ゲフェン中心部から少し離れた場所にその店はある
優しくて美人で物腰柔らかで…男の理想をほとんど網羅しているような女主人エミューが経営している酒場
開店時間が午後の3時からと比較的早いのだが、5時6時ともなると大勢の客で賑わっている
ほとんどの人がエミューを目当てで通っていると言ってもいいほどだ
俺もエミューの店に行く大体の目的がそれなのだが…

「少し出遅れたかな」

街中に立てられている街灯に照らされ、エミューの店の看板が照らし出されている
既に店の外には多くのペコペコが繋がれていた
この分じゃエミューに近付くのも難しいかな
一応エミューに呼ばれて来たから大丈夫かな…


2、日常の楽しみがブルー弄りという女、サリア登場


店の中に入ると案の定座れないくらいの大勢の人がいた
思い思いの飲み物や食べ物を片手に談笑していた
とりあえずどこでもいいから座れる場所を探して店内を歩く
さっきまで嘘のように軽かった足は石のように重たくなっていた
しかし既にほとんどの席が埋まっており座る事なんて出来ないような状況だ
…とりあえずあの人ごみの中に入るのは滅入るがエミューから目的の物を貰って早めに帰ろうか
そんな事を思いながらカウンターに近付いた時だった

「うりゃ!」

「いでぇ!?」

カウンター付近のテーブルに座っていた人物の繰り出した杖が俺の腹部に突き刺さった
獲物はマイトスタッフ
先端は丸まっていて本当に突き刺さりはしなかったが、いかんせん攻撃用の杖だ
しかも持ち主の魔力が高ければ高いほど威力の高い攻撃が繰り出せる仕様
言葉が出たのは一番最初の一瞬だけ。その後は何とか呼吸をするくらいしか出来なかった

「こんな美女を前にして素通りですか?」

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