不死鳥伝説
大した能力も無く持参金だけでF1シートが獲得できる昨今、素晴らしい素質がありながら
レース活動の資金に恵まれない物がいた。
彼の名はニキ・ラウダ。
驚くべきは、その資金調達のしかたである。彼は、自分の命(生命保険)を担保に銀行から借
金をしてF1にやってきたのである。
F1デビュー時には、さしたる成績は残せなかった彼が花開くのは、フェラーリに移籍した時
である。
1975年、開幕から3戦は振るわなかったが、4戦目のスペインGPから3連勝をしてから8
戦目、9戦目も連勝を飾り、11戦目から最終戦まで全てトップチェッカーを受けて見事、初の
ワールドチャンピオンに輝いた。
1976年は勝ち星が少ないものの、チャンピオン争いに喰らいつき、第10戦のドイツGPを迎
える。
しかし、決勝で彼のマシンは大クラッシュをして炎上してしまう。
大やけどを負って瀕死の重傷に陥ったほどの大惨劇であった。
そして奇跡が起きた…
何と、ラウダは事故から、約1ヶ月でグランプリに復帰してきた。
その姿は正に、炎の中から蘇える不死鳥のようだった。翌年、彼は2度目のタイトルをもの
にしてしまう。
79年、突如として引退を表明!82年にはカムバックしてきて、84年僅差で3度目の栄冠を手
にする。やはり不死鳥は不死鳥だった。