「一応プリーストも2人程用意してあるから、大丈夫だよ」

と担任がそんな事を言う

考えようによっちゃ凄く怖い台詞に聞こえるんだが…

「じゃあとりあえず…3時間、3時間経ったらまたここに集合ね、それじゃ解散」

それだけ言うとアリスは、後ろにいたプリーストの2人と共に森の奥へと進んで行ってしまう

一体これの何処が実力を見る為のものなんだ

俺は疑問に感じながらもICカードを開き、時間を確認する

「…今からだとちょど昼までだなぁ」

とカイルが芋を口に運びながら言う

3時間か…

フェイヨンの街からそれ程遠くないし、フェイヨンの森と言ってもここは迷いの森でもない

まぁ俺達のレベルからしてみれば凶悪なモンスターがいる所になんて行く筈が無いのだが

「で、3時間もの間、何をしてればいいんだか…」

ふぅ、と溜息をついて空を見上げる

生い茂った木々の間から射す木漏れ日が眩しかった

「あー、言い忘れたけど」

「おわっ!?」

何をしようかボーっとしてた所にアリスが戻ってくる

「ここに生息してるモンスターの収集品をある程度集めてね、参考にしたいから」

収集品…

つまり、その収集品の量で俺らの実力を知ろうってのか

3時間の間にどれだけ集められるか、と

「無理はしないでね、無理しても大丈夫だけどね」

それだけを言うと、またアリスは森の奥に消えていった

だから捨て台詞が怖いっつーの…

「なぁジュリアン、この辺りってどんなモンスターが出るんだ?」

確かジュリアンはフェイヨンの出身だ、だったらこの辺りにも明るいだろう

「んー…フェイヨンにいたのはそんなに長くなかったけど…」

「あんまりそんなの気にしなくていいんじゃない? 出てきた敵を倒せば、さ」

そう言ってカイルは立ち上がる

既に他の生徒達もそれぞれ森の奥へと入っていったようだ

今ここに残ってるのは俺達だけになってしまった

「どうでもいいから早く行こうよ、こんな所にいても意味無いんだし」

エルリラはアイラを連れてとっとと森の奥へと歩いていく

俺達男組み3人はそれを追うようにして森の奥へと歩いていった



森の奥に進んで1時間が経っただろうか

未だに全然モンスターの気配すら感じなかった

「本当にここってモンスターが出るのかぁ?」

「しっ、静かにしろカイル…」

そう思っていた矢先に何者かの気配がする

…4つ…

人のそれじゃない妙な気配、獲物を狙うような視線を感じる

これは明らかにモンスターだな

「先手必勝! ファイヤーボール!!」

後先考えずに行動する見本みたいな奴がさっさと行動しやがった…

その気配が何処にあったのか解ったらしく、カイルはすぐさま詠唱に入り、ファイヤーボールを放つ

「気が早いなぁ…」

苦笑しながらもジュリアンは弓を構える

ファイヤーボールによって焦げた茂みの奥から4つの影が飛び出す

カイルの魔法によるダメージは無いように見えた

それもそのはず

「エルダーウィローかっ!」

火属性のモンスターであるエルダーウィローがその気配の正体だった

そして火属性モンスターに火の魔法が効くはずも無かった

「Shot!」

ジュリアンは立て続けに4本の矢をエルダーウィローに放つ

一瞬のうちに矢を2本放つアーチャーのスキル、ダブルストレイフィングだ

同じ目標に2本同時に矢を放つ、このスキルはかなりの集中力を有する筈だ

なのに2回も間を空けずに放つなんて…

「はぁぁぁぁぁ!」

4本の矢が刺さったエルダーウィローに対してエルリラがバッシュを放つ

重量のあるバスタードソードから放たれるバッシュをモロに受け、エルダーウィローの1体は絶命する

「次ぃっ!」

振り向き様に残りの3体に対してジュリアンは矢を放つ

そしてそれはことごとくエルダーウィローに命中する

ジュリアンの放った矢の内、2本の矢は2体のエルダーウィローの急所を貫く

「せいっ!」

残りの1体にエルリラは追い討ちをかける

どうやら両方とも終わったようだ

「ありがと、君のブレスのおかげで楽に倒せたよ」

「ありがとね、アイラ」

ほぅ、さっきの戦闘の間にそんな事があったのか…

俺なんて見てるだけでブレスをかけるのも忘れたくらいなのにな

「素晴らしい」

「うん、素晴らしい」

俺に続いてカイルも声を発する

はっきり言って俺とカイル、全然役に立ってなかったよな

「ふぅ…カイルは火マジだからいいとして…」

エルリラの視線は俺に向けられる

「カイゼルはブレスのひとつくらいくれても良いんじゃないの?」

く、結構痛いところをついてくる

一応ブレスは覚えたけどさ、まぁ戦闘が速過ぎて追いつけなかった

とでも言っておこうかね

本当は違うけど…

「いやまぁ、使おうとはしたんだけどさぁ…こっちもな」

「まぁアテにはしてなかったけどね…」

ぬぁ

何て言い様だコイツ…

こっちだって支援出来ればしたかったっつーの

でも出来ないんだよ!

普通のアコライトに比べて…魔力が少ないんだよ…自分で手一杯なんだよ

「テメェ、結構凄い事言ってくれるんだな…」

さっきから妙な気配がまだ消えない

「本当の事じゃない、アイラの方が優秀よね、レベルなんて関係無しに」

まだ、まだする…

「ちっ!!」

俺は腰に掛けてあったメイスを手にすると、一気にエルリラとアイラの元に駆け寄る

「とっとと伏せろ!」

言いながら俺はエルリラとアイラを突き飛ばす

やはりいた

まだその辺りに潜んでいたエルダーウィローが1匹が2人を狙っていた

俺は素早く自分自身にブレッシングと速度上昇を唱えた

俺は飛び掛るエルダーウィローを紙一重で避けると体勢と立て直した

エルダーウィローの一撃は空を切り、地面を軽く抉った

2人の体くらいなら軽く穴が空きそうな程の威力だ

「うっらぁぁぁ!」

手にしたメイスを強く握り、勢い良くエルダーエイローの脳天目掛けて振り下ろす

今まで聞いたことのない乾いた音と共に、エルダーウィローは砕け散る

俺はメイスを腰に掛けると、エルリラの方を向いて一言言い放った

「これでもアテにしない、か?」

と…

〜クワトロプルハリケーンメイス〜

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