**** sweet X'mas(アヤダイ) ****





寒空の下、
色取りどりの派手なイルミネーションを横目に見ながら歩く。


気付けばもうクリスマス。

周りはカップルだらけ。


吹き付ける風の冷たさに女が肩をすくめると男が肩を抱き寄せ、
女が笑顔で身を 寄せると笑い返している。


その様子を見て胸を痛めたが、
どうせ俺は一人だと開き直った。



前方から歩いてくる子供が母親に
「今年もサンタさん来るよね?」
と無邪気に笑い母親も
「そうね。今年もきっと来るわよ」
と言ってすれ違い
「子供は夢があってええよな。まだ親がサンタやて知らんねや」
と小声で悪態をつく。


昔は誰でもサンタクロースを信じる。

でも、大人になるにつれて信じなくなってそんな日のことは忘れてしまう。

俺もその一人。


視界に白い花びらが入り空を見上げるとちらちらと雪が降っていて、
手を伸ばすと触れた雪が溶けた。


ふと周りを見渡すと一人なのは自分だけ。

この時期だから仕方ないと思いつつも寂しくなる。



アンチクリスマスだと言っても、所詮は強がり。

素直にメリークリスマスと言えない自分を慰める言葉。


「なんでクリスマスなんてあんねや…そんなんいらんやろ」
と呟くと、後ろから衝撃が来て
「俺にとっちゃいるわ」
と声が聞こえた。

振り向くと
「おっさんの寂しそうな背中が見えたんよ」
と無邪気な笑顔。

照れ隠しで
「アホ」
と言うと前に腕を回して被さるように抱きしめてくる。

顔が熱くなってきて
「離さんかい!」
と言うと
「照れんなや〜」
と言いながら離れ
「俺からのクリスマスプレゼント」
と言って体を反転させて顎を掬うと口付けられた。

「んっ…ちょっ…」
と肩を叩くと唇を離して
「メリークリスマス」
と言って抱きしめる。


真っ赤になるのがわかりそっぽを向くと
「今日から自分のサンタになりたいねんけど」
と囁かれ、条件反射で
「は!?」
と叫ぶと片耳を押さえて
「うっさ…あかんの?」
と首を傾げられた。


この顔に弱いのを知っといて…。


頭を掻いて
「しゃあないな…」
と呟くと
「ひゃっほーい♪D大好きや♪」
と俺から離れて子どものようにはしゃいでいる。


くすくす笑ってアヤくんの手を握り
「サンタがそんなにはしゃいでどないすんねん」
とツッコむと
「あ、せやな」
と握り返して空いてる手で照れ臭そうに頬を掻いた。


その仕草が可愛くて背伸びして頬に口付け
「メリークリスマス」
と囁くと
「Dの口からそんなん聞くと思わんかったわ〜」
と嬉しそうにはにかむ。


口を尖らせて
「うっさいわ」
と言うと
「ごめんごめん」
と平謝りすると並んで街の中に溶けた。


今までは自分の孤独に負けて、
クリスマスなんていらないと思ってた。


でもそれは寂しかっただけ。


今は仲間がいるし、特別な存在もいる。


だからもう孤独には負けない。

大人になって初めて特別な存在にだけ言ったメリークリスマス。


これからもきっと君にしか言わないメリークリスマス。






*********あとがき*****************

X'masネタでやってみました。
実は私もアンチクリスマスです。
ダイシくんの気持ちがよくわかります。
コンビニとか街でイチャついてるカップル見ると殴りたくなります(危)
同志の方、挙手!(何)
わかると思いますが元ネタはあの曲です。
私なりの解釈なんで「違うだろ!」と思っても目を瞑っといてください(逃)

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