘブンズはまぁ知ってたんでよかったんですが、クラインが…(苦笑)
クライン・エクスプロージョンとかかっこいい名前ついてるのにコントで普通に斬ってた言われたらそら困りますよ!
トルネードオブソウルの説明は少し覚えてましたがクライン・エクスプロージョンの説明は忘れましたし(ヲイ)
んでああなりました。
ごめんなさいm(_ _)m
いつもヘボくて本当申し訳ないです。
申し訳なさすぎです